ローレンス・ブロックのレビュー一覧

  • おかしなことを聞くね ローレンス・ブロック傑作集1

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    短編集の「打率」ってどれくらいですか?
    個人的には、まあ・・・3-4割、書き下ろしアンソロジーだと1割切る場合もありません?
    これはすごいですよー!

    あちこちのアンソロジーでちょこちょこ見かける人ですが、まとめて読んだのは初めてでした。

    前半、全打!
    無駄のない文章でサクサクと結末へ。
    それも切れ味が半端じゃない。
    きっさきの鋭いこと。
    首筋がぞくっと来る珠玉の掌編ぞろいです。

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    2014年11月04日
  • 八百万の死にざま

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    [不条理の交差点で]ある出来事が引き金となりアルコールから抜け出せなくなった私立探偵のスカダーは、コールガールから「ヒモとの縁を切りたい」との依頼を受ける。男との話し合いもつつがなく進み、何事もなく幕が引かれると思ったのだが、男とそのコールガールが面会をした翌日、彼女がとあるホテルの一室で惨殺されたという報がスカダーの下に届き…...アメリカ私立探偵作家クラブのシェイマス賞を1983年に受賞したハードボイルド・ミステリーです。著者は、映画『マイ・ブルーベリー・ナイツ』の脚本も手がけているローレンス・ブロック。訳者は、ミステリーの翻訳を主に手がける田口俊樹。


    (限りなく良い意味で)小説から漂

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    2013年12月19日
  • おかしなことを聞くね ローレンス・ブロック傑作集1

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    ローレンス・ブロックは短編がうますぎでしょう、もちろん長編もうまいつーか面白いつーか大好物ですけど、今日日ここまでエレガントに上手な短編書く人は国際法か何かで保護スべきと思います!

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    2012年10月12日
  • 八百万の死にざま

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    分類したらハードボイルドミステリなんだろうけど、主人公のマット・スカダーの変化を追う方が面白い。だから、おれの中ではミステリとしての評価はあまり高くない。
    しかし、それでもこの本は傑作。シリーズ1作目から通して読んできたので、この本の最後は涙が出た。

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    2009年10月04日
  • 八百万の死にざま

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    マットスカダー、まさかのシリーズものをここから読んでしまった。
    最初から読みたくなってしまう。
    最初の依頼人が殺され、そして予想外の人物から雇われそこから面白くなった。
    そして思う。アルコール依存症にはなりたくない。
    私も読んでて苦しかった、飲むなー!と応援しながら。

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    2025年08月18日
  • エイレングラフ弁護士の事件簿

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    急行二駅間くらいで読める短編集。
    ローレンス・ブロックって、名前は良く聞くけれど、読んだのは初めて。
    暇つぶしにはよろしい。

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    2025年08月01日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    おもしろいが、6/17殺人、4/17近親相姦なのは過剰にセンセーショナルでは。ミステリ作家多いからか。

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    2025年07月07日
  • エイレングラフ弁護士の事件簿

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    ネタバレ

    ここまで型を崩さない連作短編も稀。

    一分の隙もない着こなし、詩を嗜み、依頼人の無罪を例外なく信じる弁護士エイレングラフ。
    報酬は極めて高額、ただしその支払いは依頼人が無罪を手にしたときのみで良い成功報酬型。
    ただし、ひとたび合意した後は一見何も貢献していないように見え、結果的に自由を手にした場合でもその支払い義務を負う。

    凄腕弁護士なのかと思いきや、法廷に出ることは皆無。
    むしろ法廷に出る必要すらないようにことを運ぶ(秘密裏にかつ強引に)当世きってのどす黒悪徳弁護士。
    依頼後に訪れる窮地の雲散霧消ぶりに、しばしば依頼人達はあなたが何をやったの?と支払いを拒むが、そんな輩達にはおしおきとばか

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    2025年05月10日
  • マット・スカダー わが探偵人生

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    マット・スカダ―の自伝だ。
    えっ・・・あのシリーズものの主人公のマット・スカダ―?
    小説の主人公が自伝?
    御年84歳になったスカダ―がローレンス・ブロックに促されて書いたんだそうだ。
    めちゃくちゃ面白そう、楽しみ

    自伝なので幼少期の父親のこと母親のこと、幼くして死んでしまった弟が原因で、家族が少しづつ変わっていったこと。
    父の死のこと
    少年時代のアルバイトのこと、ニューヨークでの警官時代のこと、実はこの時代のことが多く語られていて、
    題名なんかは思い出せないけど、あの話に出てきたことかなとぼんやり思い当たるシーンなど出てくる。
    そのあとの結婚、離婚、エレインとの出会い、TJなども出てきて、本

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    2025年03月24日
  • エイレングラフ弁護士の事件簿

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    ネタバレ

    ・あらすじ 
    マーティン・H・エレイングラフ弁護士の弁護人は必ず無罪である。
    そんな信念をもったエイレングラフが解決する12個の依頼。

    ・感想
    こんな弁護士やだ!!でも嫌いじゃない…。
    約30年にわたって綴られた短編集で、形式はほぼ一緒なので気軽に1日1遍のペースで読み進めた。
    前半は好きじゃなかったエイレングラフだけど、後半になるほど彼の意外な一面や人間性も垣間見えて段々彼を面白く感じてる自分がいた。

    特に好きだったのはエイレングラフの義務とエイレングラフの肯定。
    義務では詩を愛するエイレングラフが、詩人である依頼人のために「諦めないで下さい、何度でも上訴すればいいのです」なんて茶番を演

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    2025年02月03日
  • エイレングラフ弁護士の事件簿

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    殺人事件を解決するために別の殺人事件を起こしてるんだが、やり方が鮮やかで助手の人何人いるんだろうと思ってしまった。

