ディケンズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
不朽の名作。これを読んでわかりますが、19世紀なんかは、労働時間が短くて良いなって思いました(階級によりけりだったんでしょうけど)。スクルージじいさんの、人生が変わるほどの経験を、読みながら読者もするわけです。
子供が読む本だし19世紀の本だけれども、面白かったなぁ。
「あ、そうだよなぁ」という感じに、心の方向性を修正してくれるような本です。
知らず知らずのうちに、大人になることによって失われてしまった
人間の根本的な部分にあるはずの慈悲や、不必要なまでの欲望に気づかせてくれます。
過ぎし日のクリスマスの幽霊、現在のクリスマスの幽霊、未来のクリスマスの幽霊。
この三者が欲望に凝り固まったス -
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Posted by ブクログ
大長編四分冊中の三冊目。
二冊目で失明したかに見えた主人公エスターの視力は戻ったものの、感染症の後遺症で美貌は失われる。しかし、周りの人たちは一貫して優しい。特に、荒涼館の主人ジャーンダイスに至っては、プロポーズするくらいだ。
リチャード・カーストンは相変わらず最低の甘ちゃんで周りの人を悪い方へ引き摺り回す。リチャードとスキンポールの人格未熟者コンビには唖然とする場面が多いが、スキンポールに奥さんと三人の娘がいると知り、更に驚く。
レディ・デッドロックの醜聞を握った弁護士タルキングホーンは、準男爵夫人を脅すのかと思ったら、そうはならず、逆に殺される、という驚きの展開。最終巻はどんな展開に -
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主人公であるスクルージは、お金ばかり大切にし、無愛想で周囲の人々と友好的な人間関係を築こうとしない。そんな彼のもとにクリスマスイブの夜、かつての共同経営者であったマーリーの幽霊が現れる。スクルージは突然の事態に驚きながら、3人の精霊と共に過去、現在、未来の自分、そして周囲の人々を巡る旅に出るというファンタジー作品。
今作の面白い点は、主人公が精霊たちとの旅を通して、それまでの自分の行いを反省し、その後はしっかり改心した行動を他者に対してとる点である。個人的には、彼が老人でありながら人として変わろうとしたこと、それを確かな行動に移したこと、そして最終的には「クリスマスの正しい祝い方を知っている人 -
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大長編四冊中の二冊目。物語はゆっくりと加速していく感じ。
古道具屋クルックの下宿人・代筆屋ネモの正体を複数筋のひとたち(“謎の女性”や弁護士事務所員ガッピー)が探る中、主人公エスターは浮浪少年ジョー・若年メイドチャーリー経由で感染症に罹って失明する(したのか?)。
準男爵夫人レディ・デッドロックと他の登場人物との間の意外な関係が明らかになって、、と少々推理小説的な展開も重なって、後半どういう展開が待っているのか楽しみだ。
エスターが一人称で語る章のエスターによる人間描写はくすりと笑える箇所が多く、レフ・トルストイの筆に似た味わいだった。
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Posted by ブクログ
村上春樹の短篇集『東京奇譚集』の中の『偶然の旅人』の中に、この作品が印象的に登場する。ディケンズは『二都物語』しか読んだことがなく、何となく心に引っ掛かっていたので手に取った。
ザ・長編を読み続けられるか否かの基準で言うと、『カラマーゾフの兄弟』と『失われた時を求めて』の間。(大概の作品はこの間に入ると思うけど)
舞台は19世紀半ばのロンドン周辺。いろんな階級、いろんな人格の人物が登場するが、1番いけすかないのは、リチャード・カーストン。中二病が拗れたヤツのイギリス版。こういう人物を見ると、革命は正しかったのかなと思ってしまう。
19世紀の古典を読むと、人類は、テクノロジーを別にすれば、 -
Posted by ブクログ
本作は、ケチで冷酷な老人スクルージが、クリスマスの夜に幽霊たちと出会い、過去・現在・未来のクリスマスを見せられることで心を入れ替える物語です。
幽霊たちの導きによって、スクルージはかつて自分にも温かい繋がりがあったこと、そしてそれを自ら手放してしまったことに気づきます。過去の幸福と現在の孤独、そして未来に待ち受ける恐ろしい結末。それらをきっかけに改心し、クリスマスを心から楽しめるようになる姿は、読んでいて素直に嬉しくなります。
また、文章が非常にユーモラスで、時おり作者自身が読者に語りかけてくる独特のスタイルも魅力的です。読み聞かせにぴったりな作品だと感じました。
さらに、本作はイギリス