ローレンス・ブロックのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アメリカの作家ローレンス・ブロックの長篇ミステリ作品『八百万の死にざま(原題:Eight Million Ways to Die)』を読みました。
『殺しのリスト』、『殺しのパレード』、『頭痛と悪夢―英米短編ミステリー名人選集〈4〉』に続き、ローレンス・ブロックの作品です。
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〔マット・スカダー・シリーズ〕
アームストロングの店に彼女が入ってきた。
キムというコールガールで、足を洗いたいので、代わりにヒモと話をつけてくれないかというのだった。
わたしが会ってみると、その男は意外にも優雅な物腰の教養もある黒人で、あっさりとキムの願いを受け入れてくれた。
だが、その直後、キムがめった切りにされて殺されているのが見つかった。
容疑のかかるヒモの男から、わたしは真犯人探しを依頼されるが…。
マンハッタンのアル中探偵マット・スカダー登場。
大都会の感傷と虚無を鮮やかな筆致で浮かび上がらせ、私立探偵小説大賞を受賞した話題の大作。
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1982年(昭和57年)に刊行されたマット・スカダー・シリーズの第5作… アメリカ私立探偵作家クラブ賞受賞作で、『東西ミステリーベスト100』で海外篇の21位にランクインしている作品です。
足を洗った直後に惨殺されたコールガールのキム… アル中探偵スカダーはヒモのチャンスが殺したと確信したが、彼には確固たるアリバイがあった、、、
感傷と虚無の街ニューヨークを舞台に、スカダーの執念の捜査を描く哀感漂うハードボイルド… アメリカ私立探偵作家クラブ賞受賞作。
一般的に、ハードボイルド作品って、凝ったトリックや意外性のある結末が用意されているわけじゃないので、主人公が魅力的かどうか、感情移入できるかどうかが、面白いかどうかのポイントなんですよねー そういう意味では、マット・スカダー・シリーズは大好きだし、面白ですね、、、
ニューヨーク市警時代に武装強盗を狙った銃弾のひとつが跳弾となり8歳の少女を即死させてしまったことをきっかけに警察を辞め、アルコールに依存するようになり、現在は過去の事件に苛まれながらアルコール中毒から抜け切れず無免許探偵として日銭を稼ぐ生活… 弱いところのある主人公の方が気持ちがシンクロできるんですよね。
本作品はやや冗長な感じがして、中盤はやや集中力を欠きそうになりましたが… 自分の価値観・掟・信念を貫きながら、真犯人を追い詰めていくスカダーの姿勢に共感しつつ、最後まで読み切りました、、、
次もマット・スカダー・シリーズを読んでみようと思います。 -
Posted by ブクログ
エドワード・ホッパーの絵画から生まれた十七の短編。
それぞれ全て異なる作家の手によって物語が編み出されており、短編好きも、絵画好きも、うまく取り込まれてしまう。
正直なところ、絵画を眺めているだけでも楽しい。
絵画は、18枚修められている。一枚は、読者が自分で話を作ってみてね、という序文の心憎さよ。
翻訳物なので、独特のクセがある。
決して変な日本語ではないし、つまらないわけでもない。
翻訳者も12人(贅沢!)いるので、この翻訳者だと合わない、といったことがあるわけでもないのだが、やはり「ニュアンス」「空気」という見えないものを取り入れることは、難しいのだろうか。
「キャロラインの話」はある老婦人の物語だ。
視点が変わっていくところ、また、老婦人の秘密がポイントだ。
老婦人の心の中にあったしこりは解消されただろうか。また新たなしこりを生んだだろうか。
願わくば、ハッピーエンドに、と思うが。
家族の問題は近しいだけに問題も起こりやすいことも、必ずしも皆が幸せにはならないだろうという、ざらついた余韻の残る物語であった。
「映写技師ヒーロー」
映写室にいる、少し引っ込み思案な男性の物語。
いかにもアメリカらしい展開だ。
小さな映画館にみかじめ料を求めてやってきた男たちから映画館と、経営者と、受付嬢を守るため、映写技師は立ち上がる。
でも、その「誰かのため」は表に出ることなく、消える。
そしてまた日常に戻る。
アメリカらしい解決方法だが、アメリカンヒーローらしからぬヒーロー。
いや、スーパーマンも普段は冴えない、んじゃなかったっけ。
だとすれば古典的なヒーローがここにいる、のかもしれない。 -
Posted by ブクログ
「短編画廊 絵から生まれた17の物語 (ハーパーコリンズ・フィクション)」
新ジャンルに遭遇。
エドワード・ホッパー(1882-1967)。 作家ローレンス・ブロックは、ホッパーの作品は「絵の中に物語があること、その物語は語られるのを待っていること」を強く示唆していると語り、ホッパーの絵から物語を紡ぐこの短編集を考えついた。
しかし、良く思いついたなぁ。それが率直な感想。ブロックの呼びかけに集まった面々の中にスティーヴン・キングが居るからと言う理由だけで読んだ私は、美術に全く詳しくない為、ホッパーが如何に偉大な画家だったなのか全く分からない。
各短編を読んでみて、よくここまで膨らませてストーリーを書けるなぁと思った。作家は0から話を考えることもあるから、ホッパーの絵が題材になる今回は多少は楽なのかも知れない。しかし、題材にするからには、ホッパーの絵の意図を汲み取ること、汲み取るまでにはいかなくとも、絵を見て感じなければ、きっと小説を書くことは出来ないし、きっと当て書きよりも難易度が高そうだ。更に、もしかしたら小説を読んだ熱狂的なホッパーファンが、やんや言ってくるかもしれないのだ。なんと面倒なことだろうか。
とは言え、「ガーリー・ショウ」を読むときっと熱狂的なホッパーファンも納得してくれるのではないか。序盤からすると暗めなストーリーと思いきや、最後のオチ。去り際には女性のキレを感じる。おぉ、ポーリーンよ!と思っちゃう。
「キャロラインの話」は、きっと良い話なんだろう、いや、違うのか?と思わせる。あれ?さくっとバレて意外な方向にいくと思いきや、もしかしたら違うかも?と思ってしまった。間違いなく良い終わりに行くはずなのになんでだろう。インパクト弱めだが、気になる短編。
「アダムズ牧師とクジラ」はユーモラスな締め。「音楽室」はキングらしいダークなストーリー。音楽は野蛮な野獣を抑えるって言う台詞がまあ何ともで、最後はローレンス・ブロックによる 「オートマットの秋」 。
どれもホッパーの絵からインスピレーションを受けて描かれていたとは思えない。ホッパーを知る人ならば、きっと楽しめるのだろう。知らない人でも、純粋な短編として楽しめる。