村木嵐のレビュー一覧

  • 阿茶

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    竹だけ家臣の娘須和は、信玄亡き後に嫁いだ夫を亡くした後、夫の縁から徳川家康の側室阿茶局となる。
    同じ側室の西郷局(於愛)がひそかに信仰している「在るという神」の教えに、阿茶も惹かれるが、信仰するというより興味深いという感じ。
    西郷は早くに亡くなるが、阿茶はその子秀忠を養育する。
    大坂の陣において、堀を埋めさせたのは、関ヶ原合戦に遅参した秀忠の発案と執念によるもの、という設定。

    秀忠はその後切支丹弾圧に向かってしまうが、実は父家康は「在るという神」の教えを知り、体現しているのだった。
    秀忠の娘東福門院和子の入内に付き従うなどした阿茶もまた、「在るという神」に惹かれ続ける・・・。

    長編のようで、実は連作短編のような感じかな。
    視力は悪いが、それが愛嬌になるくらいお愛の造詣がいい感じでした。

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    2025年01月23日
  • またうど

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    田沼意次の政治手腕と人柄が丁寧に描かれて、また将軍家重、家治との交情もうつくしい。一橋家や田安家の将軍への野望はわかるし、特に松平定信のもしかするとあったかもしれない未来への悔しさへの恨みが見苦しかった。

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    2025年01月06日
  • 夏の坂道

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    恥ずかしながら今まで村木さんの作品を読んだことがなかったし、南原繁という人も知らなかった。字面をなんとなく認識したことはあっても、どういった方だったのかまでは知らず。その分、この『夏の坂道』という作品を真っ白な状態から読み進め、楽しむことができたように思う。
    「教育」「学問」の自立、自由のために政治やマスコミと闘った人たち。子どもの教育のために奮闘し、そのため時には自身が弾圧を受けた人たちにより今日の教育が成り立っている。ただし、それもよくよく注意して見れば戦前、戦中のように危うい方向へ進んでいないか、国民が意識をもっていなければいけない。教育が受けられることが当たり前であるけれども、当たり前が当たり前であるために必要なことがあるはず、という問題提起。意識の変革。人間革命。
    教育の向上なくして、国民の、国の豊かさには繋がらない。
    昨年、逝去された創価学会・池田大作第三代会長が現状の三権(司法・立法・行政)に「教育」を加え、四権分立を訴えられていたけれども、その必要性がこの小説を読むとより以上に感じられる。教育が独立し、政治から干渉を受けてはいけない。また政治に汲みしてはいけない。あくまでも中立的な立場として確立していなければ、戦前戦中のように弾圧され、ときには悪用されかねない。ひとりの人間として、また親として「教育権」の向上、自立を今作に登場した人物たちのように切に願う。

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    2024年01月22日
  • 頂上至極

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    ネタバレ

    宝暦治水の話。江戸時代、幕府から薩摩藩に木曽三川の分流工事が命ぜられた。ただでさえ難工事なのに、住民や地元役人は非協力的。最終的に工事は完成するが、工事期間中に薩摩藩士50人以上が切腹し、最後に総奉行・靱負までもが切腹した。靱負と佐江の別れのシーンでは涙がこぼれる。読みやすく、良い話だった。

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    2022年10月02日
  • にべ屋往来記

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    出自通りの人生でなく武士も町人も入り混じって懸命に生きる。身分がくっきり分かたれていたというイメージはどうやら違うらしい。

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    2022年03月11日
  • 戦国 番狂わせ七番勝負

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    新進気鋭の作家さんが番狂わせとしてそこそこ有名な戦いを書いている(弥助だけ少し毛色が違うが)。地図が分かりやすく、非常に助かる。テーマ上、若い時期のストーリーが多いが、描き方は色々で興味深い。
    海ノ口は大河でも見たが、季節は考えたこと無かったな。政宗と長政の2作がお気に入り。

