畑村洋太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「失敗学」の人、と思っていたけど、本書(震災の直後に発刊)に関しては、エッセイというか、地震津波についての小話集か。
防潮堤高のこと(6m位がいいとか)や、ボックス型の避難ボックスを400mおきに海岸に設けるとか(※海岸景観への配慮まるでなし)、あるいはスーパー堤防や大ダムの必要性をゲリラ豪雨と結び付けて説こうとするなど、一部に科学的な意味での怪しさもみられる。
ただところどころ考えさせられる記述も多く、ハードが備わる故のひとびとの危機感の薄れのことや、コンプライアンスとは法令遵守ではないということ等、印象に残った。
個人的には、様々なリスクファクターについて横断的に考察してみたいとも思 -
Posted by ブクログ
失敗学で有名な畑村洋太郎さんの本。
考えるとはどういうことか
考える力をつける準備
考える力をつける訓練
考えるを作る作業
考える力を高める
など考える力を要素分析しているので非常にわかりやすい
三現の重要性や知識は広く浅くよりも、狭く深くを意識して掘り下げたほうが横展開しやすいなど、実践から出た含蓄のある話が多かった。
特にAIの話で、AI搭載のミニカーに「衝突しないで走れ」と指令を与えても、最初はよく衝突をするようだが、うまく走れればプラス評価、衝突するとマイナス評価を与えているうちにジタバタしながらもAIは自ら学び、衝突せずにすいすいとコースを走るようになるという話があり、また一度 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新聞の書評欄にあり、「日本の技術は世界トップレベル」に疑問を呈しているところに興味があったので。
以下、気になった内容抜粋
・残念ながら日本の制度は、まだまだ遅れている部分があります。・・・完璧な状態が与えられることを与条件と考えて文句をいうことにエネルギーを注ぐよりも、遅れている部分や悪い部分の解決に力を注ぐほうがより建設的です。
・…目の前で起こっている事実を科学的に説明できる言葉を持っていることです…しかしすべての職人がこうした真のベテランではありません。実際の職人の仕事には、日本人でなくても三年くらいまじめに修業すればできるようになるという仕事が少なくありません。だから「日本の職人が -
Posted by ブクログ
「失敗学」という言葉を知ることになったのは、この本の著者の畑村氏のお蔭です。成功には様々な運がつきまとった結果だが、失敗には必ず原因があり、それを解決しないと、いつでも同じ失敗をすることになる、という考え方を上手に説明してくれていたのが、畑中氏でした。
この本は数か月前に読んだ本でしたが、当時の畑中氏の最新作でした。いまでも日本の技術力は凄いと褒めている本はありますが、この本では、「日本の生きる道」を示しています。
新しいものを普及させることで、多くの人が幸せになると思います。それを日本の技術が実現できるようになってもらいたいものですね。
以下は気になったポイントです。
・1995年以 -
Posted by ブクログ
六本木ヒルズの回転ドア事故や、JR福知山線の脱線事故、三菱自動車のリコール隠し問題など、じっさいに起こった事故や事件を例に取り上げて検討を加えた、失敗学のケース・スタディです。
前著『失敗学のすすめ』(講談社文庫)は、個人と組織の両方に渡って、「失敗学」の発想が語られていましたが、本書は組織の失敗についての検討が中心になっています。
さらに、JRの脱線事故で運転手が厳しいタイム・スケジュールに置かれていた背景には、駆け込み乗車をおこなうなど、自分本位な乗客の態度にも問題があったのではないかという指摘がなされており、「失敗学」の考え方が社会全体に浸透することで、より安全で暮らしやすい社会が実