畑村洋太郎のレビュー一覧
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ネタバレ数学の読み物としては異色といっていいと思います。なんせほとんど数式というものは出てこない。代わりに目につくのはゴシックの強調されたフレーズと絵。
数学といえば苦手科目の代名詞といっていいでしょう。数学にやられる原因は人それぞれですが、公式があれば解けるけど何をやっているのかよくわからないというモヤモヤ感に見に覚えのある人も多いはず。
そこで、本書はもっと意味、何をやっているのか、どういうことなのかっていうことを解説してくれる本です。数学でナゼこんなものを、といえば虚数ですが、それについても、複素数とあわせて一章ありますので、そこだけ読むとか、気になるところだけ読んでも大丈夫なオムニバス形式 -
Posted by ブクログ
組織やプロジェクトの失敗をどのようにリカバーするか。ということが書かれているのかと思って入手したのだが、そうではなかった。個人の内側の話。成功本では絶対に書かれないであろう「失敗を他人のせいにする」などある意味痛快である。
生き続けるために必要なことは何かを考えさせてくれる本。
P.60
何か失敗が起こると、必ずこの"正論"を振りかざして、失敗した人を責め立てる人が現れます。
しかし、こうした正論の通りに行動したところで、実際には失敗が完全に避けられることはほとんどありません。
なぜなら、こういう場合に使われる正論の多くは、きちんとした分析によって導かれたものでなく、たん -
Posted by ブクログ
失敗学のすすめで有名な畑村洋次郎先生。
某漫画で、金をかけて作ったものが良いモノとは限らないが、失敗を知って、それを乗り越えて作ったモノなら、それは良いものだ。とあるように、エンジニアリングには失敗が付きものであり、それを知見としてまとめ、今後に生かしていくことは極めて重要なプロセスである。
そんなのあたりまえで、一般論かつ理想論ではないかと反論するかもしれないが、実はこれを体系的に整理し、設計(保守)にフィードバックすることはなかなか難しい。
具体的な方法論は失敗学のすすめを読んでもらえば良いとしても、ここでは本書「未曾有と想定外」の書評を記す。
まず、筆者は未曾有という言葉を使い分け -
Posted by ブクログ
ネタバレ数学の雑学本.
それぞれの単元を習う前と習った後に一読したかったなとつくづく思う.
著者も述べているように読んだからと言って数学の点数が上がることはほとんどないだろう.逆に勉強をしない免罪符にもなりかねないような記述も多かった.
著者は数学が根本では好きだから,数学が嫌いな人や敬遠しがちな人が本書を読んでも,やはり数学というもののとっつきにくさは変わらないように思う.
本書を読んだだけではそこの壁はやはり越えれないように思う.
でも,個人的には数学は嫌いではないので読んでいて楽しかった.
虚数の名づけ方は自分自身の深慮のなさを思い知ったので良かった.
具体的なモノをまず考えるよう -
Posted by ブクログ
ネタバレ本文より・・・本当の意味で未来への不安に打ち勝つためには、やはり自分をおびやかしているものの正体をしっかり見極めることから始めなければなりません。正体がわかれば、対処の方法も生まれてくるはずです。・・・
私たちは、不安を感じながらも、不安の原因を直視することができない。試験の直前に部屋の片づけをはじめてしまうように、本当に対峙しなければならない問題を先送りし、些細な日常に埋没しようとする。そうすることで、不安の原因は積み重なって何処から手を付けたらよいか分からなくなってしまう。
確かに失敗を真摯に受け止め、活かしていくことは苦しい、しかし失敗の種を撒き、刈り取れない程伸びてしまうほど放置