三宅陽一郎のレビュー一覧
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AIとは、人間には不可能な全知に近い領域から、その対象にとって最も合理的な最適解を導く事の出来るツールと言える。桁数の多い暗算は人間には難しいが、計算機は即答だ。同様に、数字による規則性ではなく、言語による記号接地、つまり現物と言葉を対にして紐付け、概念にも言葉を当てはめ、自然言語をマスターした上で、それらの動きや関係性を考慮できるなら、圧倒的に人間を凌駕する。大企業の社長が企業全体のリソースや活用策を把握する事は難しいが、AIは可能だ。
「押すなよ、絶対に押すなよ」
この文脈は最後までAIには分からないが、分かる必要はない。ここが人間とAIの境目であり、皮肉や嫌味、ギャグや曖昧な表現は、不 -
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AIについて、仕組み、適応されるビジネス、問題点を包括的に記述されていてわかりやすかった一方、大体は新聞とか読んでれば分かる内容であった。
新たに得た知識としては、AIやIoTなどのビックデータを処理する量子コンピュータである。今までは優れたコンピュータという認識しかなかったが、どこが優れているのがわかった。それは、通常のコンピュータは一つの箱に1つしか情報を入れられないのに対して、量子コンピュータは1つの箱に2つの情報を入れることができる。なぜ、今まで実現しなかったか?それは、-273℃という環境が必要だから。
他には、AIで起きた事故やAIの創造物の著作権などどのようになるのか?という -
Posted by ブクログ
ゲームのキャラクターにどのように「知能」を与えるかを考えていく本。
認識(知識生成)、意思(意思決定)、行動(運動生成)という三つのモジュールによって人工知能が構成されるという話が面白かった。
キャラクターにゼロから知能を与えていく過程を見ていると、そもそも知性とは何か、という根本的な疑問が湧く。
後半はメタAI について語られるが、今一つピンと来なかった。
前半部で出てきた根本的な疑問が解決しないままずるずると話が進んだ印象。
コラムに、AI には記号主義とコネクショニズムの二種類があるという話があり、これはさらに詳しく知りたいと思った。
人工知能についてはアフォーダンス、フレーム問題 -
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Posted by ブクログ
御多分に漏れず、標榜「絵でわかる」にありがちな絵の軽妙さと内容の難解さとの乖離が著しいが、AI絡みの用語解説集としては優秀な本だ。バスワード的に語られる「AI」なるものの関連ワードを広く普く(そして浅く)拾い上げている。脳科学分野の進歩と応用が今日のAI発展の鍵につながっているが、その分野もきちんとフォローしているのはよい。
他方で「遺伝子的アルゴリズム」「ニューラルネットワーク」と並列でいまさらの「エキスパートシステム」を語っていたりと、何がトレンドで何が重要なのか意味の重み付けはされていないので、読んでいて記憶には残りにくいかもしれない。あくまで用語解説集として読むのがよいだろう。