【感想・ネタバレ】嵐が丘(下)のレビュー

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Posted by ブクログ 2021年02月16日

愛か憎悪か。より深淵な感情が物語を衝き動かす。英国北部の広大な二大豪邸に道徳と教養を奪われた無法者が放たれる。禍いは明らかだ。自然美溢れる丘陵地帯を舞台に荒れ狂う魂が躍動する。獰猛な恋慕に終焉は無く、未だに奥底で燻り続けている。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年04月20日

上巻が重かっただけに下巻はキャサリンの娘キャシーの天真爛漫さに救われた
前半 ヒースクリフの息子リントン ロンドン育ちのせいなのか、マジか?!ってくらい、虚弱すぎる キャシーの方が数倍たくましい ほんとうにヒースクリフの実子か? やっぱり荒野で育った子達はたくましいw
中盤 リントンのキャラが、もう...続きを読む、ひ弱とかいうレベルじゃない 段々とギャグに思えてくる キャシーはこの小皇帝のどこがいいんだ リントンのキャシーへの独占欲の強さは父親譲りのようだ  
ネリーが仕えてるお嬢様に対しての口の利き方が乱暴すぎる 田舎のメイドだからなのか ずっと違和感があった
なぜ、父親がヒースクリフを下男として育てなかったかずっと疑問だったが、実はよそで産ませた子だったとの解釈あり なのでキャシー達と兄弟のように育てたという説を読んで納得できた 
ハッピーエンドだと聞いていたから、なんとか頑張って読んだ でなければ、とっくに挫折してたと思う
普段ロマ本に浸かっているせいか重厚な純文学に圧倒された 

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Posted by ブクログ 2013年05月24日

魂揺さぶる美しい散文たち。激しい愛と苦悩、美しい若い恋人たち。近代文学のスフィンクスと呼ばれるだけのことはある。久々に本当に読んでよかった一冊。

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Posted by ブクログ 2012年11月28日

ラストがやや弱いかなと感じたけど、ヒースクリフの執念に感服。
愛のための殺人は小説でよく題材にされるけれど、情熱的な愛と冷静な法的手段を併せ持ったヒースクリフこそ、完全な復讐鬼だと感じた。

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Posted by ブクログ 2012年09月07日

しばらく物語の世界から抜けられなかった。

"魂が一緒なの"
彼はわたしそのもの。
彼を失ってはわたしは不完全。
きっとその想いはヒースクリフもおなじ。

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Posted by ブクログ 2012年03月22日

嵐が丘と言えば、ロミオとジュリエットのような、お互いの家柄とか立場とか国境とかが壁になって、心やさしい男女が、相手を思いやりながらの恋愛小説と思ってました。完全なるロマンス。甘々。
それがまったく違ってて、苛烈極まる小説で、恋愛小説というよりもサスペンスホラーみたいな感じです。サスペンスはさておいて...続きを読む、ホラーです。

下巻の途中あたりからやっと、ヒースクリフが好気になりかけてきました。
視点が第三者という事がこの小説のいい所でもあり、主人公を好きになれない駄目な所でもあると思います。ヒースクリフ視点だったらもっと違っていて、彼を好きになれると思います。
家政婦から見たヒースクリフは極悪非道の男としか映りませんが、最後あたりに見せる、キャサリンの影を見つめるヒースクリフの傷のような愛情を感じ取る事が出来て、やっと気持ちが分かるようになったというか・・・。

とにかくこの小説は辛い、ほろ苦い、切ない。つんけんばっかりした人ばかりだから、素直になってしまえばいいのに・・・という場面が多々ありました。
どうしてこの小説が出版された時、厳しい評価を受けたのか分かりました。これはあまりにも過激過ぎた。

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Posted by ブクログ 2011年10月24日

この訳が良かったのか、大人になってから読んだからなのか、子どもの頃なんだかよくわからなかった「嵐が丘」という小説が、非常によくわかりました。
大キャサリンとヒースクリフの決定的な擦れ違いが悲劇を生んだのですね。しかも結局キャサリンは何が悪かったのか生涯分からないまま死んでしまったわけで……
それと、...続きを読む個人的にはネリーとヒースクリフの間にも、お互いにしか分からない奇妙な縁があったのだな、と思いました。

