ディケンズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
途中、作者がオリバーをいじめるので、つらくて休み休み……つかの間の安らぎを手にしたときも、残りの長さを見ながら、あーこのまま幸せになるはずないと絶望したり(笑)。当時は連載だったから、先を見とおすなんてこともなく、読者は毎回胸をときめかせて読んだんだろうな。
わたしこれまで、ディケンズは、主に翻訳にはばまれて何度となく挫折してきたんだけど、これは本当に読みやすかった。と同時に、ディケンズのちょっともってまわった、皮肉と風刺に満ちた言いまわしや、ほろっとくるような描写なんかも堪能することができた。
ストーリーは、ある意味びっくりするくらいご都合主義なんだけど、この物語に関して言えば、予定調和万歳だよ(笑)そして、多くの人たちが指摘しているように、悪人たちの実在感のすごいこと。狂犬のようなサイクス(飼い犬可哀想だった(:_;))、美しい心を持ちながら掃きだめから逃れられないナンシー(DVから逃げられない女性の典型のようで、ディケンズすげーとなった)。彼らに対してディケンズは相応の報いを与えているけど、まなざしは決して冷ややかではない。むしろ、社会的地位にあぐらをかいて弱い者をいじめる教区吏のバンブル氏や救貧院のおかみを徹底的に軽蔑しているように思える。
でもって、少し前なら、こういう人間のいやしさに対して、「むかしだからね」とか「ヴィクトリア時代のイギリスってこんなだったんだ」という人ごとのような感想を持ったかもしれないけれど、コロナウィルスが蔓延して、毎日、人間のいやしさと恐ろしさを伝えるニュースやら、困窮した人に対してまったく同情心のない施策のかずかずを目にしていると、ディケンズ時代と変わらないじゃん! という気持ちしか湧いてこないのであった。 -
Posted by ブクログ
ついに読み終わってしまった。
面白かった!読み終わるのが勿体ないくらい。
普段読むのは漫画ばかりの私でも、頁を繰る手が止まらずに、5巻まで飽きることなく読むことができた。
父から大河ドラマだよ〜と聞かされていたけど、本当にそう。
150年も昔に書かれた大河ドラマ、当時のイギリスの街並みや観念、社会の様子などがよくわかるように描かれていて、話の筋以外のところも随分興味深かった。
また、次々と現れるキャラクター達は漏れなくユーモアたっぷりで、読後にはどの人物にも思いを馳せてしまう。
予定調和でご都合主義的なところもあるものの、割り切って読めば思い切り楽しめる要素でもあるかも。
また忘れた頃に読み返したい。 -
Posted by ブクログ
新潮文庫では、佐々木直次郎訳→中野好夫訳→加賀山卓朗訳(本書)と、3つの版が出版されてきたが、本書は非常に丁寧な良訳で感動した。
特にカートンの言葉づかいがすごく良い。彼の話す一言一言に、彼がどんな人間かがにじみ出ている。カートンの登場場面はいつでも胸がつまった。
あとがきを読むと、原文の構成や解釈、過去に出版された邦訳の訳文など丹念に研究した様子がうかがえ、特に最終章の”歴史的現在”をきちんと生かした訳になっているのが素晴らしい。中野訳ではこの部分が破壊され、抑制した中ににじむ感情の高まりや物語全体の余韻を全く感じることができず、佐々木訳に比べて非常な物足りなさを感じていた。
大好きな物語を素晴らしい訳で再び読めるほど嬉しいことはない。新訳刊行を心から喜びたい。(2016.2.24) -
Posted by ブクログ
ネタバレ遂に完結! 最後の5巻はすべての伏線を回収して,基本的に良い人には幸せが,悪人にはそれ相応の報いが訪れる(例外もあるが).そうか,謎のキャラクターのミコーバー氏の役割はそういうことか.
ディケンズのお話の常で,やや主人公のキャラクターが薄く,基本的に周りの出来事に翻弄されることによってストーリーが進んでいくのだが,今回の場合には「ほぼ自伝」とされているので,つまり自分の感情を書き込んでいないのは,やむを得ないでしょう.
