村木嵐のレビュー一覧
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ネタバレ「口がまわらず、誰にも言葉が届かない。歩いた後には尿を引きずった跡が残るため、まいまいつぶろと呼ばれ、蔑まれた第九代将軍・徳川家重(幼名 長福丸)。常に側に控えるのは、ただ一人、彼の言葉を解する何の後ろ盾もない小姓・兵庫だった。」
大岡越前の遠縁である兵庫(忠光)は小姓として登用される際に越前から「長福丸様のお口になれ、決して目や耳になってはならぬ」と言われ、その言葉通りのお役目を果たします。ただ一回の例外を除いて。
そんな中、家重を廃嫡とし次男に将軍職を継がせることを画策する老中が現れたり、京から家重に嫁入りした姫が徐々に家重を慕うようになるさまなど、家重が将軍職を継ぐまでには様々な経緯があ -
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「まいまいつぶろ」に連なる世界線で書かれた田沼意次の生涯。
「またうど」とは「全人」、律儀で正直な人をいい、9代将軍徳川家重(「まいまいつぶろ」の主人公)が意次を評したという。
本書に出てくる意次は「またうど」と呼ばれるとおり、私心を持たず、滅私奉公に徹し、明るく、友情・人情に篤く、民に優しく、経済に精通し、必要な改革や政策を果断かつ戦略的に実行するという、官吏の鑑のような人物。
対比されるのは終盤に登場する白河藩主松平定信や11代将軍家斉の実父一橋治斉の未熟さや俗物さ。
定信が進めた寛政の改革以降、徳川幕府の命運は下降していく。
意次のことが大好きだという作者。
「意次の印象をひっく -
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またうど
P54〈全き人、愚直なまでに正直な
信(まこと)の者という意味〉
田沼意次は、「またうど」なり。
大河ドラマ「べらぼう」で田沼意次を渡辺謙さんが。
第十代将軍、家治を眞島秀和さんが演じていらっしゃる。
活字を目で追い、頭の中で役者さんが動く。
お陰で楽しい時間となった。
『まいまいつぶろ』でも
その人情味溢れる描き方で引き込まれたが
本作でも、田沼意次の魅力が十二分に伝わってきた。
志し半ばではなかったか。
第十一代将軍、家斉の行く末を
着手した政策、開発を見守りたかったのではないか。
すっかり、田沼意次に心奪われてしまった。