佐伯泰英のレビュー一覧
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「居眠り磐音」外伝2冊目。
これまで読んできた5巻までには名前すら登場していない人物が主人公。それも2人。
「誰⁉︎」と最初は戸惑ったけど、子どもの利次郎がとにかく愛らしくて、いつのまにか没頭していた。
軍鶏コンビはかわいらしいし、霧子ちゃんもあっぱれな女子だし(「じょし」じゃなくて「おなご」ね)、磐音ともがっつり絡んでくるし、いやぁ、おもしろかった。
いずれ本編にもこの子たちが登場してくるだろうから、ますます今後読んでいくのが楽しみになった。辰平のその後も気になるし。
ただ、外伝2冊(『奈緒と磐音』と『武士の賦』)は、私のように、この文春文庫の決定版で本作を初めて読んでいる人間にと -
Posted by ブクログ
1巻『陽炎ノ辻』が一件落着で終わってしまったので、このあとどう続くのかと思っていたら、なるほど、いろいろな問題があるところにはあるのね。
その一方で、磐音の住まいが留守中に押入られ、故郷である豊後関前藩の藩政の実権を握らんとする者どもがしのび寄り……。
あの「悲劇」は序章にすぎなかった、まだまだ終わっていなかったのだね。
でも磐音が自分の過去を話せる相手ができたのは良かった。
これまで単発で引き受けてきた仕事で知り合った人たちとの人脈も生きてきてるし、磐音は江戸でも決して一人じゃないと思えてうれしくなる。
そういう人たちを傷つけようとするやつらを、磐音は、そして読者も、絶対許せぬのだ! -
Posted by ブクログ
佐伯作品は、父が大好きで全作読破しているが、私が読むのはこれが初めて。
「居眠り磐音」シリーズは「いつか読んでみたい」と思いつつ、あまりに長大なので手に取るきっかけもないまま時が過ぎていたのだが、このたび文春文庫で1巻から〈決定版〉として刊行されていくと知り、これはチャンスと書店に走り買ってきた。
1巻の前に、書き下ろし外伝というのが出ていたので、まずはこれから。
ただ、このシリーズを読んだことがないのに、先に外伝を読んでしまっていいのか、はたして楽しめるのか、少し不安だったけどまったく大丈夫だった。
一話ごとに、磐音と親友2人が子どもから大人になっていくのだが、はじめから面食らってしま -
Posted by ブクログ
新・酔いどれ小藤次シリーズの第12巻。
話は一つでは終わらず、さまざまな事件が複雑に絡み合うのが小藤次シリーズなのですが、今回はそこまで込み入った話もなく、安定して読める作品に仕上がっています。
江戸時代メインの、粋と人情のお話。
綺麗にまとめた感が大きいですが、佐伯泰英のお話はこんな感じだよね、と安定感がすさまじかったです。
(裏表紙から抜粋)
小藤次父子は公方様に拝謁し、見事な芸を披露して喝采を浴びた。
数日後、小藤次は駿太郎の乳母を務めたおさとと再会する。
彼女の舅は名人と呼ばれる花火師だったが、怪我を負って引退し、さらに余命数か月という。
半端な花火職人の義弟が作った花火を舅に見