ご都合主義とも言われることが多いディケンズの小説の中では,おしまいにきちんと着地を果たした感じで,とても良くストーリーが練られて書かれているように感じた.かなりの数の小説は,そのルーツをたどると,このデイヴィッド・コパフィールドに源流が行き着くのではないか? -
Posted by ブクログ
事象だけで言えば結局彼の手に残るものは何もなく、尚且つそれは読者の予想できうる範囲だったろうけども、主人公の生々しい心理の変遷、割り切れない感情が素晴らしくて一息に読んでしまった。
神の見えざる手という表現を聞いたことがあって、それは作者という神がストーリーに意味合いを与えるべく素晴らしい偶然や奇跡を主人公に落としていくことを表すのだけれど、仮にその手があったとしても主人公はついぞ神をちらと仰ぎ見ることもなくただ自分の人生を生きていた。
歩んでも歩んでも先行きの知れない人生を人生として生きている、その歩みは作者や読者の期待とに乱されることなく、彼だけのものだった。 -
クリスマス・キャロル
- カート
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試し読み
Posted by ブクログ
初めて読んだのは小学生のときで、ミッキーのクリスマスキャロルを観たのは保育園に通っていた時かな…。
簡単に言うと「人の親切を受け取らず、他人の不幸にも目を向けない人は、ひとりぼっちで不幸に死んでいくし、亡霊になった後も苦しむことになるんだぞ」という教訓めいた物語なのだが、子どもの頃の私の記憶からすると、これは「怖い物語」であった。
しかし、周りの友達や大人に聞くとそんな感想を言う人は誰もおらず、不思議に思っていた。
何故私だけがそんな感想を持っていたのか。
それはおそらく「死」というものが関係していると思う。
「幽霊」や「お墓」、「今は亡き共同経営者」など、この物語には数々の「死にまつわるキーワード」が出てくる。
ましてや、この物語は何者か分からない語り手から読者に語りかける方式をとっており、この物語に触れあうだけで、自分が死の国に引きずり込まれるような気になってくる。
そして、この「怖さ」が先行していたために、私はこの物語の真意を受け取ることができなかったのだと思う。
私自身想像力の足りない子だったなと思うが、本というものの受け取り方は人それぞれ。(開き直り)
一人くらい、私のような感想を持つ子どもがいても面白いかもしれない。
そのため、読書感想文や朗読会の題材としてはとても良いと思う。
現在の私は教訓も読み取れたし、スクルージが最終的には良い人になったことを喜ばしいと思う。
しかし、冒頭に出てきた、マーレイや他の苦しんでいた亡霊はどうなったのだろうか…。
今もクリスマスの時季になると苦しんでいるのだろうかと考えると、少し陰鬱になる。 -
クリスマス・キャロル
- カート
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試し読み
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クリスマス・キャロル
- カート
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試し読み
Posted by ブクログ
冷酷な守銭奴スクルージが、神の慈悲によって改心し善人になる話。要約するとそれだけであり、そう聞いただけで脊髄反射的に読む気を失ってしまう人も多いだろう。まして作者の御都合主義ぶりは、翻訳者ですら認めている(というより、それがディケンズの一般的評価らしい)のだから尚更だ。
それでも私は敢えて高評価をつけたい。この作品の魅力は、ストーリーやプロットとは別の所にあると思うからだ。第一に、人間描写の妙。特に、大都会ロンドンの下町に生きる庶民の活写ぶりが秀逸だ(その光も闇も含めて)。次に、シニックでハイブロウなブリティッシュ・ジョーク。英国紳士は、たとえ読者が子供であっても手加減はしないようだ(「極めてむなしいもの」の比喩として「アメリカ合衆国の公債」を挙げるあたり)。
そして何より、クリスマスの情景の素敵なこと! キリスト教徒でないにも関わらず、この作品を読んだあと無性にローストチキンとクリスマスプディングが食べたくなったのは、絶対に私だけではないはずだ(イギリスのプディングとやらは実はあまり美味しくないという噂を聞いていてもだ)。このクリスマスの描写だけでも19世紀イギリスの風俗小説として読んでおく価値があると思う(ただし実際は順序が逆で、この作品の発表によってクリスマスを盛大に祝う習慣がイギリスに根付いたらしい)。
ディケンズの文章はやたらセンテンスが長くて読みにくいという印象があったのだが、岩波少年文庫の訳は平易で読みやすい。解説も充実しているので、子供だけでなく、大人のディケンズ入門としても手頃だと思われる。 -
Posted by ブクログ
たまに読みたくなる作品。長さを感じないし、何度読んでも新な発見があり名作。
特に好きなのはデ゛イビットの子供の頃。
デイビット以外にも魅力的な登場人物がいっぱい!悲しいシーンもあるけど、最後はハッピーエンドというのも好きなところ。
これを読むと人生って浮き沈みがあるなぁと思う。どんなにツライことがあっても、前向きに頑張ろう!と思える作品。
一番印象深いのが、無敵と思えていた伯母さんに夫がいて、さらに夫には弱いというところ。ストーリーの筋には関係ないけど、伯母さんの人物描写が深くなったエピソード。ディケンズってやっぱりすごいなと思った。
あえて残念なところをあげると、アグネスへの気持ちが友情から恋に変わる過程が雑に描かれているところ。他のディケンズ作品もそうだけど、恋愛描写は下手だと思う。 -
クリスマス・キャロル
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試し読み
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Posted by ブクログ
たまたま夫の書棚で第一巻を見つけて面白かったので、
続きを買いに書店にいったら、全5巻もあってびっくりしましたが、ようやく読破しました
デイヴィッド・コパフィールドの生涯を描いていますが、ディケンズ(1812-1870)自身も全著作の中で、最も気に入ってるらしく、自伝的要素の多い作品だそうです
それにしてもイギリスというところは、小公女やハリー・ポッターでもそうですが、
不遇な幼少時代の描写ときたら容赦ないですね
コパフィールドはユーモアと努力で苦難を乗り越え、
友情や愛に助けられて人生を切り開いていくのですが、
登場人物の善人も悪人も賢者も愚か者も、みな個性的で魅力的
19世紀に書かれたことを忘れそうになるくらい、親近感を抱いて、物語に感情移入してしまいます -
クリスマス・キャロル
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試し読み