吉上亮のレビュー一覧
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ネタバレ今作も、各人、独自の描き方で岸辺露伴を描き出していて、たしかな満足。
今作も、ばらっど先生は、原作にも劣らないバトルを繰り出していてくれて、良。
夕柳台も、奇妙さ、ホラー加減、岸辺露伴がバランスよく描けていて、とっても好みだった。宮本先生は、ゾンビに造詣が深いからか、モンスターゾンビっぽい(?)黒い猿の描写は真に迫ってました笑
吉上亮先生の『楽園の落穂』は……一編の短編ホラーとしては良かったかもしれないけど、ストーリーラインに、それこそ岸辺露伴が乗せられてる気がしたのがマイナスかな〜。あからさまにおかしいことがあっても、後回しにしたり、山を降りれないからと待つ人物じゃないと思うし……。一 -
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こちらもやはり面白かった。書き手の人たちはもしかして結構きちんと書ける人たちなのかな?
冒頭の短編のみ退屈でよく意味がわからなかった。なんなの箱って。なんで組み立てると中に入ることになるのか理論がない。単なる力技の設定をゴリ押しされている感じが非常にしんどい。短編の頭から無理やり過ぎる流れなのでちょっと嫌な予感がしていた。案の定だった。
麦の話、シンメトリーの話、住宅街の話はそれぞれおもしろかった。麦の話はトンデモ学説をジョジョに移植して壮大なホラ話にしているところが豪快でよい。考古学とか民俗学っぽい味付けとジョジョの相性のよさ!シンメトリーの話は物理的にではなく思想的に窮屈な空間の窮屈感がよ -
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Case.3・恩讐の彼方に―2116年に起きた東南アジア連合・SEAUnでの事件後、狡噛慎也は放浪の旅を続けていた。南アジアの小国で、狡噛は武装ゲリラに襲われている難民を乗せたバスを救う。その中には、テンジンと名乗るひとりの少女がいた。かたき討ちのために戦い方を学びたいと狡噛に懇願するテンジン。出口のない世界の縁辺で、復讐を望む少女と復讐を終えた男が見届ける、この世界の様相とは・・・。
密林では結構評価が割れていて驚きました。まあアニメ自体も続編に行くにつれて好みが分かれてきているし仕方ないのかも。私は普通に面白く読みました。というかここまでくるとキャラクターそれぞれに愛情があるので、その心 -
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サイコパスは劇場版未見(一作目はDVDで視聴)で本編視聴済み。ノベライズを手がける吉上さんのファンなので既読。
狡噛の魂の遍歴が綴られた読み応えある一冊。今回は共著ということだが、文体は吉上亮の色が強い。
チベットの習俗やオリエンタルな文化、猥雑な市場の活況、小仏塔や寺院、五色旗が翻る光景が巧みな筆致で描写され異国情緒満載。登場人物の心情も過不足なく掘り下げられて入っていきやすい。
ゲリラに殺された家族の復讐を目的に、狡噛に弟子入り志願する少女・テンジンの天真爛漫な朗らかさも可愛らしい。恋愛感情ではなく師弟愛、もしくは疑似家族に近い間柄。
劇場版を見てないと三期で唐突に出てきたフレデリカに「誰 -
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都知事狙撃事件の犯人と、その隠された秘密を追い求める主人公雨宮の前にある人物が立ちふさがる。その人物は、「真実はそれを構成する事実の組み合わせによっていくらでも変化する」と雨宮を惑わす。
しかし、彼は「最初から真実があるわけではない。…その真実へ向かおうとする意志こそが、人に正しい真実への道筋をもたらす」と、ひたすら真実を求めて疾走する。
都知事狙撃事件の犯人を追うサスペンス小説の体裁を取りながら、
ジャーナリズムの本分とは?
シリア内戦及び難民問題とは?
と著者は問いかける。
難民問題について
受け入れる政府もヒューマニティーからだけではなく、労働者として消費することで国家の利益に作り替え -
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先ごろ読んだ『サイレントマイノリティ難民調査官』に続き、難民がテーマの一つになっている長編サスペンス。
新潮文庫には珍しい文庫書下ろし。
いきなり、都知事狙撃事件から始まり、読者の心を掴み取る。
狙撃犯として逮捕された難民は、獄中死する。取材を重ねる新聞記者の主人公雨宮は、突然幕を下ろされたこの事件に、何か裏があると感じ、フリーとなって事件の真相を追い求める。
協力者を装う電話の主は、果たして何者なのか、味方かあるいは敵か。
真実を求め、再捜査を要求する雨宮の前には、刑事課ばかりか、公安部の女性係官も立ちふさがる。さらに様々な妨害で命の危険にも遭遇。
シリア内戦もファクターとなり、真相は何なの -
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ネタバレ目次
・公正的戦闘規範 藤井太洋
・仮想(おもかげ)の在処 伏見完
・南十字星 柴田勝家
・未明の晩餐 吉上亮
・にんげんのくに Le Milieu Humain 仁木稔
・ノット・ワンダフル・ワールズ 王城夕紀
・フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪 伴名練
・怠惰の大罪 長谷敏司
どの作品も伊藤計劃の気配を漂わせているけれど、特に濃厚なのは王城夕紀の作品(ハーモニーの世界観)と、伴名練の作品(屍者の帝国の世界観)。
この2作品は好きだなあ。
特に伴名練作品のナイチンゲールは夢に出てきそうなくらい恐ろしい。
単純な幸福はない。
幸福に正解はない。
けれどどの作品も屈託があり -
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著者・吉上亮の最新作『泥の銃弾』が激烈に面白かったので、過去の未読の作品である本書『生存賭博』を読んでみました。本書は、著者得意の近未来SFファンタジー・アドベンチャーですね。
50年前のある日、ドイツ中部の地方都市ミッターラントに月硝子(ディブーム)と呼ばれる怪物が出現。それ以来、同市内に隔離された下層階級の市民達は、市民の中から選抜された10人の戦士と旧市内に毎日定期的に出現する怪物・月硝子との戦いを50年間にわたり、外貨を獲得するためのギャンブル「生存賭博」として娯楽産業化しました。
賭の対象はどの戦士が最後まで生き残るかを競うもので、言うまでもなく最後の一人以外はすべて月硝子によって -
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ジョジョシリーズの岸辺露伴スピンオフ短編小説集第二弾。
あいかわらず露伴が自ら飛び込み、あるいは巻き込まれる形で怪異を体験する。他の人の感想でもあったが、作家によって露伴のキャラが微妙に変わるのもまた面白い。
「幸福の箱」
美術商は魅力的な箱と露伴を残し、部屋を出る。つい触れたとたんに箱は崩れ落ち……独身の露伴が結婚について少しだけ考える(笑)。美術商夫婦の奇妙な愛。
「夕柳台」
その住宅街はなぜ静かなのか。それは静かな世界を求めた老人たちの願望が異様な形で具現化したもの。展開はかなりマンガだけど(笑)、実際問題、若い世代との対立は常にある。
「シンメトリー・ルーム」
シンメトリーにとり -