村木嵐のレビュー一覧

  • まいまいつぶろ

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    ネタバレ

    202508/実によかった!!!将軍と小姓なんだけど、ブラザーフッド的な友誼も感じかなり胸アツ系だった。家重の色酒溺れとかは描かれず、正室比宮との距離近づいてくエピソードが丁寧に描かれてるのも良かった。最後の章で大岡忠喜と将軍家治の会話、忠光の妻子側からの気持ちやエピが語られたのも良い…。

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    2025年12月22日
  • 夏の坂道

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    南原繁が主人公の小説が本になり、それを読む事になるとは思いも寄らなかった。

    キリスト教に立拠した思想には同意し辛い面はあるが、当然南原個人の思想であって著者の考えとは何の関係もない。大岡忠光といい、南原繁といい、中々興味をそそらせる人選を著者はしてくる。

    そして本書を貫く背骨の一つとして「無力感を知る」がある。
    当代有数の法学者さえ、時代の流れの中では無力に成らざるを得ない。その中で如何に抗い如何に生き延びるか、を描き続けた本書は読者の背中をそっと押し柔らかく包む雰囲気を持つ。

    BOOK ‘N’ BOOTHにて購入。

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    2025年12月13日
  • まいまいつぶろ

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    ネタバレ

    歴史上あまり取り上げられることのない、徳川第九代将軍・家重。
    へその緒が首に巻き付いて生れたせいなのか、口がまわらず、半身がマヒしているため正座ができず、字を書くこともできず、武士の頂点たる征夷大将軍になることなど不可能と思われていた。
    頻尿のため、歩いたあとには尿を引きずった跡が残るため「まいまいつぶろ(かたつむり)」と呼ばれていた。

    家重の言葉を、唯一聞き取ることができたのが、大岡忠光という小姓。
    コミュニケーションを取ることができないために周囲から無能呼ばわりされている家重の口となり、彼の言葉を彼に代わって発するのだが。

    本当に無能なら問題はなかった。
    しかし卓越した記憶力と明晰な判

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    2025年10月29日
  • またうど

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    教科書で習った田沼は、商いで国を潤す一方で賄賂政治で私利私欲の塊みたいなイメージ。それがドラマの「べらぼう」ではまったく違う人物像。「またうど」全き人ー愚直なまでに正直な信の者。歴史は勝者サイドとはいえ、教科書、もう少し真実に近づいてくれないと…。「田沼は物は受ける。だが、それで己の信念は曲げはせぬわい」「田沼は物では動かぬ。だが動くと見られるのは何も悪いことではない。金が流れ工人が潤う。新しい工夫も生まれ、競い合う因になる」村木さん、どれだけの資料に当たったのだろう?終始、渡辺謙さんが頭に浮かぶ。

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    2025年10月23日
  • まいまいつぶろ 御庭番耳目抄

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    まいまいつぶろの御庭番目線のスピンオフ。
    だいたいがまいまいつぶろと同じ内容で特別びっくりしたり、あの時そうだったのか!とはあまりならないけど、相変わらず家重と忠光を優しく見守る御庭番と家臣たちに心温まる。

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    2025年10月16日
  • 阿茶

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    家康の側室になった元武田の家臣の娘阿茶、大坂冬の陣で淀殿、淀殿の妹初との和議役で大阪城の内濠を埋め、夏の陣で豊臣方を滅ぼした功労者である。阿茶は戦場へ家康と行く事が多く、影の参謀的存在となり、また家康との間の子がない事で良き世継ぎを育てる乳母役となる。阿茶は女として、子を持たない側室として家康の精神的な面も理解し、家康が亡くなるまで多くの親族の支援を惜しまなかった存在である。
    阿茶の父飯田直政の言葉「まず今できる手を打つ、打たねばならぬ手を討つ。目の前にある、己が果たさなければならぬことをする。そうすれば次にすべき事が見える」
    阿茶の夫忠重の言葉「癇癪を起こさず耐えること、家臣の苦労を裏切らぬ

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    2025年10月10日
  • まいまいつぶろ

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    以前から気になっていて、文庫化されて読んだ。あまり歴史小説にならない将軍と小姓の話で、非常に面白いストーリーだが、文章力はイマイチの印象。

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    2025年09月23日
  • まいまいつぶろ

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    ネタバレ

    身体にハンデを背負いながらも見事に一国を治める知性と人柄は
    エルサレム王ボードアン四世を思い出させる。
    (太平の世で後継にも恵まれた家重と彼とでは状況も大きく異なるとは思うが)
    また言葉に関わるキーワードとして「鳥の声」を度々用いているのが非常に興味深い。東西ともに鳥は神の言葉を伝える使者として扱われることもあるため、作者も意図して表現に取り入れたのだろうか。

    忠光の存在が家重の人生にとって、どれほどかけがえのないものだったか。
    家重の口となるということは彼のハンデと同じくらいの労苦をともに背負うということ。その覚悟を持って生涯務めた彼は見事だと思う。
    立身に重きを置く者たちには持ちえない美

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    2025年09月02日
  • まいまいつぶろ

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    精緻に記述を重ねていくというよりも、家重の人生が大きなうねりを持ったドラマとして心に残る作品だと感じた。

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    2025年08月28日
  • まいまいつぶろ

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    9代将軍となる家重と大岡忠光の歩みと一生を描く。障害で喋りが他人にわからない家重の言葉が忠光だけに聞き取れたことで一生を家重に捧げた話。ちょっと感動ものの話。

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    2025年07月27日
  • またうど

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    ネタバレ

    賄賂にまみれた悪徳政治家といわれた田沼意次も、村木嵐さんの手にかかると、政治的手腕だけではなく、老中としての誇りや、亡き家重と忠光への深い忠義を忘れない人間味あふれる人物として描かれる。

