あらすじ
【小説版登場!】杜王町在住の人気漫画家・岸辺露伴。自らの作品を読んでもらうためには一切の妥協を許さず、あらゆる犠牲も厭わない男が、見えざる引力に誘われてめぐり逢う、謎めいた怪異の数々とは……!? 大人気『岸辺露伴は動かない』シリーズ待望の短編小説集が、完全無比のクオリティで登場!! 『幸福の箱』『シンメトリー・ルーム』『夕柳台』に、書き下ろし『楽園の落穂』を加えた4つのストーリーを収録。
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Posted by ブクログ
毎回毎回、露伴はよく生き延びられるな…と感心させられます。全部面白かったですが、シンメトリールームにおいて、露伴がプロとして叱責するシーンは、なんでもかんでも興味のあることに首を突っ込んでピンチに陥る愉快な男が根本は人気漫画の連載を抱えるプロの漫画家岸辺露伴なのだと改めて認識できて好きだなぁと思います。
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『シンメトリー・ルーム』と『楽園の落穂』がとくに好き。後者はちょっとクトゥルフ神話を思い出した。何だかんだ言いつつ子どもに優しい露伴ちゃんも見れます。
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シンメトリーにしろ、小麦にしろ、物事を突き詰めた後の周囲への侵食というのはなぜ発生してしまうのか。他との境界線を越えるか超えないか、ただそれだけなのになぜ超えてしまうのか。結局のところ、仲間を増やしたいという欲求と他人より物事で優位に立ちたいという欲求が同時に発生してしまうところなのか。
どっちにしろ、好きなものは自分の中で留めておくのが平和である。
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岸辺露伴がさまざまな不可思議に出会う短編小説集、その2。
どの話も、アイデアの凄さに驚くばかり。それを踏まえても、露伴の頭の回転の速さも凄まじい。本当によく生きてるな…。
個人的には、シンメトリールームと楽園の落穂が好きでした。
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はー今回の話もとても楽しかった……。
やはり岸辺露伴シリーズどの作品も外れがない……最高……。
と言うわけで早くも2冊目です。
岸辺露伴、短編としても丁度いい長さなのでサクサク読めてしまいますね。というか「岸辺露伴今回は何やらかすんだろう」という気持ちが先走りすぎて早くページを捲りたくなっちゃうんですよね。
もはやこれだけ先を読みたくなるってこの本がもう奇妙な存在なのでは?と思ってしまうくらいなんですけど。
と言うわけで今回も簡単な感想を。
「幸福の箱」
知り合いである古美術商の家に招かれた岸辺露伴はそこで「幸福の箱」という謎の物体を見せられる。「幸福が詰まっている箱」という胡散臭さに初めは相手にしなかった露伴だが、ふいにその箱が崩れてしまう。慌てて元通りに組み立て始めた露伴だったが、突然部屋の中に幸福が次々に訪れ始める……。
何か、この話はあれですね、かつてのオカ板とかに長編で載ってそうな感じの話しですよね。
「箱を組み立てる」というワードからリンフォン思い出したからかもしれませんが。あの話は岸辺露伴に物凄く合いそうだよなぁ、うっかりやっちゃいそうだもんなぁ岸辺露伴。
とはいえこの話は……まぁある意味ではリンフォンのオチのようなものなのかもしれません。まぁ結局あれなのです、生きている人間ほど怖いものはないっていうね。
「夕栁台」
ある日公園でスケッチをしていた岸辺露伴は言葉を話さない不思議な少年と出会う。少年の母親曰く、夕柳台という土地に住んでいたときに「ニタニタ笑う猿」に襲われた恐怖で声が出なくなってしまったという。猿の正体を確かめるべく、岸辺露伴は夕柳台に向かうが……。