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    2021年03月01日
  • 頂上至極

    購入済み

    初めて読む作家さん。幻冬舎のキャンペーンでたまたま購入したが、内容にのめりこみ、
    一気読みしてしまった。
    木曽三川分流工事(宝暦治水)の責任者で薩摩藩家老の平田靱負を中心に描いた作品。
    今まで宝暦治水がこれだけの大プロジェクトとは知らなかった。ブルドーザーやパワ
    ーショベルのような土木機械もなく、人力だけで川筋を変え、堤防を築くなど、考え
    ただけで気が遠くなる。さらには幕府や地元の役人、尾張藩、強欲でしたたかな農民
    からの圧力、いわれなき誹謗中傷、いやがらせにも耐えなければならない。
    東日本大震災をはじめ、台風や豪雨などの災害復興プロジェクトでも国や地元の利害が
    複雑に絡み合い、復興作業が遅々として進まないというのは今も昔も同じだが、幕府の
    方針で、薩摩藩はプロジェクトにかかる費用、人員をすべて自弁で賄わなければならな
    かった。薩摩藩の失敗を手ぐすね引いて待ち構えている幕府の手前、わずかなミスも許
    されない。まして怒りに任せて刃傷沙汰に及べばそれこそ藩の存亡に直結する。およそ
    実現不可能とも思える難事業を成功させたのは何だったのか?それは利害を超えたお互
    いの信頼関係と、それを生みだした平田たち薩摩藩士の不撓不屈の精神力だったのでは
    ないか。近年の研究では治水工事の犠牲になった人々を美化しすぎるきらいがあるとの
    指摘もあるようだが、いくぶん誇張があったにせよ、工事に携わった平田たちの肉体的、
    精神的負担、苦痛がはどれほどだったかを考えれば、彼らの遺したものはまさに偉業だ
    ったというほかないと思う。

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    2020年09月21日
  • 頂上至極

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    <薩摩義士>という話しが一定程度知られていると思うのだが、本作はその挿話を基礎にした物語ということになる。
    江戸時代には「御手伝普請」なるモノが在った。幕府が諸大名に命じ、諸大名は示された仕様に依拠して資材や人員等を自前で手配して工事を遂行するということになる。幕府として、諸大名が財力を蓄え悪くするためにやらせていたことらしい。この「御手伝普請」なるモノで築かれた、有名な城郭の石垣等が色々と伝わっていると思う。
    <関ヶ原合戦>から150年も経ったような宝暦年間(1750年代頃)、この薩摩の島津家に対して幕府はこの「御手伝普請」を命じた。
    遂行すべく工事は、木曽川、長良川、揖斐川が複雑に絡み合って流れる、尾張・美濃・伊勢に跨る地域での治水工事である。
    気が遠くなるような大工事であるのだが、これに懸命に取組んだ薩摩の人々に関して、<薩摩義士>と顕彰されているのである。
    本作はその<薩摩義士>の代表ということになる、“総奉行”として現場の総指揮を執った家老の平田靱負(ひらたゆきえ)と、何人かの人達が主要視点人物に据えられて展開する。
    平田靱負は島津家の国元に在った6人の家老の1人で、「御手伝普請」を受けざるを得ない中、方々に頭を下げて廻る役に他ならない“総奉行”は、自身が引き受けなければなるまいと考えて手を挙げる。そして苦難に満ちた任務が始まるのである。
    平田靱負は、朝鮮出兵や関ヶ原で苦悶したであろう島津義弘や、関ヶ原で島津家の軍勢の大将で、伯父でもある島津義弘を逃すために奮戦して討死した島津豊久という先人達に思いを巡らせながら、国元から連れて来た者達で無事に工事を竣工させて帰ることを願って懸命だ。
    本作の平田靱負と妻の佐江は、互いに「人生のパートナー」と言い得るような好い関係だ。平田靱負が恃みにしている部下が在って、その部下の妻が佐江の友人でもあり、部下の夫妻には娘が在った。お松である。お松の母(=佐江の友人)が他界していることもあり、平田靱負夫妻は半ば自分達の娘同然にお松と接していた。このお松は、家に「御手伝普請」に参加する者が無いことから男装して“松之輔”を名乗って同行し、父親から習い覚えた算勘の知識を活かして仕事をすることになる。
    “松之輔”ことお松も本作の主要視点人物となるが、更に他の女性の主要視点人物も在る。“総奉行”の平田靱負以下、全体の指揮を執る関係者が滞在した庄屋の屋敷に在る、庄屋の後継者の嫁であるカナだ。カナは、少女時代に水害で親を失って庄屋の家に引き取られた。長じて庄屋の息子に望まれて嫁になった。気が利く、要領が良いというのでもないカナだが、折角産まれた息子が夭逝してしまって義母に少し辛く当たられているという感だ。加えて相次ぐ水害で、夫も何となく荒んでいるのだが、カナは懸命に働こうとする平田靱負達に接して心動かされる。
    「木曽川、長良川、揖斐川が複雑に絡み合って流れる、尾張・美濃・伊勢に跨る地域」は利害関係者も多く、色々と面倒な条件を幕府側に押し付けられて工事に取組む薩摩の島津家が最初から信頼されているのでもない。そういう中で、「懸命に働く姿」で人々が動かされるという顛末が爽快である。
    何か「読後感」が好い物語だ…

