村木嵐のレビュー一覧

  • まいまいつぶろ

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    精緻に記述を重ねていくというよりも、家重の人生が大きなうねりを持ったドラマとして心に残る作品だと感じた。

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    2025年08月28日
  • まいまいつぶろ

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    9代将軍となる家重と大岡忠光の歩みと一生を描く。障害で喋りが他人にわからない家重の言葉が忠光だけに聞き取れたことで一生を家重に捧げた話。ちょっと感動ものの話。

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    2025年07月27日
  • またうど

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    ネタバレ

    賄賂にまみれた悪徳政治家といわれた田沼意次も、村木嵐さんの手にかかると、政治的手腕だけではなく、老中としての誇りや、亡き家重と忠光への深い忠義を忘れない人間味あふれる人物として描かれる。

    読んでいて驚いたことが二つ。
    一つは、深い信頼関係を築いていた家治と意次が60歳を過ぎてから長男を亡くすという胸が締め付けられるような共通の悲しみを持っていたこと。

    もう一つ驚いたことは、革新的な財政改革を猛スピードで推し進めてきた意次が、天候不順による不作や、浅間山の噴火に対して決定的な対策が打てなかったこと。

    どんなに優れた人でも、何年も続く天災に対しては手も足も出ず、多くの民を失い、食糧難や一揆を

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    2025年07月25日
  • まいまいつぶろ

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    ネタバレ

    誰にも言葉を聞き取ってもらえない主人と、唯一その言葉を聞き取れる従者
    この作中世界を読者も体験できるようなつくりになっていて、とても面白かった

    最後の最後まで、忠光の潔白が証明されたかと思いきや、また新たな疑いを持つ人物の視点が挟まるのが上手だなと思う
    加えて一度も忠光視点では語られないため、周囲の目線を通じてしか彼の人間性は読めない
    まさに「御口になっても御目や御耳にはならない」忠光の徹底ぶりを体感しているようで面白かった

    だからこそ、最後に家重の視点で、セリフが分かる状態で2人の会話が聞けた時、感動したし心から嬉しくなった

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    2025年07月15日
  • まいまいつぶろ

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    ネタバレ

    「口がまわらず、誰にも言葉が届かない。歩いた後には尿を引きずった跡が残るため、まいまいつぶろと呼ばれ、蔑まれた第九代将軍・徳川家重(幼名 長福丸)。常に側に控えるのは、ただ一人、彼の言葉を解する何の後ろ盾もない小姓・兵庫だった。」
    大岡越前の遠縁である兵庫(忠光)は小姓として登用される際に越前から「長福丸様のお口になれ、決して目や耳になってはならぬ」と言われ、その言葉通りのお役目を果たします。ただ一回の例外を除いて。
    そんな中、家重を廃嫡とし次男に将軍職を継がせることを画策する老中が現れたり、京から家重に嫁入りした姫が徐々に家重を慕うようになるさまなど、家重が将軍職を継ぐまでには様々な経緯があ

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    2025年07月14日
  • まいまいつぶろ 御庭番耳目抄

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    「まいまいつぶろ」外伝。

    吉宗、家重の2代に御庭番万里として仕えた青菜半四郎の眼を通して描く、家重、忠光主従周辺の人々。

    吉宗の母浄円院、吉宗股肱の臣下松平乗邑、家重の嫡男竹千代/家治、忠光の妻志乃と長男兵庫/忠喜、それに半四郎。

    周囲の人々を描くことで、家重や忠光が置かれた特異で過酷な状況や、家重主従に向けられた周囲の絡み合った思惑、その中で家重を思い、家重のために働く人々の姿などが浮き彫りになる。

    無私を貫き家重の口となった忠光の存在といい、長福丸/家重が吉宗の跡を継いで将軍となったことは、ほとんど奇跡とも思える。

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    2025年07月08日
  • まいまいつぶろ 御庭番耳目抄

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    「まいまいつぶろ」のスピンオフ。

    青名半四郎、又の名を、万里。
    徳川吉宗・家重の二代に渡り仕えた、お庭番。

    前作では語られなかった、周囲の背景と気持ちを描いた。

    何度読んでも、家重と忠光、二人の関係には、涙させられる。

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    2025年06月29日
  • またうど

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    なんだ、ろ。
    この、読後感。もの、すっごくいい。
    爽やかに、すーっと、アタシの心の奥に。

    『まいまいつぶろ』から、ぜひ読んでいただきたい。

    〜まいないつぶろ〜と、呼ばれた田沼意次のお話。
    九代将軍家重には〜またうど〜と、引継ぐ十代家治。

    明和九年の大火事。家治の嫡男家基の死。
    浅間山の噴火。意次の嫡男意知の死。

    五匁銀。南鐐二朱銀。
    印旛沼と、手賀沼の干拓。蝦夷、アイヌ。

    何より、引き際の美しさ。
    ココに心持ってかれました。

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    2025年06月26日
  • またうど

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    「まいまいつぶろ」に連なる世界線で書かれた田沼意次の生涯。

