畑村洋太郎のレビュー一覧
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「技術=知識やシステムを使いほかの人と関係しながら全体を作り上げていく力」と定義していますが、内容は通常の科学技術について書いてあります。
技術は伝えるものではなく伝わるものである。それには正しく伝わる素地を作っておかないとどんなに頑張っても無駄になる。マニュアルなどのツールは技術を伝えるには有効な手段だが、背景や暗黙知といった裏にある内容がきちんと伝わらなかったことで起こる問題とその対応で重要になる考え方が、実例や実際の事件等の実例を交えながら書かれています。
日本とヨーロッパの気候の違いに対応する過程の中で、「回転扉の重量は重くなると危険」という暗黙知が伝わらなかったことで怒った六 -
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[ 内容 ]
なぜ「わからない」のか、どうすれば「わかる」のか。
『失敗学』『直観でわかる数学』の著者によるまったく新しい知的生産の技術。
[ 目次 ]
第1章 「わかる」とは何か(「わかる」とはどういうことか 『直観でわかる数学』を書いた理由 学校の教科書や授業はなぜわかりにくいのか ほか)
第2章 自分の活動の中に「わかる」を取り込む(まず身につけておくべきもの 「わからない」けどつくりだす 自分でテンプレートをつくる)
第3章 「わかる」の積極的活用(「面白い話」をする人は何がどうちがうのか 絵を描くことの意味 「現地・現物・現人」が、わかるための基本 ほか)
[ POP ]
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Posted by ブクログ
『はじめに』
・私が長年考えてきたのは,「創造の方法」です.そしてその中から「失敗学」が生まれてきましたが,それは創造の過程で,失敗の扱いがいかに大切であるかに気付いたからです.ところがさらに考えを進めていくと,創造であれ失敗であれ,まず,事象をしっかりと理解することから始める必要がある.「わかる」仕組みをきちんと知っておくこと,積極的に利用することが創造や失敗を扱う上で大きなプラスになることがわかってきたのです.
『第1章 「わかる」とは何か』
・「わかる」とは何か?世の中のすべての事象は,いくつかの「要素」が「構造」を,「構造」が「全体構造」をつくりだしている.「全体構造」は何らかの「機 -
Posted by ブクログ
日々失敗の多い人生ですので題名が魅力的なものに感じ、本書を購入しました。
本書は失敗に学ぶことで本当に致命的な失敗を避けるようにする試みと、そうした学びを創造に活かそうとする方法論に関して記載した新書です。特に中盤の失敗から学ぶ方法論に関する記述が丁寧で、いわゆる「失敗学」のエッセンスを気軽に吸収できたと思います。後半の創造に関する話も、方法論をどの程度実施するべきなのかはさておき、心の持ちようとしては学べる部分もあると思います。
ただし本書は、記載されている方法論が抽象的であり、ちくまプリマー新書であることも考えるとさすがに文体の易しさと要求がアンマッチだと感じました。また、失敗から学