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    2020年07月08日
  • 戦国 番狂わせ七番勝負

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    歴史上の有名な戦いや、大大名の合戦の話ではないが、英雄の若き日の活躍や小が大を制する小気味好い物語がとても面白い。島津義弘、織田信長、真田昌幸などの想定外、裏話、想像を掻き立てるフィクションなどが、短編なのでさくっと読める。物語の面白さもさることながら、この作者がこんな話を書くのかという楽しみ方もある。ところで、こういういくさ話、単純な勝ち負け(結果)だけでもないし、武士のメンツや矜持を保つこと(外部からの評価)や信頼関係の構築(ネットワーク)など、ケースディスカッションに使えそうだなと。ちょっと作ってみるか。

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    2019年12月05日
  • マルガリータ

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    天正遣欧使節団の4人の少年の帰国後の運命を、そのうち一人の妻の目線で描いたもの。中国に渡ることさえ命がけだった時代に、往復8年の時間をかけて欧州を訪問・帰国してみれば、鎖国とバテレン追放の時代になっていた。次第に厳しくなる迫害の中で一人は病に倒れ、一人はマカオに移住することを選ぶ。一人は司祭として残り、国内のキリシタンを励まして生きる。そして本編の主人公千々石ミゲルは棄教の道を選び、キリシタンからは棄教者と憎まれ、キリシタンを取り締まる士族からは転び者と蔑まれる。そこには日本から一人の殉教者(=死者)も出さないという4人の誓いがあった。ミゲルに寄り添いながら、最後までミゲルの本心に近ずけなかったと感じる妻の純粋でいちずな思いにも心打たれる。それにしても、時の指導者の思惑や目先の利益で、宗教心という重大なことをコロコロ変えてしまうことで、どれだけ多くの人が不幸になるか。これは、現代の生き方にも痛烈な警告を投げかけている気がする。

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    2019年06月12日
  • マルガリータ

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    天正遣欧少年使節としてヨーロッパに渡った4人の少年たち。帰国後、千々石ミゲルだけは棄教する。その史実を軸に、キリスト教迫害の時代を描く見事な筋立ての小説だった。そしてせつない。
    何がせつないって、語り部の珠。あこがれのミゲルと夫婦になってともに人生を生きていくはずなのに、最後の最後までミゲルは珠を一番の存在にはしなかったこと。珠以前に、天主様や伊奈姫、ともにヨーロッパに行った3人がいた。ミゲルは珠にやさしいんだけど、珠が欲しいのはそういう慈悲のようなやさしさではないんだよ。ともに苦しみたいのにそこには入れてくれない、ある意味不実なミゲル。
    自分にとって一番の相手が、自分を一番と思っていないってこと、あるよね。相手の一番が自分と比べるべくもないほどのものだったら憤ることすらできない。しかも、一番の相手の好きなものだから嫌いとも言えない、思えないつらさ。
    珠のせつなさの前では、棄教したように生きながら信仰を守り続けるミゲルの苦しさも、また、禁教の徒として処刑されたジュリアンといい、信徒らを導き日本を逃れてマカオで生涯を終えたマルチノといい、それは大義をもっての苦しみであり、美しい男たちのホモソーシャルな友情のもとでの苦しみだからどうとでも昇華できるように思えてしまう。

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    2018年04月22日
  • やまと錦

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    書き下ろし

     外つ国の 千草の糸を かせぎあげて
     やまと錦を織り成さばやな
    帝国憲法の産みの苦しみを、井上毅の人となりに迫って描いた作品。
    京大法学部出身で司馬遼太郎に仕えた作者の真骨頂と言うべきか。

     自由民権運動から生まれた私擬憲法草案があちこちで発掘され、日本史の教科書でも取り上げられているが、帝国憲法をどう作るかという苦労について書かれたものは少なかった。
     保守性ばかりが強調される帝国憲法を「明治の理想を形にする」という成果の観点で捉え、「この国で生まれ育った誰もが心の奥底に持っているのが国体であり憲法なのだ。」という言葉には感動的な説得力さえある。

     憲法改正や、皇室典範の改正までが議論される今、歴史学徒として帝国憲法を学んで来なかったことを恥じる思いだ。六法全書に載っている法律の中で最も読まなかったこの多久馬の力作を読んでみようと思う。

