ローレンス・ブロックのレビュー一覧

  • 石を放つとき

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    スカダーものの短編集と、最新作を1冊にまとめたお得な本。とはいえ、短編の半数はブロックの他の短編集で読んだ記憶がぼんやりとあった。長編はもちろんだが、短編もそれぞれ味わいがあっていい。スカダーとの出会いは30年以上前、『八百万の死にざま』を読んでから。遡ってシリーズ全作を読み、『聖なる酒場の挽歌』からはほぼリアルタイムで読んでいる。何年か前、最新作を読む前に全長編を発表順に読み直したこともある。歳を取るにつれ“エロ爺”化しているスカダーだが、これが最後の作品になるのだろうか。

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    2021年02月07日
  • 石を放つとき

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    「すべては死にゆく」以来の新作。それだけでも嬉しいのに、短編集付き。短編はほとんど読んでいたが、再び楽しむことができた。

    そのうちに、シリーズを最初から読み直してみたい。

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    2020年12月30日
  • 泥棒はクロゼットのなか

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    ネタバレ

    泥棒バーニーの2作目。

    また殺人事件に巻き込まれる。
    前作の事件で新聞に載ってしまい、
    行きつけの歯医者に泥棒であることを知られ、盗みを頼まれる。
    それは仕方がなかったとはいえ、
    長居しすぎるというドジを踏み、殺人現場に居合わせるとは。

    相変わらず、女にベラベラとしゃべって大丈夫なのか?と思ったけど、
    自分の部屋で死体が発見されるもなんとか切り抜ける。
    といっても、金で問題を片づけてくれる警官のレイのおかげだけれど。

    最後に行きつけの歯医者を失ったことに対する絶望感を吐露していたが、
    現在、歯医者ジプシーの自分としては、
    気持ちがよくわかった。

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    2020年11月24日
  • 八百万の死にざま

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    このシリーズもいつの間にか何冊も読んでいて、前に読んでから間が空いてるのに、読み出すと思い出す。さすがマットさん。
    今回もコツコツと地道に仕事を進めて、最後の解決に至るところまで実に地味なわけで。コナンくんみたいに犯人はおまえだ、的なこともなく。なんだけど、このコツコツいく拳の使い手の道のりを辿るのは嫌いじゃないなー。
    毎回一緒のような気もするけど、でも時々忘れた頃に読んでみて、読んだあとで、ふぅー、と一息つくのが、なんとも不思議な魅力。

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    2020年02月12日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    アメリカの書評で話題だったので気になっていましたが、和訳が出たので早速読みました。これを手に取るのはやっぱりみんなホッパー付きの人だと思うのだけれど、私もその一人で、で、読んでいる中で、お、と思うタイミングでホーッパー作品が出てくるので読んでて心地よかったです。いろんな作家さんの短編小説が入っていて、初めて知る人もいて、それも良いです。ただちょっとこじつけじゃないの?と思ってしまう組み合わせもありましたが、それもまあ楽しみかと。なによりこういう本を企画し実行した編集さんがすごい。

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    2020年02月03日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    エドワードエドワード・ホッパーの絵を題材にした短編集。
    絵と物語を楽しめる。
    「オートマットの秋」「牧師のコレクション」「音楽室」が面白かった。

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    2020年01月26日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    エドワード・ホッパーの絵をもとに
    17人の作家の17つの短編。
    序文でローレンス・ブロックも言っているけど、本当にバラエティ豊かだ。
    色白で、表情が虚ろにも見える人びと。
    (そのせいなのかちょっと死体と犯罪が多い)
    スウェーデンの映画監督、ロイ・アンダーソンの作品にでてくる人みたい。

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    2020年01月18日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    エドワード・ホッパーという画家の絵から、17人の作家たちがそれぞれの物語を紡いでいく、いっぷう変わった趣向の短編集。

    文章に合わせた絵ではなく、一場面を切り取った絵から背景にある物語を想像するというのは、なかなか興味深い。皆それぞれ個性的で、そこまで想像の世界を広げていくのかと驚く。
    知っているのはキングとキャロルオーツくらいだったが、大御所キングの作品は絵そのままという感じでいちばん凡庸だった。
    自分ならこの絵からどんな物語を作るだろうと、読む前に考えるのも楽しかった。

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    2019年10月02日
  • 八百万の死にざま

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    ネタバレ

    東西ミステリー100の21位にランキングされている本書は、さすがと思わせる出来栄えです。
    ミステリーよりもハードボイルド小説であるのは間違いなく、さらに言えばプロットよりも登場人物たちの生き様や会話の方に本書の魅力が凝縮しています。
    特に、ダーキン刑事と依頼人のチャンス、情報屋のダニーの人物造形は素晴らしく、交わされる会話の内容も妙にリアリティがあります。
    後半100頁の疾走感、最後の1行でこの小説を不朽の名作たらしめたのは間違いありません。

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    2019年09月17日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    ネタバレ

    エドワード・ホッパーの絵画を基に、17人の作家が想像を膨らませたアンソロジー。編者はローレンス・ブロック。海外小説通の方ならご存知なのかもしれないが、ぼくはスティーヴン・キングとローレンス・ブロックしか知らなかった。好きな作品も、どうだろうと思う作品もあったが、嫌いな作品はなかった。アンソロジーでは稀有なことだと思う。そして一緒に収録された絵画も素晴らしかったが、これを観て1本の小説を書き上げてしまう作家たちの才能に、ただただ敬服した。

