あらすじ
文政9年正月。今年こそは平穏な日々を送りたいと願い、
家族と穏やかな元旦を過ごしていた小籐次のもとに、森藩の近習頭・池端が訪ねてくる。
旧主・久留島通嘉が床に伏せって、新年の登場を拒んでいるという。
この窮状を救って欲しいと懇願され、旧主を見舞った小籐次は、
通嘉が何者かから「初登場の折、森藩の御鑓先を頂戴する」と脅されていた
ことを知る――
初老の小籐次が江戸中の人気者となった原因であるかつての事件『御鑓拝借』の
意趣返しなのだろうか。
とうやら自分の撒いた種だと知った小籐次は新年早々から奔走することになる。
果たして黒幕は何者なのか―ー。
累計800万部を突破した大人気シリーズ第15弾。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
シリーズも円熟期を迎えてどんどんいい話が多くなってきた。
将軍がお忍びで一介の研ぎ師の家を訪問するなんてあり得ないけれど、普段の生活が不自由極まりないだけに、伸び伸び過ごしている様子が微笑ましいし同情する。
望外川荘は、千客万来
望外川荘は、千客万来。鷹狩帰りの上様が、立ち寄られ、打ち立ての蕎麦と季節の天婦羅を召し上がる。美造親方もぶったまげた!森藩のお槍を二度も狙うという愚かな企みを企て失敗した者達の主(重臣達の企みだったが)との手打ちも、望外川荘で、成された。国に帰って、こんなこと誰に言っても、信じて貰えないだろうな。お鈴さん、私も、そう思う。
Posted by ブクログ
小藤次が主君の心の内を聞いて起こした「御鑓拝借」騒ぎの真似をするような脅迫文が主君の弁当に。
小藩の豊後森藩、主君は悩みに悩む。。。
駿太郎の成長とともに新しい段階に進むこの家族。
事件もさることながら、家族の温かい雰囲気も素敵。
佐伯泰英さんは体を壊してから、シリーズの締め括りを予定して作品を作っている。
それが理由なのか、最近の作品は少し予定調和が見えて、ちょっぴり落胆してしまう。