オースン・スコット・カードのレビュー一覧
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タイトルは違うけれど、内容は完全に『ゼノサイド』の続き。
ディヴァイン・ウィンドの一連の話、パシフィカのマルの存在、最後に代弁をしたけどほとんど出番のないプリクトとか、消化し切れていないパーツがいっぱいあるんじゃないですかね。それで星ひとつ減。
これでもってエンダーのシリーズは一旦終了。主人公死んじゃうし。
この作品は大江健三郎と遠藤周作の『深い河』に影響を受け、そして作者はモルモン教徒で、ってことだけど、大江健三郎も遠藤周作もモルモン教もよく知らないのでそれがどう影響しているのか、その是非についてもわたしにはわかりません。ただ、内容が異生物虐殺をめぐるあれこれがテーマなので、宗教色は結構強 -
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ネタバレ『エンダーのゲーム』からつながってはいるものの、物語世界はだんだん違う方向へ行っています。上巻はまどろっこしい感があり、下巻ではそれなりにまとまったものの、内容ぎっしりで少々重かったですね。
モンスターペアレンツの家庭の状況、見た目が半人間や昆虫みたいな知的生物への拭えない嫌悪感、離婚へ至る過程における夫妻のすれ違い(←結構リアル)、遺伝子治療により直ったはずの元強迫性障害者の現実逃避とその顛末、キリスト教的?自己犠牲願望、アニマ・アニムスの実体化、引き寄せの法則のSF的表現。てんこ盛りな要素をひとつの物語にまとめるのは作者の技量も大きいと思います。
そして伏線を全部回収せず来シーズンをお楽し -
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途中までは少年のSF冒険譚かと思ったけど終盤でその趣がガラッと変わってしまった。特にピーターとヴァレンタインが思想活動に乗り出したあたりから。
どんな困難でも持ち前の頭脳で乗り越えていくエンダー。普通ならそこでハッピーエンドだったかもしれない。でもその先にあったのは絶望だった。エンダーを最高の兵士にするべく全てを管理しようとするあまりエンダーには一つも自由意志に基づくものが残されていなかった。そして最後にはたった一つのかけがえのない支えであったヴァレンタインへの想いまでも踏みにじられてしまった。最後に彼に自由として残ったのはただの「マインドゲーム」だけだった。
だから『エンダーのゲーム』な -
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面白い!時は近未来。銀河外生命体バガーからの二度にわたる侵略を辛くも退けた歴史をもつ国際艦隊は、来たる三度目の侵略に対抗するための人材を探していた。そんな期待を知るよしもない天才少年エンダー(6)は、国際艦隊からの徴兵を受け入れ、最愛の姉ヴァレンタインと最悪の兄ピーターに別れを告げる。幹部候補生育成機関のバトル・スクールでエンダーはその才能を開花させていく!大人たちの本当の思惑とは?絶望に叩き落とされたエンダー、そこから立ち上がった時いったい何をするのか?!以下次巻!
ガジェットも物語を縁取る世界観も人物の心情も、すべての要素からワクワクが止まらない!エンダーの成長から目が話せないエンターテイ -
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ネタバレSF短篇集。
SFといってイメージするのはスターウォーズのように超越したテクノロジーを使った戦闘などでしたが、この本の短編はいかにもSFな物語というよりは作者の人生観をSFというジャンルで表現しているような印象を受けました。
宇宙人やタイムマシンが当たり前に出てきますが、それらの登場人物や道具を使って人生の考え方や人の生き方を話に落としこんで、1つ1つの話が教訓や寓話のように生き方の指標を示すような物語になっていると感じました。
11の短編の中では、タイトルになっている無伴奏ソナタとアグネスとヘクトルの物語が気に入りました。人の幸せや向き不向きについて考えさせられる話が少し寂しげで綺麗な話だと -
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購入済み
凄いとしかいいようがない
エンダーの影になり得たただ一人の少年。天才で圧倒的ででも孤独なエンダーの話が好きだったけど、ビーンも気になる存在だったから、ビーンサイドをえがいた話には一もにもなく飛びついた。読後感は言いようもない。ビーンのあの口調や話し方はそういう意味があったのね。出だしはそんなことありえるのか、と思うような事件から始まったけど、話にぐいぐい引き込まれた。最後はビーンにも幸せになると予感させて貰えたけど、もっとその後はどうなるのかが気になる。死者の代弁者のように、エンダーのその後やバガーとよばれた女王ありの世界や思想や観念の話も良かったけど、ビーンの人生そのものがどうなったのか知りたい。でもこれで完結してし
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まず、この文庫本の最初に『はじめに---作者への公開書簡---』が置かれています。この文章が書かれた時代のアメリカにおけるSF作品への状況が透けて見えてきます。
その上でこの短篇集を読むと、なかなかドロッとキテるな、というのが第一印象。『はじめに…』にも書かれている「”本格”SF以外に目を向けようとしない狭い範囲の読者のためだけの作家ではないのだ。」がよくよく分かってきます。
作者のあとがきにはこう書かれています。
---これらの短編すべてで繰り返されているモチーフがある---残酷なまでの苦痛と、グロテスクなまでの醜悪さだ。繰り返しあらわれる主題もある---死の愛好、喜びに対する支払いきれない -
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「エンダーのゲーム」は日本語訳刊行当時に大変面白く読んだ記憶があり、このエンダーズ・シャドウは「ゲーム」の映画化をきっかけに読むことになった。
タイトルから想像するようなエンダーの影武者ではなく、遺伝子操作によってこの世に生を受けたビーンこそ、人間の能力の限界を超えた、いわば「ゲーム」の勝敗に直接、間接的に関わる存在だったのが面白い。
これぞ「シャドウ」の醍醐味。
コンピューター並みの演算能力と深い洞察力を誇るビーンだが、だからこそエンダーの苦渋を伴う人間としての決断によって光明を得るという辺りが皮肉。
不幸な生い立ちのビーンこそ、戦後は幸せに生きて欲しい。 -
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父親のステップが転職し、フレッチャー一家はノースカロライナのストゥベンに越してきた。
ステップはハッカー・スナックというパズルゲームをヒットさせたことのある才能あるプログラマ。
これまでは、自宅での仕事と、歴史の博士号を取る研究という自由な立場でやって来た。
今度の会社ではマニュアルを書くだけが仕事と言い渡され、驚き苛立つが、当面は仕方がない。直属の上司はいやみな男だったが、実はプログラムに関しては無能らしい。
妻のディアンヌは心の温かい母親で主婦だが、3人の子供を抱えて、さらに妊娠中、めまぐるしく過ごしている。
二男のロビーは無邪気だがやんちゃな盛り。
まだ赤ちゃんのベッツィははいはいをする