これもすっごく最近の都市伝説!って感じのする話でした。
最近って子どもが遊ぶとうるさいと苦情が入ったりとか、ちょっとでも騒音が鳴ると問題になったりとか、とにかくこう、ちょっと生きにくい部分がありますよね。そこに関する話なんですけど、うーんでも流石にここまで徹底されたら他の住人住めないだろ……あと誰か分からん墓に願ったらダメだよ、何が出てくるか分からないよ、実際やばいやつ出ちゃったしさ……。
露伴の力で自分達のしていたことが跳ね返るようになってしまった彼らは一体どうなったのでしょうか、まぁ選択肢はひとつしかないと思いますが。
「シンメトリー・ルーム」
とある大学に取材として訪れた岸辺露伴。何でもその大学の新校舎で学長が「アジの開き」のようになって死んだと言う。どんな奇妙な出来事が待っているのかとワクワクしながら向かった露伴だったが、そこで出会ったのは全てがシンメトリーになっている男だった。
この話ちょっと説明が難しいんだよなぁ……最初はヒトコワ系だなぁ?とか思いながら読み始めたんですけど、いやまさかそっちに持っていくの?いやまぁ確かに伏線はあったが?えっそうなの???となってしまう話。前の話もそうだったんだけど由来がよく分からないものを極度に崇めてはいけませんって事なのかもしれません。
それにしても岸辺露伴、化物と戦い馴れしすぎている……適応能力が高すぎる。
たまに「この人アホなんかなぁ」と思うのですが(嬉々として危機に飛び込んでいくので)流石人気漫画家、頭の回転は速いんだなぁ。
「楽園の落穂」
とある雑誌からグルメ漫画のオファーを受けた岸辺露伴。ネタに迷う露伴に編集者は「楽園の落穂」という特別な小麦を紹介する。その小麦は食べた者の体質を変え、何と小麦アレルギーすら克服することが出来るという……。
正直に言います。
こういう系の話ちょっと苦手なんで本当にちょっとずつ読みました。
だって怖いじゃん、スリラー系って言うの?何かよく分かんないものに追いかけられ続ける話怖いじゃん、読んでて疲れるし。
それにしてもこの「楽園の落穂」、恐らく発想は作中にも出てくるように生物を操るタイプのアレなんでしょうけど、もしも私達が普段食べているものにこんな恐ろしいものが混ざっていたら……と思うとゾッとしてしまいます。
そして完璧に退治したと思っても何故か生き残りがいるのもこのタイプの話のあるあるなんですよねーっていう。
さて。
今回も色々なタイプの話がありましたが、個人的には「幸福の箱」が一番好きだったかもしれません。
シンプルに化物が出てこない話っていうのもあるんですけど、何だろう……人間の愚かさみたいなのも同時に入ってる気がしたんですよね。
とりあえず思っていることは我慢せずに相手に伝えるのが大事だな、ってことで。
そして前々から思っていたけど岸辺露伴……世にも奇妙な物語のテーマソングとの親和性高すぎない……?
Posted by ブクログ
「幸福の箱」「夕柳台」「シンメトリー・ルーム」「楽園の落穂」を収録。
スタンドとは異なる奇怪な出来事に岸辺露伴が巻き込まれて、ヘブンズ・ドアーで解決していくという流れは変わらないが、出来事の内容やヘブンズ・ドアーでの解決法に色々と捻りがあるので、読んでいて飽きない。
解決法で面白かったのは「シンメトリー・ルーム」、恐ろしいと思った内容は「夕柳台」と「楽園の落穂」
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ジョジョの奇妙な冒険第四部に登場する人気漫画家・岸辺露伴を主人公にしたスピンオフ作品。どれもタイトルを見ただけで「あ、こんな話だったな~」と思い出せるくらい、時間が経っても印象深かった作品群。夕柳台が結構好き。
Posted by ブクログ
岸辺露伴、本当に色んなことに首を突っ込んでは死にかけるな、と……。たぶんその止められない好奇心が露伴のいいところなんだろうけど。
シンメトリー・ルームは打開策なさすぎない?本当に露伴死なない?と不安になった。最後の最後、結局なにしたらあの建築家は逮捕されるに至ったんだろ……と謎だった(たぶん私がちゃんと読み込めてないから)