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    2025年01月30日
  • マット・スカダー わが探偵人生

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    84歳になったマット・スカダーが、出生から35年間の人生を振り返る自伝。
    本書においてスカダーは実在の人物であり、これまでにブロックが書いてきたシリーズは彼の経験を基にした小説という設定のメタ・フィクションだ。実際にブロックとスカダーがやりとりする場面もあるからややこしい。
    シリーズではあまり触れられていなかったスカダーの両親、生後すぐに亡くなった弟の存在、学生時代、警察官としてのエピソードなどが淡々とした筆致で描かれている。
    『八百万の死にざま』を刊行直後に読んでから約40年の付き合いだが、どうやら本書で読み納めとなりそうだ。

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    2025年01月05日
  • エイレングラフ弁護士の事件簿

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    どんな事件も無実にしちゃう弁護士、まさに犯罪のブラックジャック! #エイレングラフ弁護士の事件簿

    ■きっと読みたくなるレビュー
    弱い者のために正義感たっぷりの弁護士のお話… では、ありません。

    むしろ、どう見てもやってるだろという事件を、様々な手段で無実にしちゃうという… その手段は法廷での卓越なる弁護ではなく、裁判にすらならなくなるとい荒業なんです。しかもその報酬は失敗したら一切お金をとらず、成功した場合は莫大な金額というもの。

    なんかブラックジャックみたいなトンデモ設定なんですが、これが読んでると面白いんです。

    まずこの怪しい弁護士、エイレングラフのキャラ設定がクールなんですよ。ビ

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    2024年11月03日
  • エイレングラフ弁護士の事件簿

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    知り合いから勧められて読んでみた。ほとんど裁判に出席しない特殊な仕事をしている弁護士の事件簿。どの短編も切れ味が鋭かった。あえて同じパターンにこだわって書かれていることもあり、終盤は少し飽きそうになってしまった。(この粋さを楽しみきれなかったといった方が正確か)

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    2024年09月18日
  • 短編回廊 アートから生まれた17の物語

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    ネタバレ

    絵画をテーマにしているので面白そうだなと思い、リクエストしたら第二弾のこの本が先に来た。
    表紙の「光の帝国」が良い。アンソロの中にもあった。

    「安全のためのルール」
    Remember all the safety rules,1953
    Art Frahm (American, 1906–1981)
    最初の作品なので、どういう風に話が展開していくのか予想できず、不安定だった。陪審員の予備員になる女性の話。自分のトラウマと現在の事件が重なるが、それは周りからみたら些末なことだと片づけられる話、で良いのだろうか。唐突に終わったので、どう受け止めたらいいのかわからない。

    「ピエール、ルシアン、そし

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    2022年07月14日
  • 八百万の死にざま

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    アルコール小説のようで実はコーヒー小説。読んでいると無性にコーヒーが飲みたくなる。コーヒーが象徴する高貴さと人生の苦さを味わうハードボイルド小説の傑作。

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    2022年05月10日
  • 八百万の死にざま

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    アル中文学&ハードボイルドの名品。毎日新聞書評欄で橘玲さんが紹介していた。中島らも「今夜、すべてのバーで」とともに必読だ。

    アル中の心理を描く圧巻の描写!
    「一日二杯」が適量といっていたのに、さらに飲む「理屈」を考え出す。いつのまにか、抑制しなくていいということになっていく…。そして、「覚えているのはそこまでだった」(p108)

    無意味に人が死んでいく。くそったれの街。そして暴言を吐く警官。しかし主人公は思う。「彼はどんな相手にも同じことばを吐きかけただろう。相手がいなければ夜そのものにでも」(p189)

    襲ってきた暴漢を倒したが、震えがとまらない。止める方法は、もちろん酒だ。
    「通りの

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    2022年03月17日
  • 八百万の死にざま

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    ハードボイルド系だと思って敬遠していた作品。これが中々おもしろかった!

    主人公はアル中の探偵スカダー。しかし、酒を飲んで立ち回るような豪快な探偵ではない。
    アルコール断ちの集会に真面目に参加し、酒を飲みたいという葛藤と常に戦い続けている。


    淡々とした渇いた文章、盛り上がりの少ない展開、孤独な私立探偵が主人公…ハードボイルド三拍子が揃っているが、
    ハードボイルドの定義が、【暴力的・反道徳的な内容を、批判を加えず、客観的で簡潔な描写で記述する】作品であり、【感情に動かされないクールな生き方】を指すものなのだとすれば、本作はハードボイルドではないのだろう。
    スカダーはまだ、暴力と無意味な死が溢

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    2021年11月06日
  • 短編回廊 アートから生まれた17の物語

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    自分は「54字美術館」というものをインスタグラムにあげています。
    訪れた美術館の展示で惹かれた絵画に自分の妄想を足して、54字の物語として作品発表しているのです。
    それに通ずるものをこの本に感じたのがこの本を手にしたきっかけでした。

    序文も読まずに目次で目についた『オレンジは苦悩、ブルーは狂気』を読み始めましたが、題材はなんと大好きなゴッホ。
    文中の言葉を借りると「喚起的な絵」として著者のデイヴィッド・マレルは《糸杉》を選び、紡いだ物語を自分は一番興味深く読むことができました。

    主人公の友人がファン・ドールン(物語内のゴッホの仮名)の研究に没頭する余り、その友人はどんどんおかしくなって…と

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    2021年07月31日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    それぞれの作家の個性が存分に発揮されているので、読者側がホッパーの絵をどう見るかによって、意表をつかれたり、違和感があったり、またぴったりとハマったり感想が分かれるだろう。
    個人的にはホッパー研究者の作品が(これは半ばノンフィクションかもしれないが)最も印象に残った。

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    2021年05月29日