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Posted by ブクログ
事象だけで言えば結局彼の手に残るものは何もなく、尚且つそれは読者の予想できうる範囲だったろうけども、主人公の生々しい心理の変遷、割り切れない感情が素晴らしくて一息に読んでしまった。
神の見えざる手という表現を聞いたことがあって、それは作者という神がストーリーに意味合いを与えるべく素晴らしい偶然や奇跡を主人公に落としていくことを表すのだけれど、仮にその手があったとしても主人公はついぞ神をちらと仰ぎ見ることもなくただ自分の人生を生きていた。
歩んでも歩んでも先行きの知れない人生を人生として生きている、その歩みは作者や読者の期待とに乱されることなく、彼だけのものだった。
Posted by ブクログ
下巻はマグウィッチがイギリスに戻ってきて、ピップを紳士にしたということがわかる。イギリスから逃げそこない、死刑宣告を受けるが怪我で死亡し、ピップはジョーの看病で一命を取り留める。そしてジョーがビディと結婚したその時にピップが二人に会い、東洋での会社の事務員として採用されて去っていく。ハヴィシャム家にいたステラと懐かしい家で出会って別れていく。いかにも小説ということである。これが名著になったのは、イギリスの当時の状況がわかるということであるし、わかりやすい小説で話がどんどん展開していくということで読者が好んだからであろう。映画になったのはわかる気がする。
Posted by ブクログ
マグウィッチのピップに再会した時の感極まる様子。階段を上がってきた時の気味悪さ。そして恩人である少年へのピュアな感謝の気持ちはなかなかのもの。当の本人はあまり有り難がってないが。その後は予想を覆すイッツアスモールワールドな展開。なかなかの話だ。弁護士が女中の手首をみんなに見せた意味不明のセクハラ行為が今さら伏線だったとわかると、まどろっこしい文章はこういう部分が不自然に目立たないようわざとグダグダ書いてたのかとさえ思う。後半まさかの切ない展開。ボート作戦は失敗し、ピップは借金を抱え、ハヴィシャムさんはいつの間にか亡くなり、ジョーとビディさんが結婚する。ジョーの鍛冶屋を手伝いながらビディさんと一緒になるつもりだったピップはハーバートの職場で事務員となりやがて共同経営者になる。ハヴィシャムさんの屋敷の跡地でエステラに再会するが、別れの言葉を交わして終わる。てっきり、お金は失ったけど幸せ、と言う展開かと思ってたから唖然。両親のこともエステラには話さないで終わるなんて。マグウィッチだけはエステラのことを聞いて亡くなっていったのが救い。この小説でなんの教訓を得れば良いのかはさっぱりわからない。とても幸せな人がいて(ジョー、ビディ、ハーバート、クレアラ、マグウィッチ...)、寂しく不幸な人がいる(ピップ、エステラ、ハヴィシャムさん)
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