楽園の落穂は珍しく子どもに優しい(?)露伴が見れて、「露伴も人間なんだなぁ!」って感想を抱いてしまった。まあ羊ちゃんに優しく(?)できたのも、楽園の落穂がヤバい代物で自分まで魅入られたら羊ちゃんが終わるってのと、自我を失っているはずの移季が羊に対して父親としての愛情で自分を取り戻した瞬間を見たからなんだろうな、と。そういうリスペクトができる露伴はとてもいい人だと思う。
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複数の作家による短編集。なかなか雰囲気が出ていてよかった。四編は先に進むほど好みだった。原作の独特のセリフ表現(太字になるとか大文字になるとか)を小説で再現しようとするとくどくなるのでバランスが大事。
・幸福の箱(北國ばらっど)
・有柳台(宮本深礼)
・シンメトリー・ルーム(北國ばらっど)
・楽園の落穂(吉上 亮)
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今作も、各人、独自の描き方で岸辺露伴を描き出していて、たしかな満足。
今作も、ばらっど先生は、原作にも劣らないバトルを繰り出していてくれて、良。
夕柳台も、奇妙さ、ホラー加減、岸辺露伴がバランスよく描けていて、とっても好みだった。宮本先生は、ゾンビに造詣が深いからか、モンスターゾンビっぽい(?)黒い猿の描写は真に迫ってました笑
吉上亮先生の『楽園の落穂』は……一編の短編ホラーとしては良かったかもしれないけど、ストーリーラインに、それこそ岸辺露伴が乗せられてる気がしたのがマイナスかな〜。あからさまにおかしいことがあっても、後回しにしたり、山を降りれないからと待つ人物じゃないと思うし……。一々の場面転換があるせいで、物語のスピード感もやや無いのも気になるところ……
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こちらもやはり面白かった。書き手の人たちはもしかして結構きちんと書ける人たちなのかな?
冒頭の短編のみ退屈でよく意味がわからなかった。なんなの箱って。なんで組み立てると中に入ることになるのか理論がない。単なる力技の設定をゴリ押しされている感じが非常にしんどい。短編の頭から無理やり過ぎる流れなのでちょっと嫌な予感がしていた。案の定だった。
麦の話、シンメトリーの話、住宅街の話はそれぞれおもしろかった。麦の話はトンデモ学説をジョジョに移植して壮大なホラ話にしているところが豪快でよい。考古学とか民俗学っぽい味付けとジョジョの相性のよさ!シンメトリーの話は物理的にではなく思想的に窮屈な空間の窮屈感がよく出ていて緊迫感があった。露伴の語るプロ論もなかなかのもの。住宅街の話はモンスター老人の集合的無意識が怪物を産んでしまうという構造の社会派っぽい問題意識がジョジョと絡んだのが新鮮だった。社会派のあり方が青臭過ぎるのはちょっと嫌だったが。
Posted by ブクログ
幸福の箱 北國ばらっど
夕柳台 宮本深礼
シンメトリー・ルーム 北國ばらっど
楽園の落穂 吉上亮
「岸辺露伴は叫ばない」が面白かったのでこちらも読んで見ました。
シンメトリー・ルーム かなり良いです。追い詰められている露伴の情景が目に浮かんできます
Posted by ブクログ
岸辺露伴とゆう強烈なキャラがいなければ物語はできなかったろうなあ。。。前巻に引き続き不思議な出来事が彼を襲う。ささっと読めたけど、実はこの作品を買ったのは昨年。それまでずーっとほっぽってました(..;)反省。。。漫画を知らない母に貸したら次の日に二巻とも読破して返ってきました。「面白いねー」と言ってたので本家、漫画版を貸したら、「絵があんまり好きくない。ごちゃごちゃしてて。。。」どうも母には合わなかったみたいです。他のJOJOシリーズも好きじゃないみたいです。。。あんなに面白いのに~!
