辻堂魁のレビュー一覧

  • はぐれ烏 日暮し同心始末帖

    純粋な気持ちの日暮龍平

    北町奉行所の平同心、日暮龍平は三十歳で、身重の妻と子供一人と八丁堀に住んでいた。
    龍平は、元は旗本沢木家の三男の部屋住みだったが、日暮家の娘、麻奈に見初められ、奉行所与力の日暮家に婿養子に入った。作者が描く徳川時代小説は、江戸時代後期、1800年前後の時代背景が多い。その頃は太平の世が永く続き、武士...続きを読む
  • 夜叉萬同心 風雪挽歌

    凶悪事件を起こした若侍

    北町奉行所勤めの萬七蔵が、定町廻り同心になったばかりの頃に起きた事件の話しである。
    深川近くの洲崎の土手道で男の首切り死体が見つかった。死体は深川界隈の賭場を取り仕切る貸元岩之介で、懐を狙った辻斬り強盗だった。
    七蔵がこの事件を担当したのだが、被害者の関係者の聞き込みに時間を取られて、一向に下手人を...続きを読む
  • 川烏(かわがらす)~介錯人別所龍玄始末~
    【内容紹介】

    牢屋敷の首打役と刀の試し斬り御用を生業にする浪人、別所龍玄二十二歳。
    武家からの依頼を受け切腹の介錯を務めることもある。
    剣術において天稟の才を持ち、刀一本で首打ちに臨む凄腕の龍玄、その真の姿を知る者は少ない。
    太平の世、罪と不条理、生と死の狭間にあって、江戸の市井を気高く生きた一人...続きを読む
  • 夜叉萬同心 親子坂

    親の敵討ちをする三姉妹

    六百石の旗本、疋田家に仕えていた河野佐治兵衛は、10年前、疋田豪軒の息子、籐軒の供をして柳橋の書画会に出掛けた折、船宿の澤田屋で籐軒が若衆を斬り殺す事件を起こした。
    佐治兵衛は、籐軒の身代わりとして奉行所に出頭して八丈遠島の刑を受けた。
    そして御赦免により、10年経った今、江戸に戻ってきた。戻ってみ...続きを読む
  • 黙(しじま)~介錯人別所龍玄始末~
    やっぱり、この作品は面白い。3作目も一気に読み終わってしまった。読んでしまうのが惜しい作品というのは、久しぶりだ。
  • 夜叉萬同心 もどり途(みち)

    命は大切、無駄な命はない

    「もどり途」という変わった名の物語は、2件の殺人事件から始まる。
    1つは、浅草界隈を縄張りする貸元、谷次郎が殺された。そしてすぐ次に、2件目の殺しが発生。被害者は小網町、塩問屋「隅之江」の隠居の下女お豊である。
    谷次郎の殺しは縄張り争いで、あやめの権八を頭とした破落戸一味が、谷次郎の縄張りを狙い横取...続きを読む
  • 向島綺譚~読売屋 天一郎(四)~
  • 落暉に燃ゆる 大岡裁き再吟味

    名奉行大岡のお裁き、失敗

    大岡忠介が江戸南町奉行として活躍した時代は、江戸の物価は上がり庶民の生活が苦しい。さらには西国では大飢饉が起きた。影響は江戸にも及び、米の価格が上がり暮らしで食べ物に困る程であった。
    大岡は施策として金銀お吹替(改鋳)を推進して、物価の安定を図ることにした。施策に反対する両替商や大商人は幕閣の反対...続きを読む
  • 倅(せがれ)の了見~読売屋 天一郎(三)~

    読売や 天一坊 倅の了見

    面白かった。スマートでカッコいい天一郎、父親譲りだった。亡くなった真相がわかり一層魅力が増した。
  • 乱れ雲 風の市兵衛 弐[28]
    久しぶりの市兵衛シリーズの28巻目。今回は少しだが鬼しぶの息子良一郎の活躍が描かれており、これから先のシリーズにも登場してくる前触れのような感じがする。そして、相変わらずの市兵衛のクールな所作はカッコ良すぎだ。それに、取って付けたように最後に出てくる早菜、これは何かの伏線なのだろうか。ますます目が離...続きを読む
  • 春風譜 風の市兵衛 弐[31]