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    2019年08月11日
  • 短編画廊 絵から生まれた17の物語

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    エドワード・ホッパーという画家がいる。現代アメリカの具象絵画を代表する作家で、いかにもアメリカらしい大都会の一室や田舎の建物を明度差のある色彩で描きあげた作品群には、昼間の明るい陽光の中にあってさえ、深い孤独が感じられる。アメリカに行ったことがないので、本物を目にしたことはないが、アンドリュー・ワイエスと同じくらい好きなので、ミュージアム・ショップでカレンダーを買って部屋の壁にかけている。

    深夜のダイナーでカウンターに座るまばらな客を描いた「ナイトホークス」に限らず、ホッパーの画には、その背後に何らかの物語を感じさせられるものが多い。作家のローレンス・ブロックもそう考えた一人だ。彼は、これは

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    2019年08月07日
  • 八百万の死にざま

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    代表作。
    足を洗いたいのでヒモと話をつけてくれ、というコールガール・キムの依頼は円満に済んだはずだったが、キムはホテルの一室でナタでめった刺しにされて殺害される。元ヒモ・チャンスには強固なアリバイがあったが、彼が人を使ってやったのだろう、と警察もスカダーも考えていた。しかし、チャンスはスカダーに捜査を依頼してきた。

    本筋とは全く関係ないが、ヒモって言葉のイメージが違う…こういうのは女衒っていうべきなんじゃ。
    スカダーは相変わらずのアル中。

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    2019年02月17日
  • 泥棒は選べない

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    面白かった。
    途中あいまいにボカしてると思ったがしっかり回収してたのでよかった
    犯人は意外で楽しめた

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    2017年06月22日
  • 八百万の死にざま

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    アル中の主人公ってのがこの話の芯だった。アル中はアルコールが麻薬になる病気と、テレビで聞いたのを思い出した。
    主人公は探偵で依頼を受けるが、殺人の犯人を探すことになる。先が気になって一気に読んだので、犯人がそのひとなのかよく分からなかった。もう一度、ゆっくり読んでみたい。

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    2017年06月22日
  • 泥棒は選べない

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    久々に翻訳小説らしい文章を読んで、なかなか入り込めなかったのだけれど、後半はするすると全てが繋がって行く感覚を楽しめた。
    泥棒バーニィのこの後の活躍も楽しみ。読み進める度にバーニィの魅力が深まりそう。続きものんびり読もうー。

    他のシリーズもまた読みたいなぁ。

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    2017年04月10日
  • 暗闇にひと突き

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    ネタバレ

    静か、ひたすら静か。
    それがたとい、酔っ払いで途中
    元刑事の勘で犯罪者予備軍(?)を殴ったとしても。

    まるで遠めで、
    セピアの風景を眺めているかのよう。
    現実なはずなのに、夢のごとく。

    酔いどれ探偵スカダーが挑むことになった
    9年前のアイスピック連続殺人で
    一例だけ異なったケース。

    特徴として、このケースだけは
    両目を貫かれていなかったのです。

    そしてこの女性には、
    ある事実も判明していますが…

    真相は意外な盲点を
    ついている犯罪です。
    私たち日本人ではわからないことでしょう。
    あ、元の国でもローカルだから無理か。

    犯行理由はあまり深く
    考えないほうがいいですね。
    なんだろう、狂気

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    2017年03月07日
  • 暗闇にひと突き

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    これはあれだ、地道にこつこつやってればいつか必ず道は開けるって話だ。いやー、地道にやって報われるってのは自分みたいな人間には、うんうん、いい話ダナーってなるけども。後は酒か。酒を飲んで地道にやってたら良いよねって話か。そして女か。でもってチンピラをワンパンできるくらいのワンパクさか。ってこのあたりでちょっとハードルあがるなー。やっぱ地道なだけじゃだめって事か。

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    2015年11月18日
  • 暗闇にひと突き

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    アル中私立探偵マットスカダーシリーズ第4作。彼の人となりに慣れてきた上に、今回のストーリー展開は今までで一番良くできていて、ナイトキャップしながらチビチビ読むのに最高でした。

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    2015年01月10日
  • 泥棒は選べない

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    スカダー、ケラーに続いて今度は泥棒バーニイシリーズ。
    原題は"BURGLARS CAN'T BE CHOOSERS"。
    訳者あとがきにもあるように、
    まさに「ソフトボイルド」という感じの軽いタッチなのだけれども
    いつも通りの謎解きもしっかり入れてある。

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    2014年08月24日
  • 八百万の死にざま

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    マットスカダー五作目。
    八百万の死にざま(英題:eight million ways to death)、
    というタイトルがまず目を引く。

    年々悪化する犯罪に対する警官の愚痴がまた興味深い。
    "八百万の死にざま"とは上手く言ったものだと思う

    名前のミスリードはちょっと捻っていて面白い。
    これはアルファベットだからできると感心。

    これまで以上にアルコールに対する
    スカダーの葛藤が書かれており、
    ファンなら面白く読めると思うが
    純粋にミステリとして読むのであれば蛇足と感じるのだろうなぁ。
    でもこれが無いとアル中探偵マット・スカダーじゃない。

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    2014年06月23日