Posted by ブクログ
ジョジョシリーズの岸辺露伴スピンオフ短編小説集第二弾。
あいかわらず露伴が自ら飛び込み、あるいは巻き込まれる形で怪異を体験する。他の人の感想でもあったが、作家によって露伴のキャラが微妙に変わるのもまた面白い。
「幸福の箱」
美術商は魅力的な箱と露伴を残し、部屋を出る。つい触れたとたんに箱は崩れ落ち……独身の露伴が結婚について少しだけ考える(笑)。美術商夫婦の奇妙な愛。
「夕柳台」
その住宅街はなぜ静かなのか。それは静かな世界を求めた老人たちの願望が異様な形で具現化したもの。展開はかなりマンガだけど(笑)、実際問題、若い世代との対立は常にある。
「シンメトリー・ルーム」
シンメトリーにとり憑かれた建築家と露伴の対決。この作品集では一番スリリングで面白かった。久々に命の危機的場面も。
「楽園の落穂」
究極の小麦を取材するため僻地を訪れた露伴と編集者親子。またもドタバタ展開なのだけど、小麦の正体がよくできている。こういうのありそうで怖い。
「~」や「!」などの記号の多用、カタカナ擬音、会話文などは前作同様マンガ的(ラノベだから)で、それに耐えられるかで向き不向きあると思う。
とはいえ、どの短編も想像力に富んでいる。たとえば「世にも奇妙な物語」などが好きな人にはオススメ。
Posted by ブクログ
岸部露伴の短編シリーズ第2弾。4作収録。
頭の中に漫画のコマが浮かぶシーンも多く、どの短編も独特でおもしろかった。
今作は人間の傲慢さや欲深さをテーマにした話が多く、同じく欲に素直ながら岸部露伴なりの善悪の考え方や姿勢が楽しめた。
岸部露伴の短編シリーズは、集合無意識や自然・災害系のスタンド能力による怪奇譚の物語が多いが、小説版はそれを踏まえてもどうしても荒木作品の色とはなにか違うと感じるものは残るが、全般として「岸部露伴らしさ」は強く、魅力的なキャラクターとして大切に描かれていて面白い。
Posted by ブクログ
既出の作品に書き下ろしの楽園の落穂が入っている。
小説と漫画の違いは、登場人物の心理描写や状況の説明を詳しく書ける所で、特に露伴の一人称の短編だとその利点が良く出ている。
Posted by ブクログ
なんやかんやでこのシリーズを読むのは三作目。今回の作品を執筆する作者さんたちはもはやお馴染み、といった感じで、安心して読む事ができた。
今作でいちばん面白かったのは「シンメトリー・ルーム」という作品。
とある大学の一室で学長が不審死を遂げる。その事故現場となった部屋が、なにからなにまで左右対称のシンメトリー・ルームで、、という展開のお話。
「ジョジョっぽく」ある必要はないわけだけど、それでもやっばり原作のテイストを感じさせてくれる作品の方が読んでいてワクワクする。そういう意味では、本作が一番ジョジョっぽくて面白かった。
全身シンメトリーの男とか荒木さんも好きそうだし、漫画にしたらどんな感じになるかな、なんて考えながら読んだ。
とはいえ他作品もクオリティが高く、とくに「楽園の落穂」という作品なんかは、漫画ではなく小説だからこその演出や面白さがあって楽しんで読めた。
というわけで⭐︎三つ。
Posted by ブクログ
「たしかに投げてやったからな!」
岸辺露伴の捻くれた性格が表現されていたり、
etc、etc。(エトセトラ、エトセトラ。)等、
原作漫画の台詞が使われていたりと、
岸辺露伴のキャラ性が強く感じられる1冊。
内容はスタンド要素もありつつ、引き込まれる
ようなホラー展開で、前作に引き続きここまで「岸辺露伴は動かない」の世界観を小説に
落とし込めるのかと、再び感銘を受けました。
漫画版の内容を思わせる台詞もあるため、
ジョジョ本編も含め、シリーズを通して読むと
より楽しめるかと思います。
Posted by ブクログ
岸辺露伴は動かないシリーズの第2弾。全4話からなる短編小説集。
「幸福の箱」:幸せになるために結婚したのに幸せの形は各々違う。結婚の理想と現実を極端に表現した1話。最終的な感想は露伴と右に同じく。
