平澤朋子のレビュー一覧
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ネタバレ最近クマのニュースが多いので考えさせられる。
あと、もののけ姫っぽい(いや、もののけ姫がニルスっぽかったってこと?)
人間が山の中に造った製鉄所のせいで、生活が困難になる熊。おそらく熊だけじゃないと思う。
食べない代わりに製鉄所を燃やしてくるよう熊から脅されるニルス。
ニルスとしては鉄がいかに人間にとって重要か分かっているし、職人達の技術にも尊敬の念を持っているどころか、製鉄所の炎を美しいとさえ感じているのが、ものすごく人間的で興味深い。
逆に人間が動物の生息地を奪ったことも頭にはあるし、動物の命についても尊重できるようになったニルス。
相反する気持ちで悩んでいる成長した姿にホッとするも -
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Posted by ブクログ
ネタバレ父親の生き方に違和感を覚えつつも、それが正しいと信じて生きてきた息子は、家を継いで懸命にやってきた。
子どもの頃飼っていた馬(すでに年老いている)と再会したり、父親のせいで孤児となった子ども達と対峙したことで、心が大きく揺さぶられ苦しむ。
青年が親から解き放たれ、自分自身を確立するお話。
とはいえ、父親のしてきたことも、その時代の中では簡単に否定できるものでもなかったのかもしれない。
いつの時代も、親子間の大きなテーマなのだろう。
タイトルにもなり、前説にまである“風の魔女”。はっきりと存在を示すのは2ヶ所しか無いが、巻末の解説を読んで唸らされる!物語のあちこちに、魔女はちゃんといた! -
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イスラエルに住むキリスト教徒のアラブ人女性ウンム・アーザルの1週間を描いた本。著者は日本人の文化人類学者で、アーザルの家に合計で三年ほど住んだ経験がある。コロナ禍などで現地に滞在できなくなった著者が住んでいた思い出や資料をもとに書いた本。彼女は料理が得意でさまざまな料理が紹介される。それらはアラブ料理でありトルコ料理にも近いことを知った。
紛争下にあるイスラエルでのアラブ人の生活というとなかなか想像することが難しいが、この本は普通の人が普通に暮らしていることを伝えてくれる。
長女のヴェラの長男がウクライナで医学を学んでいることは、ガザ地区のパレスチナ人イシアブハーエシュを描いた映画「私は憎まな -
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年末の新聞で、どなたかが今年の3冊の1冊に選んでいた。
イスラエル第三の都市ハイファに住む、ウンム・アーザルは修道院のまかないを仕事としている。
ウンム・アーザルはアラブ人でキリスト教。
イスラエルはユダヤ教の国で、キリスト教徒は1.4パーセント。アラブ人が差別される国で、キリスト教徒って、いろいろ苦労してきた模様。
知らない世界の話が、小学生も読めるように書かれている。イラストも豊富で読みやすい。
「自分でかせいだお金で生活していたい。」「本当は学校をやめたくはなかったの」「あの子にも勉強をつづけさせてあげたかった」
作者のことばで、その後の一家のことを知れたのも良かった。
菅瀬さん、病気が -
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私たちはイスラエルのことを、アラブ人のことを、どれだけ知っているだろう?
この話に出てくるウンム・アーザルはアーザルのお母さん、という意味。
アラブ人女性は男の子を産むと尊敬の念を込めてこう呼ばれるそうだ。
日本で言うと、「太郎くんママ」の意味が近いかもしれない。
ただ、ニュアンスはだいぶ違うはず。
ウンム・アーザルの料理は実においしそう。
彼女の勤務先の修道院の食事は、焼きナスのサラダ、鶏肉のハーブローストなど。
料理上手ということがよくわかる。
彼女は料理をすることで子供や孫を育てた。
それは夫が働かなかったから。
ひどい話だ。
でもそうして育てた子供達は働き者でとても優秀な上に母想 -
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名探偵カッレ.プロムクヴィストは事件に飢えていた。しかし大通りは夏の日差しの中で夢を見てまどろんでいるかのように、平穏そのものだった。やがて親友のアンデッシュがカッレの部屋に現れ、勇ましい女の子のエヴァロッタが加わると、三人はたちまち遊びに夢中になる。
エヴァロッタのお母さんのいとこ、エイナルおじさんが突然やって来て、居候することになったが、このおじさんは何だか怪しい、いけすかない奴だった。ある日エイナルおじさんは三人に、城の遺跡を見に行こうと誘った。城跡につくとおじさんは金属製の棒を取り出して地下通路への扉を開けてみせた。
子ども達が新たな遊び、サ-カス団の練習をしている時にエイナルおじが割 -
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