押見修造のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
母親の夢を見た。
何度とも繰り返された。
私の行動、発言、一つひとつに干渉し、理解のできない持論を押し付ける。
今思えば子供騙しなくだらない嘘や、勝手な理屈ばかり。
私の境界に萎びた手と臭い息で入り込んでくる。
心底気色が悪かった。
夢の中でもまさにそんな時、姉は後ろで観ている。
私は「そう言うの、嫌だ」「もうやめてほしい」と言おうとするのだけど、喉がつかえて、声が出ない。
もどかしい、伝えられない。
わかっていた。
伝えたってわかってもらうことなんてできない。
姉だって味方じゃない。
父親はどこかに行った。
学校では「母親が病気だからと言って甘えるな」と教師に友達の前で家庭のことを暴露され、相手にされない。
いつも鬱だった私は、学校でも馴染めず、いつも怒りを湛えていた。
だから、声が声にならない。
早くそんなもの捨てて仕舞えばよかったのだ。
親戚も皆いう。
「女で一つで大学まで出してもらったんだから、大事にしなさい」
何も知らないのに。
でも私は幼く、そうしなければならないと思っていた。
姉も「あなたは長男なんだから」と言う。
私はわかっていた。
親など見捨てたところで、生活保護でもなんでも、勝手に生きていく。
なのに、みんなに押し付けられた。
私は声が出せなかった。
喉がカラカラで、張り付いて、掠れた呻き声しか出ない。
家族が、大切なものなどと、親は子供を思っているなどと、そんなことを語れる人間は、ただただ自分の境遇に感謝すればいい。
それを押し付けるのは、馬鹿なだけだ。
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