あらすじ
十二年前の無念を晴らす。
アイヌの心を持つ武士、江戸へ!
歳月と大海を隔ててなお拭えぬ、一族の悔恨とは。
北の尋ね人を求めて、市兵衛は海をわたる。
西蝦夷地アイヌの集落に、江戸の武士がいるという。元船手組同心の瀬田宗右衛門は、その蝦夷の武士が十二年前の刃傷事件で義絶した、長男の徹だと確信する。
この夏、跡を継いだ次男の明が成敗され、瀬田家は改易の危機にある。二つの事件に過去の因縁を疑う宗右衛門は、唐木市兵衛に徹の捜索を頼む。
だが海路をゆく市兵衛らを、鉄砲を構える“おろしゃ”の賊が阻む。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今回は蝦夷まで市兵衛が行くということで、もっと壮大なものを想像してしまったので、少し物足りなさが・・・
鉄砲の件も、あまりお咎めなし?
尾上陣介みたいな人っていますよね。大人になってもまだやっているのか、中高生かよ!と言う呆れはあるけれども、まあ職場でも普通にあるよなあと。それでそういう人物を可愛がったりひいきしている上司も大体はろくでもないし。
なんだか今回感想が口が悪い 笑
Posted by ブクログ
「風の市兵衛 弐」(第二期)第14弾。(通算・34作目)
両替商〈近江屋〉から〈宰領屋〉の矢藤太を通して、市兵衛に人捜しの依頼が入ります。
行先は遥か北方の蝦夷。
捜し人は、訳あって十二年前に江戸を出た元船手組同心の瀬田徹という侍で、どうやら彼が西蝦夷地アイヌの集落で暮らしているらしいとの噂があって・・。
今回は、市兵衛さんの"蝦夷紀行”といった感じで、距離的には遠い道のりではあるものの、いうても船旅ですし蝦夷に到着してからも協力者に恵まれて捜索は比較的スムーズに進みます。
そんな市兵衛さんの人捜しの件と、鬼しぶさんや弥陀ノ介が調査する、鉄砲密輸の件をおつまみ程度に絡めつつ展開していきます。
舞台が蝦夷ということで、鰊漁の活気あふれる様子やアイヌの方々の自然と共存する暮らしぶりの部分は興味深く読ませて頂きました。
ただ、ストーリー展開としては捜し人はアッサリ見つかりますし、〝おろしゃ〟の賊も市兵衛さんとすっかりアイヌ化した徹さんにサクッと撃退されたりと、その辺がちょっと物足りないかな・・なんて思ってしまう訳でして(汗)。
そして、市兵衛さんに連れてこられた徹さんが江戸で過去の無念を晴らすわけですが、それにしても瀬田家の不幸の元凶である船手組同心の尾上陣介が胸糞すぎるのをはじめ、尾上の仲間たちや、彼の所業を黙認していた上司の田岡等、こういう輩に心優しい人が苦しめられるのって、本当に腹立ちますよねーヽ(`Д´)ノプンプン。
まぁとりあえずは決着がついたってことで、瀬田家の方々がスッキリしたのであれば何よりなのですが・・因みに、田岡さんって結局毒〇されたってことなんですかね?個人的にはちゃんと反省して欲しかったので、これで良かったのか?・・と、ちょっとモヤモヤしちゃいました。
てな訳で、若干のモヤりはあったものの今回も市兵衛さんの安定の仕事ぶりを楽しませて頂きました。
ところで、そもそも市兵衛さんって"渡り用人"で所謂"算盤侍"だったのですが、ここのところ"算盤"から遠ざかっていますよね~・・あ、別にいいんですけど!