佐伯泰英のレビュー一覧
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野山を駆け巡り育った海次はその名に違わず海に強く惹かれながらも家業である杜氏になるため見習仕事をしていた。
幼なじみの小雪と兄が祝言をあげることとなり、複雑な胸中となった海次は己の行く末を変えるために大一番に出ることとする。
それは父が作った新酒を江戸へと他の蔵の新酒よりも早く届ける仕事、新酒番船へと潜り込み、海で生きる男となることだった。
久しぶりに読んだ時代小説。なんだかへんな苦手意識があったのは独特の言い回しや時代がかった言葉のせいだったんだけど、趣味で落語を聴き始めたせいかそのあたりは一切気にならずに、海を駆け巡る男のロマンと思春期の男女の心の機微にわくわく心を踊らせた。
今よりもも -
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ネタバレ佐伯泰英先生の読み切り(珍しい)
酒造り丹波杜氏で知られる土地であるが、佐伯先生にとっては酔いどれ小籐次の作品中で篠山藩は老中青山氏の所領地として描かれ、つい先ほどの作品にも、鼠草子の話で描かれている
おそらく取材した残り(失礼)に酒造りの話があったのだろう
江戸に降る酒をレースの様に競って、一番には名誉と高額な取引が保証される良くできた話で、邪魔者や一発逆転劇など盛り込んだ痛快な作品であるが、この手の作品は「山本一力」先生が書きそうであり、既視感ありありであるが、こなれた名人が書く作品は面白いね
伏線一つ回収し忘れ有るけどいいか(´・ω・`) -
Posted by ブクログ
ネタバレ早いもので駿太郎も13歳、老成を危ぶみ桃井塾で修行をしている甲斐あって、今回はその子供達がワチャワチャと高尾さんに久慈屋の紙納品のニンプとして向かうが、そもそも赤目小籐次に久慈屋が託すには訳がある
最近毛利元就の本をよんで、ようやく出会わせた来島水軍流(村上水軍ってことでOK?)の技の達人「酔いどれ小籐次」今回の集約は「駿太郎ぼっちゃま」With桃井道場年少組が成長する語です
色々な人にお使いを頼まれて、物語が膨らむこのシリーズ、小藤次が久慈屋から頼まれた話に何故か子供らが「にぎやかし」で乱入
もう一つの柱となるのは子次郎(鼠小僧?)が「菖蒲正宗の懐剣」の研ぎを依頼、小籐次は息子の愛刀(忘 -
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ネタバレ久しく新刊のシリーズが始まっていない佐伯泰英。
この作品がシリーズ化されるか否かはわからないが、主人公海次は丹波杜氏の次男。幼なじみの小雪が嫡男の兄の嫁となることが決まっている。
身長が六尺あまり〜185センチほど〜で山歩きを誰よりも早くする海次はその外見からは想像できないほど、奥手で兄の縁談が起こるまで、小雪への感情は、幼なじみ以上ではなかった。が、結婚話が決まると、とても姉とは呼べない自分の感情に気づき、丹波に帰らぬことを密かに決意。
その名の通り、海次は海を勇壮に走る新酒の番船に乗りたい、江戸まで競争したいという感情に抗えなくなる。
そんな主人公の冒険のお話。
「古着屋総兵衛」