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失踪していたエミリーがとうとう姿を現した。そんなとき、日増しに衰弱していたドーラが、とうとうあの世へ旅立った。エミリーから託されたハムへの手紙を持ってヤーマスへ向かったデイヴィッドであったが、折しも嵐が襲いかかり、怒号する大海原に難破船が浮かんでいるとの話を耳にする…。(全5冊完結)
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Posted by ブクログ
ディケンズの作品でまた好きな作品が増えた。本書はいわゆる世界十大小説の1作であり、個人としてはまだ読めていなかった最後の十大小説となる。そして、学生時代にリストに入れた本で読めていなかった最後の作品だった。
個人的にはこれからも続く読書人生の歴史に一区切りがついたような感覚で、感慨深いものがあるのだが、それと本書の評価とは別にして感想を記したい。
物語の前半から、アグネスとデイビッドの確固たる男女の友情のようなものが成立していて、「なんでこの2人がくっつかないんだろう」と思いながら読んでいた。デイビッドとドーラとの結婚は2人の幸せを揺るがすイベントではなく、最後をあそこまで彩らせるために必要な要素だったのだと思うと、余計にこの作品のことが好きになる。
素人目には、アグネスからデイビッドへの恋心のようなものはこれまで明確には感じ取れなかったので、この章での告白には心を揺さぶられたし、デイビッドの純度100の愛情表現も、読んでいて涙が出そうになった。
ディケンズの自叙伝的小説とも言われる所以の1つとして、著者Charles Dickens(C.D.)と主人公David Copperfield(D.C.)のイニシャルにも表れているという説が面白いと思った。
Posted by ブクログ
ついに読み終わってしまった。
面白かった!読み終わるのが勿体ないくらい。
普段読むのは漫画ばかりの私でも、頁を繰る手が止まらずに、5巻まで飽きることなく読むことができた。
父から大河ドラマだよ〜と聞かされていたけど、本当にそう。
150年も昔に書かれた大河ドラマ、当時のイギリスの街並みや観念、社会の様子などがよくわかるように描かれていて、話の筋以外のところも随分興味深かった。
また、次々と現れるキャラクター達は漏れなくユーモアたっぷりで、読後にはどの人物にも思いを馳せてしまう。
予定調和でご都合主義的なところもあるものの、割り切って読めば思い切り楽しめる要素でもあるかも。
また忘れた頃に読み返したい。
Posted by ブクログ
小説ってやっぱり面白いんだな~と安心する。
作中、コパフィールドが昔馴染みから「あんたの小説は眠くならない」と評されて、それは大切なことだって再認識する箇所があるが、その通りこんなにも長大な小説なのにいっぺんも眠くなるような難所はなかった。
それはどうしてか、考えるにつけて。
ひとつには非常にドラマチックな点。一人称で描かれたコパフィールド少年の有為転変の物語なんかハラハラドキドキが止まらない。
ひとつには、とてもフラットに描かれている点。実母の命を奪ったダーシー姉弟や体罰校長のクリークルといった同じ人間とはとても思えない冷血漢が続々出てくるけれども、そういった時の感情にはあまり深入りしない。コパフィールド少年がアンフェアな仕打ちをしたミル先生に対しても、実にあっさりと話をつけてしまう。(しかしまさか最後の最後でそれらの人物に決着をつけてしまうとは思いもよらなかった。ご都合主義の骨頂とも言えるだろうが、感情や思考の葛藤には深入りせずに、あくまで物語としてケリをつける潔さがそこにはある。ディケンズにとって一人称の小説を書く時、それによりバランスを保ったのかな?)
まあ色々と考えてみるけど、この小説を読み進めていく原動力は、「ここには何か大事なことが書いてある」という何か直観とか本能的なもののような気がどうもする。
言葉にするとすれば、「啓蒙主義的」ってことになりそう。美しい行いや正義、思いやりといった人間として「善」であることがここには描かれている。
啓蒙的な小説ってここ最近の本に探すのはちっと難しいんじゃなかろうか。
どうも「善」ははびこる「悪」に道を明けたようだ。
だからこそこの本には、時たま開いて読んでみる価値が絶対にある。
個人的には四巻の「新生活」と「家庭」といったドーラとの結婚生活のことが描かれた章がとても身につまされ、またついほろっとくるような話でした。
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