山内マリコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ偶然見かけた行方不明者「アズミハルコ」のグラフィティを中心に、地方に住む"必要とされたい"人たちそれぞれを描いた話。
愛菜たちと春子たちの2つのパートがあったが、年齢が近いこともあり、私は春子の気持ちにとても共感した。
曽我氏との、あったかなかったかわからないような関係性が切れた時の無力感、そして無力感から来る喪失感。社会人になると、学生ほど良くも悪くも距離が近くなりづらい。普段はさほど気にならないが、ふとした拍子にすごく大きなダメージを与える。そんな普段言いえない気持ちがとても明確に描かれていたように思う。
愛菜と春子は全然違う性格だが、言葉を選ばずにいえば男に必要とされたいという点で共通していて、最終的に今井さんも含め女性たちで力強く生きていく描写が良かった。
また、最後の愛菜のセリフ「行方不明の女の子たちが、辛い目にあっているのではなく、ムカつく現実から逃げて、ヘラヘラ楽しく生きていることを祈った」というのが前向きな結びとなっていて、作者からのエールというか、この作品の核のメッセージじゃないかなと思った。
山内マリコさんの作品はこれで二作目だが、具体的な名称(「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」など)の使用、特に繊細な女性の心理描写、いわゆる"地方"に生きる人達の描写がすごくリアリティがあり、ページをめくる手が止まらなかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・離婚なんてダメだけど、でも離婚したいときにできるだけのものは、ちゃんと持っておかなきゃね
かわいい結婚はやすらかな絶望のなかにある
友だちと話すとき、結婚できるかどうかの話が挙がる機会が多くなった、体感。私たちはなんとなく、結婚=女の人の幸せという強迫観念にかられている。ある程度は憧れていて、ある程度は諦めている。
そういえば私が、中高かろうじて勉強をしていたのは、一人で生きていかなくてはならない、と思っていたからだった。かわいさは武器にならないから、私のことは私が養わなければならない。
これを言ったら笑われたけど、当時はとても本気だった。ネットではこういう女の子、何人かみかけた。可愛い顔なのに努力して勉強してる子意味わからんな、と思ってた。(ごめんなさい)
最近友だちがわたしは結婚できないと思うからいっしょに住もうと、酔って電話をかけてきた。結婚、そんなにいいものかしらという態度をとりつつ、結婚できそうだよねといわれると安心する。
私は私が幸せにしておきたいから、適度に散財しながら貯金するし、ごはんも作るし、ネイルもするし、嫌なことも必要ならしなけれゃならん。 -
Posted by ブクログ
曽我氏みたいな自分が傷つかないポジション取りをして会話する人いるよね…
春子がそれに屈しなかったときはスカッとしたけど、春子は恋人がいるというカードを手に入れるために曽我氏とデートするようになってしまうし、きっとそんなことも見透かされていて春子の方が立場が下。
最後のシスターフッド的な展開は、いや現実だとそんなうまくいくかなあとも思ったけど、それでも山内マリコさんは徹底的にわたしたちの味方なんだと思えて嬉しい。
少女ギャング団も可愛かったな。女子高生ってだけで楽しかったよね。普段は喋らないタイプの子ともなんでか一緒に遊ぶみたいなイベントがときどき発生して、普段は喋らないのに、なぜかそういうときは一致団結できちゃって、そういうことがまた楽しかったんだよなあ。
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Posted by ブクログ
ジャンプとマガジンとpspで育った人間が、決して逃れられないセンスのようなものが、いつのまにか自分の中に染み付いて、呪いのようにそこから出られない。
春子の話なんて誰も聞かない。春子が言わないから。
小さな毒を摂取してやりたくなったのだ。
あの日々は何だったんだろう。
あの人は誰だったんだろう。
似たり寄ったりな方向性のまちづくりや村おこしによって再び画一化されていく皮肉な展開
どの女の子も居場所がなくて寂しがって、どうしようもなくなってたけど、最後に女同士でつよく手を握り合ってた。
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アズミ・ハルコの表情は、昨日の夜と打って変わって、全然寂しそうじゃなかった。それどころかむしろ、キリッとして力強い、ちょっと生意気そうな顔に見えた。嫌なことを言われたら『うるせー』って言い返せる、タフな女の子に見えた。
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これは、最後の3人の晴れやかな心なんだろう。
山内さんの小説は、気怠い感じが漂うけど、一変して最後は清々しくなるものが多い。
テンプレートとして、弱者にされがちな女子を、全然そんなんじゃなくていいと引っ張りあげてくれるようだ。
男性が幼く描かれているのも、特徴なのかなぁ。