そして、この本を人に紹介する時は冗談めかして「リア充爆発しろと滅茶苦茶やった男が結局リア充に負ける小説だよ」とか言ってます。いやすいません。実際キャサリン・リントンとヘアトンが仲良くなっていってヒースクリフが心かき乱される終盤は笑うとこでもないのについニヤニヤしながら読んでました。ほんとすいません。

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Posted by ブクログ 2011年02月20日

下巻は親世代の三角関係がすこしずらした形で子世代に反復される。
ヒースクリフの悪辣ぶりには磨きがかかり、
家政婦ネリーの皮肉が冴えわたる。

それにしてもネリーはよくしゃべる。
要はおばさんの長話だというのに
これだけおもしろいなんて、もう反則である。

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Posted by ブクログ 2023年10月11日

ヒースクリフと二代目キャサリンがどうなったのか
が気になってサクサク読めた。
物語を色に例えるならダークグレーかな。
重苦しくて辛かった。
なにしろベートーベンが生きてた古い時代に書かれた物語だから読みにくそうなイメージだったが、翻訳がとても自然で読みやすくて有り難かった。
訳者は真剣にこの作品と向...続きを読むき合った結果、相当疲れたらしく、自分もただ読んだだけで…疲れた。

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Posted by ブクログ 2022年06月01日

ヒースクリフの復讐は次の世代をも巻き込んでいく。ネリーの語る回想は、冒頭で青年が見た光景まで進むが……。

恋愛を扱っているのに恋愛小説っぽくなく、むしろ不気味なサスペンスを感じる下巻。しかしヒースクリフとキャサリンの愛にはすさまじいものがあり、そこだけは素直に感動した。キャサリンの方は上巻で本音を...続きを読む語るシーンがあったのでわかるが、ヒースクリフを突き動かしているのは何だろう?単に愛情からくる復讐心、だけでは説明がつかない気がする。徐々に子どもたち3人の話に移っていくなか、彼の圧倒的な存在感はさらに増していく。そしてラストは……。

訳者の解説で補助が得られたものの、初見では深い理解には届かなかったかもしれない。ヒースクリフの復讐が達成されていく過程に目を奪われがちになる……と書かれてあるとおり、筋書きを追うのに夢中で、この小説の底にある強烈なエネルギーについては漠然と感じるだけで終わった。他訳にもいつか挑戦したい。

作中で都合よく人が死にすぎじゃね?と思ったが、エミリー・ブロンテの年譜を見て納得。本人も30歳の若さで亡くなっているし。没後何十年もたって評価されるとかつらすぎる。しかし今後も読み継がれる力を持つ名作だろう。

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Posted by ブクログ 2022年04月15日

文学史上に残る世界的な傑作……とされているが、個人的にはそこまで評価したいとは思わなかった。理解が難しいこともあるが、そもそも内容が暗すぎるのである。とくにヒースクリフは、いまでいう「サイコパス」としか思えない。屋敷を2つとも手中に収め、両家の家族をバラバラにしてしまうその様は、人こそ殺してはいない...続きを読むが、「北九州一家監禁殺人事件」「尼崎連続殺人事件」を想起させられた。むろん、内容が暗いからといって文学として質が低いということはないし、実際このような物語を着想することはすばらしいと思うが、とはいえやはり1人の読者として、積極的に評価したい気持にはなれなかった。最終的にキャシーとヘアトンが結ばれたことはよかったが、キャシーもまたさんざん悪態をついていたので、すなおに喜ぶ気にはなれない。とにかく登場人物の誰もが「イヤなヤツ」で、誰にも感情移入ができないのである。そういうなかで延延と恋愛要素を描かれてもしらけてしまう。作品の舞台同様に、まさに荒れ果てた大地のような小説である。