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    2017年03月12日
  • 天領の鷹 上

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    ネタバレ

    江戸時代の蝦夷の材木商、飛騨屋四代の歴史小説上巻。

    物語が下呂から始まるので、親近感がわきました。
    初代の久兵衛は弟の藤助と江戸へ出て、下北へ行き、蝦夷で飛騨屋を立ち上げます。
    未開拓の山を切り開き、蝦夷を代表する木材商にまでなります。
    2代目の久蔵は、尻別川の河口に人口岬を作って、身代を一回り大きくします。
    上巻は2代目の最後で終わりますが、とにかく人間ドラマとして素晴らしい出来でした。
    下呂の方言が中国地方の方言のようなのに違和感がありましたが、よくこんな人を見つけ出したと思います。
    ただ、飛騨屋といえばかつて船戸与一の蝦夷地別件では悪徳商人風だったと思うので、まさか下巻でそんなことにならないことを祈ります。

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    2026年10月03日
  • 雀ちょっちょ

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    第45回新田次郎文学賞

    江戸の人々の教養に驚かされる。
    私にはせっかくいくつも披露される狂歌の意味やおもしろさが全く理解できない。
    そこもわかればよりこの作品が楽しめるだろうに。
    大田南畝は知らなかったけど、歴史的に有名な文化人がたくさん登場するので、人物同士のつながりがおもしろかった。
    特に塙保己一は小説で読んだので親しみが持てた。
    大田南畝の周りには魅力的な仲間がたくさんいる。
    特に父親、妻、息子の嫁が立派で素晴らしい人たちだった。
    また、南畝の息子への溢れる愛が伝わり温かい気持ちになった。
    大田の家に時としてあらわれる「魔」の萌芽、というのが、いまいち具体的にどういうことが魔なのかがよくわからなかった。

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    2026年09月30日
  • 天領の鷹 上

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    蝦夷へ渡り「飛騨屋」を興す青春小説→ヒューマンドラマ。物語が壮大な故に展開スピードが速くて少し消化不良になり、2回読んだらスッキリした。

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    2026年09月27日
  • まいまいつぶろ

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    主従関係を徳川家重を軸に描いた辺りはホントに秀逸、九代家重は事実身体が不自由でありながら将軍職を見事に勤めた人物だがおそらく言葉は通じたんでしょうね、それが本作では言葉に難儀する設定にし通じ訳との主従関係を将軍になる前から描き切った素晴らしい作品でした…あそこまで信頼できる者に出会えるなんて現代では無いのかもしれないけど…

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    2026年09月26日
  • 天領の鷹 下

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    木曽の杣が蝦夷にわたり事業を起こし閉じるまで百年4代の話。代ごとに立ち向かう困難は変わるが、苦労と心意気を示し続ける。作者ならではの善人の話。
    事実がどうだったかわからないけど、悪役扱いの飛騨屋を主に据えている
    夷人への迫害が根底に流れています

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    2026年09月23日
  • まいまいつぶろ

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    母が面白いと言っていたので拝借。
    良い本でした。

    九代将軍、徳川家重とその寵臣の物語。
    正直家重って全然知らない…と言うか将軍は15人の中で4、5人しか知らない…
    これで新たに1人将軍を覚えることができたな。
    生まれるときに障害を負ってしまった家重は体に麻痺が残って口がきけない。
    誰にも分からないその言葉を理解できる少年が現れ、家重の人生も変わる。
    その少年忠光と家重の絆の物語。

    後半は少し歴史の授業を彷彿とさせられて歴史苦手な私には読みにくかったけど、暖かく優しい物語で最後は涙してしまった。
    なんて心根の優しい忠光。
    そして同じように優しく慈悲深い家重。
    2人はズッ友。ギャルならそう言う。
    暖かい気持ちになれる本だった。

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    2026年08月22日
  • 雀ちょっちょ

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    最初は同じ著者の作品と比べて、軽いというかお気楽な雰囲気がちょっと受け入れ難かったが話が進むにつれ尻上がりに面白くなっていった。狂歌で名を馳せながら時代の流れに抗うことなく筆を置いた直次郎(大田南畝)の葛藤が怒涛のように展開されていく。

    この著者の『まいまいつぶろ』や『またうど』を読んでいたら面白さが増す。この辺りの時代は世の中が嵐のように掻き回され、変わっていったのだろう。
    守るべきものが何かは人によって全く違う。見事に守りきった直次郎は本当に見事だった。

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    2026年07月13日
  • 天領の鷹 下

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    飛騨屋四代の、人物としての書き分けは明確にしていない。むしろ代ごとの役割を自覚させる描写が印象に残る。
    人の世の苦労より、山に対する辛抱の中に身を置きたいんだと言う四代目の言葉が沁みる。
    ところでなぜタイトルは天領の鷹なのだろう?天領というところに飛騨屋として誇りを持っているわけではないと感じたが・・・この天とは幕府ではなく、文字通りの「天」なのかもしれない。

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    2026年07月09日