    「またうど」とは「全人」、律儀で正直な人をいい、9代将軍徳川家重(「まいまいつぶろ」の主人公)が意次を評したという。

    本書に出てくる意次は「またうど」と呼ばれるとおり、私心を持たず、滅私奉公に徹し、明るく、友情・人情に篤く、民に優しく、経済に精通し、必要な改革や政策を果断かつ戦略的に実行するという、官吏の鑑のような人物。

    対比されるのは終盤に登場する白河藩主松平定信や11代将軍家斉の実父一橋治斉の未熟さや俗物さ。
    定信が進めた寛政の改革以降、徳川幕府の命運は下降していく。

    意次のことが大好きだという作者。
    「意次の印象をひっく

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    2025年06月13日
  • まいまいつぶろ 御庭番耳目抄

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    うんうん、これはいいですね!御庭番目線なのですが、前作の何となく物足りなかった情緒的な部分をうまく補完している感じ。前作での登場人物それぞれのセリフが、この作品ではその立場を背景に心模様をうまく描いていて納得です。

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    2025年06月08日
  • まいまいつぶろ 御庭番耳目抄

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    ネタバレ

    まいまいつぶろの登場人物のエピソードの短編集
    まいまいつぶろを補完するような構成になっていて、楽しく読めました

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    2025年06月04日
  • またうど

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    まいまいつぶろより3作目
    子供の頃に田沼意次のイメージから大きく違う、見事な生き様が伝わる
    渡辺謙を思い浮かべてしまう。で、似合う。

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    2025年05月11日
  • まいまいつぶろ 御庭番耳目抄

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    立場が違うと見方が変わるなと思わせるスピンオフ、吉宗のカリスマ性と周囲の思慮が交差する。廃嫡と言われ続けた家重の将軍としての人生と上に立つ者としての性質。
    本編では描かれなかった忠光と妻、普通とはとても言えないがお互い敬意のある良い夫婦関係だと知れて読後が心地いい。

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    2025年05月01日
  • 夏の坂道

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    実在の方の話。その人生の中に戦争があった。第二次世界大戦。戦後の法律も、簡単には作られてないんですよね。教科書だと何行かで終わってしまうのに。

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    2025年04月15日
  • まいまいつぶろ 御庭番耳目抄

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    まいまいつぷろを読んでから暫くしてからのこの作品。
    読み進めていくにつれて、徳川9代将軍から11代の時代のお庭番の萬里や小姓の忠光など人間味あふれる登場人物たちに感心する自分がいました。

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    2025年04月15日
  • まいまいつぶろ 御庭番耳目抄

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    御庭番として登場していた万里のスピンオフ作品
    家重と忠光の絆に感化され、家重が将軍になることを反対していた人たちも最終的には…となるの素敵
    若い頃から吉宗に仕え様々なことを見聞きしてきた万里、気持ちは誰よりもふたりの味方だったのでは
    長く見知った面々が去り、万里も落ち着いた余生をおくれそうでよかった

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    2025年04月10日
  • まいまいつぶろ 御庭番耳目抄

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    やっぱりスピンオフは間を置かずに読むべきね
    だって誰との間に起きた出来事か…
    そもそも名前すら忘れる自分(゚-゚*;)(;*゚-゚)

    お気に入りだった御庭番・万里目線で語られる裏話
    はそれぞれの晩年も知れて、万里の穏やかな語り口もあって幸せな読後感です。
    謎だった万里自身の事もわかりラストの話はちょっと泣けました。゚(゚´Д`゚)゚。

    徳川に興味のなかった私ですが家重は忘れないぞ!


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    2025年04月06日
  • またうど

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    主人公は田沼意次。昔の賄賂まみれの悪徳政治家という見方ではなく、近年の有能な改革者というイメージに沿う描き方だと思うがここまで完璧な人間像はどうか。完璧だから「またうど」だということかもしれないが、そこまでの人間はいないのでは。「まいまいつぶろ」を読んでない人はさらに違和感があるのではないかと思う。

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    2025年04月02日
  • いつかの朔日

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    ネタバレ

    天下人、徳川家康の先祖、松平家の凋落から、その息子である家康が、信頼のおける家臣達に育てられ、天下を取るまでの物語

    家康の幼少期は人質にとられ、その後も幾度となく難事がふりかかる。最終的には天下統一を果たすが、これは、家康自身の運や、先を見通す才能だけでなく、元忠をはじめとする、鳥居家の家臣の従順な忠誠心と、天下を取る事を信じて疑わない、純粋な願いが成就させたものだろう

    村木さんの小説らしく、濃厚な主従関係が織りなす人間ドラマが涙を誘う

    人が人を心底信じると、何事も成しえるほどの力が湧くのか、と胸があつくなった

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    2025年04月02日
  • 地上の星

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    今日は待ち時間があまりに長い病院の日で、大好きな村木蘭さんの本を持って。おかげで待ち時間がとても感動的な1日になりました。天草にキリシタンがなぜ集まっているのか、イエズス会はいいことも悪いことも言われるけど本当のところはどうだったのか、今までのモヤモヤがスッキリしました。戦国時代、「雨に濡れて露恐ろしからず。大きな禍に苦しんでいる者は、小さな禍など恐れない」この言葉に支えられて一生懸命生きたおせん。まっすぐで慈愛に満ち、苦労を厭わない彼女がよかったです。

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    2025年03月21日