オースン・スコット・カードのレビュー一覧
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「エンダーのゲーム」は日本語訳刊行当時に大変面白く読んだ記憶があり、このエンダーズ・シャドウは「ゲーム」の映画化をきっかけに読むことになった。
タイトルから想像するようなエンダーの影武者ではなく、遺伝子操作によってこの世に生を受けたビーンこそ、人間の能力の限界を超えた、いわば「ゲーム」の勝敗に直接、間接的に関わる存在だったのが面白い。
これぞ「シャドウ」の醍醐味。
コンピューター並みの演算能力と深い洞察力を誇るビーンだが、だからこそエンダーの苦渋を伴う人間としての決断によって光明を得るという辺りが皮肉。
不幸な生い立ちのビーンこそ、戦後は幸せに生きて欲しい。 -
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父親のステップが転職し、フレッチャー一家はノースカロライナのストゥベンに越してきた。
ステップはハッカー・スナックというパズルゲームをヒットさせたことのある才能あるプログラマ。
これまでは、自宅での仕事と、歴史の博士号を取る研究という自由な立場でやって来た。
今度の会社ではマニュアルを書くだけが仕事と言い渡され、驚き苛立つが、当面は仕方がない。直属の上司はいやみな男だったが、実はプログラムに関しては無能らしい。
妻のディアンヌは心の温かい母親で主婦だが、3人の子供を抱えて、さらに妊娠中、めまぐるしく過ごしている。
二男のロビーは無邪気だがやんちゃな盛り。
まだ赤ちゃんのベッツィははいはいをする手がかかる盛り。
8歳の長男のスティーヴィは大人しく頭がいい。学校で友達が出来ないらしく、引っ越したのが気に入らないのではと両親は気にはなっているのだったが…
裏庭で友達と遊んでいると言い出したのが、姿の見えない空想の友達なので、胸を痛めることに。
モルモン教徒の一家という特殊性もあり、今度の教会での役割や人間関係も大きな問題に。
ここにも嫌な女性がいて、ディアンヌはへこまされるのだが、親切な隣人にも恵まれる。そして…? -
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ヒューゴー賞とネピュラ賞受賞、ローカス賞のオールタイムベストでも上位入賞2回、直近の2012年では『Dune』に続き2位だ。期待も高まろうというもの。
なんだけれども、自分の好みではあまりなかった。
読みやすい。
読み出してから2日で上下巻読み終わった。
バガーという種の設定なんて面白いと思うし、主人公のストーリーとは別に兄弟のストーリーも進むのも物語を厚くしていると思う。
ただやはり、主人公の成長もいいんだけれど、ちょっと流石に幼すぎやしないか? 6歳から教育が始まるのはまあ良しとしても、12歳で地球を救ってもう隠遁生活みたいな、いやいや、ちょっとリアリティなさすぎでしょう。
というか、ジュブナイルだよな。と思う。
ジュブナイルとしてなら、自分も高評価。
でも自分むけの本ではない。
なので、そうだなー、シリーズ物みたいだけど、次を読むことはないかな。 -
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ヤン・ウェンリーでありアムロ・レイでもありシャア・アズナブルでもある可能性を持つエンダーのニュータイプ能力? を覚醒させるため軍はあえて彼を孤立させる。子どもたちの敵視は続くがエンダーはそう簡単にはやられない。
ピーター、ヴァレンタインも含めておそるべき三きょうだい。
■エンダーのゲームについての簡単なメモ
【アーライ】バーナードの取り巻きの一人だがエンダーの能力を認めているし自身の能力も高い。
【IF/インターナショナル・フリート】国際艦隊。
【遊び道具】《そして、遊び道具は――ゲームがひとつだけだ》p.58
【アンドルー・ウィッギン】→エンダー
【ヴァレンタイン】エンダーの姉、ピーターの妹。エンダーの理解者。エンダーは彼女を慕っている。そこが軍にとっては問題やった。人の美点を刺激することでコントロールする能力を持つ。
【エンダー・ウィッギン】主人公。本名はアンドルー・ウィッギン。ヴァレンタインがそう呼んだ。「終わらせる者」の意味? 物語開始時六歳。戦争の天才かもしれないと大人たちは考えている。
【グラッフ大佐】戦闘訓練基地で初等訓練の指導をしてはる。
