あらすじ
その慈愛に、少女は聖き母を見た。
恩ある呉服太物所の女将を助けてほしい――。
つきまとう陰陽師。
明かされる秘密。
十三歳の娘の依頼に、市兵衛の剣が舞う!
真心と感涙の傑作時代小説
江戸のかくれ切支丹をほのめかす手紙を残して、三田の陰陽師うしな秋蔵が殺された。
一方、近くの岡場所で下女奉公するみつぐは、道で折檻されていたのを、呉服太物所の女将・婉に救われる。偶然にも婉の秘密を知ってしまったみつぐは、唐木市兵衛を頼る。
異変を察した市兵衛が独自に探索を進めると、秋蔵殺しの復讐に燃える陰陽師一派もまた、周囲を嗅ぎ回り……。
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Posted by ブクログ
「風の市兵衛 弐」(第二期)第15弾。(通算・35作目)
芝新網町代地で陰陽師・うしな秋蔵が殺害される事件が発生。
江戸にいる“かくれ切支丹”をほのめかす手紙を秋蔵から受け取っていた陰陽師仲間が京から到着し、犯人を捜し始めます。
一方、市兵衛はとある事情で知り合った少女・みつぐから恩人を助けてほしいと依頼されますが・・。
前作のレビューでもちらっと書きましたが、すっかり"算盤侍"から遠ざかっている市兵衛さん。
ま、本人も作中で
「渡り用人の仕事は容易には見つかりません。よって頼まれればどのような仕事でも、大抵は請けることにしております。」
…と、自ら“便利屋みたいなもんです”と認めているようですしねw
さて、今回は陰陽師殺しの背後に“かくれ切支丹”との関わりはあるのか・・?
みつぐの恩人、呉服太物所の女将・婉の抱える秘密とは?
といった事項をメインに、十三歳の少女・みつぐの依頼を受けた市兵衛さんが安定の活躍を見せてくれます。
個人的注目ポイントは、みつぐちゃんの不憫&健気っぷりにつきますね。
岡場所に身売りされて下女奉公しているのですが、ここの女将がとんだ鬼畜暴力女将で、みつぐちゃんへの折檻が度を越していて酷いのなんの!
で、ある日女将からボコられているところを通りすがりの婉さんが助けてくれたことに、すごく恩義を感じている訳なのです。
そんなみつぐちゃんが、何だか訳アリな婉さんの助けになりたくて、市兵衛さんに、
「市兵衛さん、婉さまを守って差し上げてください。婉さまはきっと何かに困って、つらいこと、お苦しいことを我慢していらっしゃるような気がしてなりません・・」
・・と、頼みこむ場面があるのですが、“いや、みつぐちゃんこそ、相当つらく苦しい境遇だよね・・?”と、自分の事を差し置いて、恩人の身の上を心配する彼女の心の清らかさに胸打たれた次第です。
しかも、せっかく市兵衛さんが〈近江屋〉というホワイト企業(?)へみつぐちゃんを斡旋する話をつけてきたのに、ブラック風〇の岡場所に戻る決意をしちゃうのは何故に?もっと自分の幸せを優先にして良いのに~!
と、ストーリーそっちのけでみつぐちゃんの心配ばかりしていた私でございます。
あと、この物語のキーウーマン・婉さんもかなり壮絶な半生だったので是非幸せになって欲しいですし、前々作『うつ蟬』でクズ旗本に嫁いだおかげで辛い目にあった、早菜さんも・・てか、早菜さんは市兵衛さんとくっつけば良いのにね~。
ということで、いつも以上に全然ストーリーの内容に触れてないですが(;'∀')、心優しい人達が報われて欲しいということでございます~。