「夕柳台」:老害ここに極まる。自分と同じ意見の人の意見しか聞かないで自分が正しいと思う。いわゆるエコーチェンバーの極限。年寄りなのにみんな耳が遠くないのが地味にすごい。
「シンメトリー・ルーム」:エコーチェンバーの極限パート2。続編でシンメトリー教VSアシンメトリー教の話も読みたいと思った。
「楽園の落穂」:喰うものと喰われるものが逆転している恐怖の話。宇宙人とかAIに支配される話は目にするがまさか麦とは!!発想力に脱帽。
岸辺露伴は戯れなかった。第1弾と違い、今回は巻き込まれまくっていた。しかもヘブンズ・ドアーが効かないこともあり露伴の地頭の良さや柔らかさ、発想力、それを実行出来る行動力が出ていた。自らが体験しないとリアリティが出ない、全くその通りで、何事も経験とは言うがそれが人間そう易々と実行できない。それをやってすごい目に遭いながら自らの血となり肉として吸収する。そういう出来ないことをやる露伴が好きだ。
Posted by ブクログ
世界観も保ってたので、なかなか面白かったと思う。キャラクターありきなので、オリジナルだったらどう感じるかは別だけど。
・「幸福の箱」。キャラの表情まで想像できて面白かった。人間の狂気と愛。
・「夕柳台」。思い返してみると、あまり印象に残っていない。アクションのための設定という感じ。
・「シンメトリールーム」。これは引き込まれた。古代の神殿など、荒木飛呂彦っぽい要素がたくさん。部屋の脱出も、どうやって脱出するのか、最後まで楽しめた。これも人間の狂気を感じる。
・「楽園の落穂」。人間が自然を支配する、というキリスト教的概念の人と、科学に疎い人には衝撃の設定?ここに書かれていることは、本当のことでもある。突き詰めれば、生物は遺伝子の乗り物。
※元ネタは「ホモサピエンス全史」かもしれない。
Posted by ブクログ
オムニバス形式の短編集
「岸辺露伴は戯れない」☆平均2.5
=幸福の箱=
この作者は相変わらず比喩がテキトー。
つまらないのでは無く、くだらないストーリー。
作中に一つだけ興味をそそられた文章が有った。
「時間の無駄」。☆ゼロ。
=夕柳台=
不気味な謎解きにワクワクし、
中盤より少し後くらいまでは面白かった。
しかし、この結末には拍子抜けした。
襲撃者の本質を一切明らかにしないままなのが、
まず露伴にはあり得ない事。
敵が何者なのかも、阻止する方法も分からないのに
そこに住んでみたいなどど言うものか疑問が残る。☆1つ。
=シンメトリー・ルーム=
この作者で唯一読み応えのある作品。
愉快で痛快、言い得て妙な表現が小気味よい。
露伴シリーズ2冊を通し、
この作者が一番ジョジョ本編を理解している気がする。
漫画を読む時のスピード感が楽しめた。
余りに面白くて繰り返し3度も読んだ。☆5つ。
=楽園の落穂=
とても良質な作品。
しかし、お馴染みの奇妙な冒険ではなく、
原初の恐怖、重厚なホラーであるため、
露伴の世界観にそぐわない気がする。
だが、作品自体は大変面白い。
もっと別の形で、長編小説として読みたかった。☆4つ。
Posted by ブクログ
荒木飛呂彦先生の傑作コミック『ジョジョの奇妙な冒険 第四部』より、スピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』をノベライズした短編集第二弾。本巻には「幸福の箱」「シンメトリー・ルーム」「夕柳台」「楽園の落穂」の四作が収録されている。
ノベライズ版の詳細なレビューは『岸辺露伴は叫ばない』に書いたが、第一弾が純粋な怪奇現象(洒落怖作品や都市伝説のような)が扱われていたのに対し、第二弾では人間の心の闇、歪な欲求や傲慢さによって引き起こされる怪異が多い印象。コミック『岸辺露伴は動かない2』に収録されている「ザ・ラン」のように、人間の異常さが際だって描かれているように感じた(特に「シンメトリー・ルーム」に登場する建築家の偏執狂っぷりは、機会があれば荒木先生のキャラデザで見てみたい)。