【サード】第三子。この世界は二人以上の子どもをつくってはいけないことになっている。
【サラマンダー隊】新入生の間でようやくうまくいきかけていたエンダーがそこから引き離されて配属された隊。
【シェン】バーナードのいじめの対象になった小柄な少年。
【出産】エンダーは第三子だが本来ならこの人数は違法のようだ。ピーターが優秀そうやったからか両親の遺伝子的な何かで第三子まで生むことができた。
【スティルスン】いじめっ子。
【ダップ】エンダーたちの部屋のメンバーの世話係。
【ディンク・ミーカー】ラット隊の小隊長。優秀でエンダーを認めた。
【二流】二流にできるのは一流を育てることと権力に酔うことくらい。
【バーナード】いじめっ子気質。エンダーにちょっかいを出して腕を折られる。フランス系で自分のことをベルナルドと言う。
【バガー】敵性異星人? 前回の襲撃は八十年前でメイザー・ラッカムがいなければ人類は滅亡していたと思われる。そして今メイザー・ラッカムはいない。
【不承諾家庭】二人以上の子どもをつくらないという世界的な決まりを守らない家庭。税金も重くなるしいろいろ苦労する。国レベルで不承諾なポーランドは国際的な制裁を受けている。
【ピーター】エンダーの兄。戦闘訓練基地に行けなかった。人の弱点を突くことでコントロールする能力を持つ。
【ペトラ】サラマンダー隊のメンバー。唯一の女子。狙撃の技術が高い。
【ボンソー】サラマンダー隊の指揮官。規律を重んじる。というより皆を自分に従わせたいタイプ。
【メイザー・ラッカム】あらゆる不利を覆した名司令官。
【ローズ・ド・ノーズ】ラット隊の隊長。あまり優秀とは言えない。 -
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さすが古典SF作家の短編集と思わせる一冊!
作品の多彩さもそうなのですが、最近のSFの傑作たちに通じるアイディアも随所に見られ、普遍的なSFの血脈を感じました。
もっとも印象的だった短編は表題作の「無伴奏ソナタ」
音楽を愛した天才が、国家から音楽をはじめ多くのものを奪われていく姿を描いた短編。
国に逆らうと分かっていながらも音楽を創ろうとする主人公の静かな熱意と過酷な人生に思いをはせるとともに、ラストシーンの素晴らしさが強く印象に残ります。文章が主人公から距離をとった冷静な語り口なのですが、その分深く静かな感動がゆっくりと押し寄せてきました。
SF作品でありながらもホラーの雰囲気を感じる作品も多く、その不気味さも相まって面白い作品も多かったです。
「王の食肉」は人間を食べる外来生物とその生物に仕えた〈羊飼い〉と呼ばれる人間の物語。ぱっと読んだ雰囲気ではB級ホラーっぽいあらすじになるのですが、そこを描写の気味悪さで引っ張ります。そしてラストの展開でまったく味わいのちがう作品に変わり、アイディアとテーマの見せ方の巧さを感じました。
「ブルーな遺伝子を身につけて」もSFにホラーの雰囲気をまとった作品。化学戦争で地球から逃れた人類。それから数百年。宇宙飛行士たちが再び訪れた地球には、生き残った人類が生活していたが……
地球で生き残った人類とともに生活しているアメーバ状の謎の生物。その正体が分かったときの不気味な感じと衝撃の一方で、どこか説得力もある奇妙さもあり印象に残りました。
他にもSFだけでなく怪奇小説の雰囲気の強い作品も多数収録されていて、著者の多彩な一面を垣間見ることのできる短編集でした。 -
Posted by ブクログ
異星人バガーの侵攻に対抗できる="人類の救世主"となる指揮官を育て上げるための施設<バトル・スクール>で、過酷な訓練を受ける幼い少年エンダーの物語、下巻。
大人たちによって画策された過酷な環境下においても次々と結果を残していくエンダー。飛び級でコマンド・スクール(司令官訓練基地)への移籍を命じられ、"ゲーム"の過酷度は更に増していく。そして明かされる異星人バガーとの戦いの真相―――。
ヒューゴー賞/ネビュラ賞を受賞し、タイトルも有名な作品で期待していたのだが、個人的には琴線に触れる内容ではなかった。やはりエンダーが11歳という年齢設定で、主人公の視点で物語を追うには感情移入が難しかったか。また、舞台が養成施設で訓練描写が大半を占めるのだが、イマイチ盛り上がらず面白味に欠ける。これは、自分がテキストから上手く脳内映像を作り出すことができなかったことが大きそうなので、映画版を観てイメージを補間しよう・・・なんか評価低いけど。。。