エミリー・ブロンテのレビュー一覧
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『嵐が丘』は、何冊かの訳書でトライしたが、そのつど挫折。
たぶん、わたしにするか、おれにするか、ぼくにするか、そこが気になったのかもしれない。わたくし、わたし、あたし、あたくしも同様。年齢や育ち、性格がそれを決める。私の場合は、最終的に河島弘美訳がはまって、念願の完読。訳文もわかりやすくてよかった。(年齢についてだが、ペンギン・ブックスの冒頭のGenealogical Tableには、登場人物の関係だけでなく、生没年月日も記されていて、very helpful。)
たんなる虚構ではない。場所や家も、そして人々も、個々の材料はエミリーのすぐそばにあった。それらをうまく採り入れつなげて、ひとつの物 -
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ついに読んだぞ、『嵐が丘』。毎回、勢いよく読み始めるのだが、途中でだれがだれかわからなくなり、挫折の繰り返し。
もともと、ミステリやホラー(ゴシックロマン?)の要素もあって、すぐはわからないように作ってある。なんたって、キャサリンが2人出てくるし、アーンショー家とリントン家が対称形でこんがらがるようにしてある。現在と過去の間の往来もある。謎解きと展開を楽しむ作品なのだ。
しかし、人間関係が理解できると、そこはエミリーのストーリーテリングの巧さ、一気に読める。完成品を姉と兄と妹(シャーロット、ブランウェル&アン)に読ませた時には、きっとドヤ顔だったに違いない。
思っていたほどには自然描写は出てこ -
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ネタバレ恋のから騒ぎの曲。
昼ドラ華の嵐。
上巻はストーリーが面白くて夢中で読んでいたが、下巻では登場人物が想像できない程に残酷で、続けて読む気がしなかった。
こんなに酷い人間を創造できる作者の女性が怖かった。
作者の父親はアイルランド出身で差別されていた。
閉鎖的な田舎で暮らしていた環境が残酷なキャラクターを生み出したのか。
ベルギーに留学しているので、視野は広げられたはず。
あとがきによると、同じ時代のジェインオースティンは、幸せに育てられて、その著書の内容にも反映されている。
環境と教育が大事。
ヒースクリフを親切で拾ってきたばっかりに、隣家も巻き込んで不幸の連鎖。
代々同じ環境で育つと、不 -
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ネタバレ以前から気になっていたけれど、モームの読書案内で取り上げられていたことに背中を押されて手に取りました。(三浦しをんの初期のエッセイでも紹介されていたような)
物語の舞台は200年以上前、重苦しい表紙をみて恐る恐る読み始めたけれど、作品の世界にどっぷり浸かってしまいました。
どの登場人物も安易に感情移入させない癖と強さを持ち、(こんなにたくさんの登場人物がいても好きと思える人がいない)ぎらぎらした感情表出やぶつかり合いに思わずひるんでしまう。
これは時代性なのか、国民性なのか、特異な気質なのか、とにかく馴染みがなくてしげしげと眺めてしまいます。
一方で、訳者の解説にもあるように、そこへユーモ -
購入済み
この緻密で酷薄で、これほどに情熱的な物語を、1800年代というだいぶ前の、田舎に住む、おそらくは人生経験も限られた二十代の女性が完成させたとはとても信じられません。
まさに唯一無二と言ってよいでしょう。
そしてこの激しい作品を完成させた女性は、人生に挫折し若くして逝去した実兄の後を追うように、三十歳で亡くなりました。常に毅然とし、作品へのどのような評価も聞き流していたといいます。
天国の眠りとしての成就でなく、迷える魂となって再び荒野を駆け巡りたい。
そう断言した著者を、心から敬服します。
翻訳者も、心底疲れたとあとがきに書いていましたが、著者の強くどこまでも深い魂に触れた、本当によい翻 -
Posted by ブクログ
解説をまだ読んでないので凡庸な感想かどうか分からないし、歴史的背景を調べてまで書こうとも思わない。だからいい加減で無責任である。
題名である嵐が丘と作者が名付けたのは、ヒースクリフの存在がアーンショウ家にとって大きな災厄をもたらす悪魔的存在の隠喩?(表現あってる?)からなのでだろうか。
私は本書をヒースクリフとキャサリンの悲劇的恋愛を主軸とした物語だとは思えなかった。それはヒースクリフに対して同情心を誘うような小説的技法が全くなかったからである。むしろ本書のメインテーマは悪魔的存在に囚われた一家数代の悲劇からその回復であると思えるのである。(異端的でも解釈は自由である)
ヒースクリフはキ