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Posted by ブクログ 2015年11月25日

私は『嵐が丘』というのは、イメージで恋愛ものだと思っていたけど、読んでみて要素はあるけど、とんでもない!復讐なのだ。

狭い世界で数人しか知らない中で暮らしている。そんな中での復讐劇。

最初の方で、家系図があり、なぜこの3人が一緒に暮らしているのか、とても疑問に思った。組み合わせがおかしいではない...続きを読むか?しかも、人間関係が最悪の状態なのだ。
いったい何があって、こんなことになっているのか?
その謎を家政婦ネリーの語る過去によってわかる構成になり、さらにその後が描かれている。

ヒースクリフはある出来事から憎しみや嫉妬を増幅させ、言葉の端々で、態度で、人をコントロールし、表に出し切っていく。みんなに感染する。

ブロンテ姉妹として取り上げられやすいので、比較されるのは嫌かもしれないが、姉のシャーロットの『ジェイン・エア』は何度も読みたくなると思えるけど、『嵐が丘』はもうごめん。どんどん読ませるので小説として面白かったのかもしれないけど、とてつもなく疲弊して爽快な気分にとてもなれないからだ。

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Posted by ブクログ 2013年02月15日

永遠に続く愛が困難なように、永遠に続く憎悪もまた困難である。人は生涯を憎しみで染め切れるほど強くはない。ヒースクリフは愛するが故に憎み、憎む事でまた愛情を確認する感情の永久機関を手にしたのだが、それは感情を向けるべき相手の死と折り合いをつけるための必然的産物だったのではないだろうか。「あたしは死しか...続きを読む感じもしなければ、見えもしないわ!死んだような気持ちよ」嵐が丘を染める感情の暴風雨が晴れたその先の風景は、やり切れない程の死の景色が広がっていた。著者が本作を刊行した翌年に病没してしまうことも、無関係ではない。

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Posted by ブクログ 2012年05月27日

■ほかの訳も読んでみないと最終的に結論を言うことはできないんだけど、でも、イメージしてたよりもずっと「恋愛モノ」じゃなかった。いま私たちが言うところの「恋愛」とは違う。さらに、キャサリンとヒースクリフの間には身分差があるけど、社会的な問題提起をした小説でもない。
■キャサリンとヒースクリフの「愛」っ...続きを読むて、小学低学年ごろから二人で冒険や悪戯をしてきて、「こいつとは、同じことを同じように楽しめるし、同じことを嫌悪できる」っていう、ほんと「一体感」。この感じって、いわゆる恋愛とは違う。この二人の会話シーンも大人になってからも全然艶っぽくない。キャサリンが出産してそのまま死んじゃう前日まで、怒鳴りあってるし(笑)。
お互いにお互いが孤独にならないための最高の「伴侶」なんだけど、でも「ベターハーフ」ではない感じ。 生活とか社会とかそういうものの上にうまく乗らない。キャサリンの結婚相手の選択は順当だったのは確かなんだよね。ヒースクリフとキャサリンが結婚しても、のたれ死にそう。
■私はこの物語って、閉じこもり気味の生涯独身の女性が、想像力(妄想力?)だけで描いた、恋愛ドロドロ劇…なのかと思い込んでたんです。でも違った。 これはむしろ恋愛(性愛)経験少ない人だからこそ描けるお話だ…。
■あと、最後まで読んでみてはじめて、ケイトブッシュの同名曲がほんとに名作だとわかった。小説ではわれわれは語り手のネリーの主観からキャサリンとヒースクリフをうかがい知ることができない。(だからこそ、二人の絆が強調される)けど、この曲の歌詞はヒースクリフの目に映るキャサリンなんですよね。小説では入れなかった二人の世界に踏み込めるワクワク感とか感動があるんだ…と、ハラに落ちた気持ち。

