ヤマシタトモコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恋愛とセックス。妄想と現実。
時が流れる残酷さ、またそこにある諦めと期待。
アンビバレントな雰囲気漂う短編10作品。
ヤマシタトモコ作品の
物語上の「現在」から手を離した瞬間
が、好き。そこに彼女のチカラを感じる。
それはふと妄想モードに入るとき。
それはふと昔や未来の自分やあの人を回想するとき。
一度「現在」を離れた視点は
空中を浮遊するような子気味の良いシニカルなモノローグと
テンポの良いコマ割りに乗って本編の時間軸とまた繋がる。
短編という手法の中でも説明的にならず
かつひとつの物語や人物として成立しているのは
そういう広がりを嫌み無く与えられているからだと思う。
「いつかあなたの不思議なおっぱい」は
妄想と現実と過去と未来をいったり来たり。
主人公はセックスに興じる今を享受しているが
でも未来への思いが「タバコ・禁煙」という
モチーフに乗せて語られる。
この妄想感というか変態感というか
「今」に諦めを持ちながらも
そんなに「今」の日々が嫌いじゃないというか
かといってアホみたいに「未来」に希望をもってるわけでもないし
ていうか「今」の自分つくったの「過去」のこういうあなただし
でもまぁいいかアハハ
みたいな感じってすごくヤマシタトモコだなぁと思う。
これは単に俺がいわゆる「恋愛モノ」が苦手だから
とかっていう話では無い。
気がする。
なんつって。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2012/05/06
【やや好き】短編集。 投稿作品&未発表作品を含む6編収録。 ダメ親に捨てられ天涯孤独な不幸設定はこの頃から十八番だったのか…とか、魔法使いや妖怪を登場させてた時もあったんだなぁ、へぇ~…とか思いながら読んだが、ヤマシタ節(とでも言ったらいいのか?)がちゃんとあって面白かった。 お気に入り→『サタニック・スイート』親に捨てられた娘が借金返済のために魔法を使って頑張る話。 『ねこぜの夜明け前』妖怪が見える男の友達は生まれた時から一緒にいる妖怪だけ。 怖くて寂しくて孤独で、だけど唯一の妖怪友達を紹介できる女の子と出会って喜ぶ話。 妖怪絵にレア度を感じて喜んだ(笑) 『MUD』Mな塾講師とSな女子高生の恋愛。 これから愛あるSMを目指すんですね、という話。 極端な妄想炸裂が映画ぽくて面白かった。 これくらい解りやすいと単純に楽しめるなー。 -
Posted by ブクログ
飲食店バイト×飲食店店長
30歳を過ぎて、何事も20代のころのような冒険はできず、危険を避けて無難に平和に生きてしまいがちな主人公。
そこに生意気なバイトが不遜な態度で恋愛感情を告白してきたから大変。
まさか男から告白されるとも思っていなかったし、それがそのバイトだというのも思いもよらずにアタフタ。
年上としての意地やプライド、男との恋愛という壁を感じながらもがく。
いつか読もう読もうと思っていた作者さんでしたが、とりあえずこの本のあらすじがピンときたので購入。
なんというんでしょう、一つ一つのコマや表情、何気ない台詞が重いんですね。
それぞれの「譲れないもの」「受け入れようとする気持ち」「それぞれの立場」「変わっていくもの」がサラっと描かれていて読んでてとてもきもちよかったです。
読み切りの「フォギー・シーン」もいいですよん。
同級生とか先生と生徒とかが好きな人はおすすめ。