    終わりよし。

    このシリーズのファンで全巻読んでます、だんだんと辛い筋書きで生きていく厳しさを感じました。今回は市べいさんの凄腕斬り合いが無くて残念。
    次回に期待しています。以前より市べいさんの見合い話から一向に話が進まないのが残念です。
  • 乱雲の城 風の市兵衛[12]
    市兵衛の兄である公儀十人目付筆頭 片岡信正が窮地に。
    奥祐筆越後織部は、伊勢7万石の大名、片岡を憎んでいる同僚の目付らと共謀して、根も葉もない収賄容疑をでっち上げ、片岡を謹慎させることに成功する。そして、片岡の腹心である小人目付 返弥陀ノ介は捕らえられ死ぬほどの拷問にかけられる。最後の弥陀ノ介の救出...続きを読む
  • 寒月に立つ 風の市兵衛 弐[29]
     旗本の家柄ながら元服後すぐに出奔。大坂で商売と算術を、奈良の興福寺で剣術を学び、江戸に戻って臨時雇いの用人稼業で生計を立てる唐木市兵衛の活躍を描く、時代サスペンス。越後津坂藩騒動前編。
     シリーズ29作目。第弐部9巻。

          * * * * *

     津坂藩の跡目相続を廻る陰謀を探索中の弥陀...続きを読む
  • 疾風の義賊 三 乱雨の如く 〈新装版〉

    世界に羽ばたく!

    乱之介は、数奇な運命を背負い、世の中の不条理と戦い、生き抜いて、とうとう日本を出て、自由の身となった。
    ロンドンからの手紙を読んだ孝康と同じく、感動で、涙が出るのと同時に、乱之介、おぬし、やりおったな!と、胸がいっぱいになった。
    面白くて、あっという間に読んでしまった。読後は、少し、寂しさを感じる。
  • 疾風の義賊 二 叛き者 〈新装版〉

    権力を持つ悪者ども、死ねっ!

    憎っくき悪者め!目に余る悪辣さ!情けなどかけるな! 私が、彼らなら、一気に抹殺してしまうけど….….
    気になる乱之介の出自は?早く読みたいような、もう少し、ゆっくり読みたいような….….困った。
  • 疾風の義賊 〈新装版〉

    面白かった。

    父親の仇を取りに、江戸に戻ってきた乱之介と、その仲間達。一番の大物は、今回は、失敗してしまったけれど、下っぱは、こてんぱんにしたからね。ちょっとは、溜飲が下がったな。話の続きが、気になる。悪いヤツを、のさばらせて置いちゃ、いけないからね。
  • 斬雪 風の市兵衛 弐[30]

    無常

    いつもながら人物描写、流れの良いストーリーにおもわず引き込まれてノンストップになってしまう。
    ひとの想いが想像されて、わたしなり悲しみを感じました。
  • 寒月に立つ 風の市兵衛 弐[29]

    清々しくスカット

    いつもながら、細かい筋書きと白熱な斬り合い、息もつけないほどの展開が素晴らしいと思う。
    主人公の人柄が良くかけていて尚且つ助ける周りの友達も心団結していてホッとします。前にも増してこの先の続編に期待して居ます。
  • 斬雪 風の市兵衛 弐[30]
    内容(ブックデータベースより)
    市兵衛、儚い真心さえも喰らい尽くす悪鬼を断て! 
    藩の財政立て直しのため江戸に出た老勘定衆が目にした利権の巣窟とは! 

    跡継問題に決着をみた越後津坂藩は、新たな江戸家老のもと財政再建に心血を注いでいた。そんな時、初老の勘定衆が百五十両を着服し逐電した。男は江戸家老の...続きを読む
  • 寒月に立つ 風の市兵衛 弐[29]
    内容(ブックデータベースより)

    市兵衛、修羅となる!
    譜代大名の世継ぎ騒動の裏で蠢く魑魅魍魎たちの正体とは?
    内偵を進める弥陀ノ介は密殺集団に襲われ、瀕死の重傷に!

    返弥陀ノ介が瀕死の重傷を負った。公儀十人目付筆頭片岡信正の命による、越後津坂藩内偵の最中だった。津坂藩は譜代ながら跡継騒動を抱え、...続きを読む