    読んでいて驚いたことが二つ。
    一つは、深い信頼関係を築いていた家治と意次が60歳を過ぎてから長男を亡くすという胸が締め付けられるような共通の悲しみを持っていたこと。

    もう一つ驚いたことは、革新的な財政改革を猛スピードで推し進めてきた意次が、天候不順による不作や、浅間山の噴火に対して決定的な対策が打てなかったこと。

    どんなに優れた人でも、何年も続く天災に対しては手も足も出ず、多くの民を失い、食糧難や一揆を

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    2025年07月25日
  • まいまいつぶろ

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    ネタバレ

    誰にも言葉を聞き取ってもらえない主人と、唯一その言葉を聞き取れる従者
    この作中世界を読者も体験できるようなつくりになっていて、とても面白かった

    最後の最後まで、忠光の潔白が証明されたかと思いきや、また新たな疑いを持つ人物の視点が挟まるのが上手だなと思う
    加えて一度も忠光視点では語られないため、周囲の目線を通じてしか彼の人間性は読めない
    まさに「御口になっても御目や御耳にはならない」忠光の徹底ぶりを体感しているようで面白かった

    だからこそ、最後に家重の視点で、セリフが分かる状態で2人の会話が聞けた時、感動したし心から嬉しくなった

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    2025年07月15日
  • まいまいつぶろ

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    ネタバレ

    「口がまわらず、誰にも言葉が届かない。歩いた後には尿を引きずった跡が残るため、まいまいつぶろと呼ばれ、蔑まれた第九代将軍・徳川家重(幼名 長福丸)。常に側に控えるのは、ただ一人、彼の言葉を解する何の後ろ盾もない小姓・兵庫だった。」
    大岡越前の遠縁である兵庫(忠光)は小姓として登用される際に越前から「長福丸様のお口になれ、決して目や耳になってはならぬ」と言われ、その言葉通りのお役目を果たします。ただ一回の例外を除いて。
    そんな中、家重を廃嫡とし次男に将軍職を継がせることを画策する老中が現れたり、京から家重に嫁入りした姫が徐々に家重を慕うようになるさまなど、家重が将軍職を継ぐまでには様々な経緯があ

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    2025年07月14日
  • まいまいつぶろ 御庭番耳目抄

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    「まいまいつぶろ」外伝。

    吉宗、家重の2代に御庭番万里として仕えた青菜半四郎の眼を通して描く、家重、忠光主従周辺の人々。

    吉宗の母浄円院、吉宗股肱の臣下松平乗邑、家重の嫡男竹千代/家治、忠光の妻志乃と長男兵庫/忠喜、それに半四郎。

    周囲の人々を描くことで、家重や忠光が置かれた特異で過酷な状況や、家重主従に向けられた周囲の絡み合った思惑、その中で家重を思い、家重のために働く人々の姿などが浮き彫りになる。

    無私を貫き家重の口となった忠光の存在といい、長福丸/家重が吉宗の跡を継いで将軍となったことは、ほとんど奇跡とも思える。

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    2025年07月08日
  • まいまいつぶろ 御庭番耳目抄

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    「まいまいつぶろ」のスピンオフ。

    青名半四郎、又の名を、万里。
    徳川吉宗・家重の二代に渡り仕えた、お庭番。

    前作では語られなかった、周囲の背景と気持ちを描いた。

    何度読んでも、家重と忠光、二人の関係には、涙させられる。

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    2025年06月29日
  • またうど

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    なんだ、ろ。
    この、読後感。もの、すっごくいい。
    爽やかに、すーっと、アタシの心の奥に。

    『まいまいつぶろ』から、ぜひ読んでいただきたい。

    〜まいないつぶろ〜と、呼ばれた田沼意次のお話。
    九代将軍家重には〜またうど〜と、引継ぐ十代家治。

    明和九年の大火事。家治の嫡男家基の死。
    浅間山の噴火。意次の嫡男意知の死。

    五匁銀。南鐐二朱銀。
    印旛沼と、手賀沼の干拓。蝦夷、アイヌ。

    何より、引き際の美しさ。
    ココに心持ってかれました。

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    2025年06月26日
  • またうど

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    「まいまいつぶろ」に連なる世界線で書かれた田沼意次の生涯。

    「またうど」とは「全人」、律儀で正直な人をいい、9代将軍徳川家重(「まいまいつぶろ」の主人公)が意次を評したという。

    本書に出てくる意次は「またうど」と呼ばれるとおり、私心を持たず、滅私奉公に徹し、明るく、友情・人情に篤く、民に優しく、経済に精通し、必要な改革や政策を果断かつ戦略的に実行するという、官吏の鑑のような人物。

    対比されるのは終盤に登場する白河藩主松平定信や11代将軍家斉の実父一橋治斉の未熟さや俗物さ。
    定信が進めた寛政の改革以降、徳川幕府の命運は下降していく。

    意次のことが大好きだという作者。
    「意次の印象をひっく

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    2025年06月13日
  • まいまいつぶろ 御庭番耳目抄

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    うんうん、これはいいですね!御庭番目線なのですが、前作の何となく物足りなかった情緒的な部分をうまく補完している感じ。前作での登場人物それぞれのセリフが、この作品ではその立場を背景に心模様をうまく描いていて納得です。

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    2025年06月08日
  • まいまいつぶろ 御庭番耳目抄

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    ネタバレ

    まいまいつぶろの登場人物のエピソードの短編集
    まいまいつぶろを補完するような構成になっていて、楽しく読めました

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    2025年06月04日
  • またうど

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    まいまいつぶろより3作目
    子供の頃に田沼意次のイメージから大きく違う、見事な生き様が伝わる
    渡辺謙を思い浮かべてしまう。で、似合う。

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    2025年05月11日