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Posted by ブクログ 2011年09月20日

暴君ヒースクリフ怖ー。でも閉ざされた環境でこんなに複雑で憎しみに満ちた人間関係が、ある程度すっきりと終わった事に感動。
登場人物全員が生き生きと描かれてる。

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Posted by ブクログ 2023年12月16日

狭い世界の中で、少ない登場人物たちがぎゅうぎゅうにせめぎ合っている。大自然にかこまれていながら不自然な環境。代々狭い人間関係で遺伝的な病もありそう…など無駄な想像か。誰が主人公とも言えず、誰も客観性を持ちあわせない、個と個の闘争。愛情にせよ復讐にせよ、何十年と熱意を持ち続けるのはものすごいエネルギー...続きを読む。読む側も覚悟がいる。

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Posted by ブクログ 2022年01月20日

たまたま機会があってこの本を読み始めた
名作とのこと
よくわからないまま読み終えた
誰が主人公なのだろう
何故そこまで
何故死を迎えた
読み方が不足しているのだろうか
外国文学はなかなかしっくりいかないことが多く、幼い頃は多数読んでいたが最近はずっと縁遠かった
また暫く読まないかもしれない

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Posted by ブクログ 2021年09月13日

怒号や非難の応酬が飛び交う物語はまるで任侠映画だが主人公達は義理も人情もなくひたすら自己憐憫や恨みをぶちまける。突き抜けた自由さがこの小説の魅力の一つかもしれない。出生故とは言え異常に経済観念の発達したせこい復讐が長々と続き、アッシャー家の崩壊のような終わり方になるのかと思っていたところ、頑丈な彼が...続きを読む唐突に亡くなったと知らされるいよいよ終わりの部分で物語の雰囲気が切り替わった。次の世代では、負の感情が集約されたリントンが夭逝、つらい経験を経た、欠点もあるが優しい性格の2人が、復讐の呪いを振り切る結末は、それまでの話が暗かった分、大いに爽やかで心温まる読後感で、推理小説の意外な犯人がわかったようなカタルシス。

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Posted by ブクログ 2019年09月29日

ヒースクリフがイザベラを含めたリントン家での平和をかき乱し始める所からの下巻。
ストーリーの大筋はヒースクリフのキャサリン(母)との恋愛と破局、その復讐の物語だが、聞き手となるロックウッドか家政婦ネリーから聞く形式となっており、このネリーがいかにも偏見を持った語り口なのでその内容を鵜呑みにできずに読...続きを読むむという状況を作っているところが読者の想像力を要求しており面白い。故に読み手の考え次第では評価は大いに分かれそうです。
終盤でロックウッドが聞き手から物語に参加する可能性が示されたときは少しときめいたが、残念ながら空白の数カ月は意外な方向に展開して、しかも主人公とも言うべきヒースクリフの死が予告され困惑する。読み終えて考えるに1番座りのよいところに落ち着いた印象もあるが、亡霊に取り憑かれて絶食して死するヒースクリフの末路は強靭な肉体と精神を宿す者のはずなのに納得がいかない。
とはいえ何か余韻の残る読み応えのある作品と感じるのは巧みな描写、繊細な感情表現、時代を感じる設定などを味わえたことです。1847年作品とのことで、その当時を体感できる感覚は古い小説の味わいですね。

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Posted by ブクログ 2017年05月21日

途中で二代目のキャシーやリントンの振る舞いに辟易してしまい、読み続けるのがしんどくなったが……

それぞれに自分の境遇に対する不満や、それに伴う自己正当化があるのだろう。それをもとに展開される発言は、読み手に媚びずに登場人物たちを存在させる。(自分勝手で意地汚くて、結構ストレスにはなるけれど…) 人...続きを読むが人らしいのは、見られているという意識が感じられないからではないか。

はっとするほど印象的な、活き活きとした場面がある。多くはヒースクリフの熱のこもった多弁さが披露される時だ。この作品には、手放しで尊敬できたり好きになったりする好人物というのは存在しないが、すべての人物の運命を貫くヒースクリフが、やはり一番存在感がある。

結末にヒースクリフの血は残らない。幸福は彼を必要としなかった。同情の余地はないものの、さみしい。

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Posted by ブクログ 2016年07月02日

人間の心の底のマグマが描かれてはいる。ただやはり解説の内容から忖度しても、それは母国語で読んでこそ伝わってくるマグマであり迫力なのかもしれない。

非常にこなれた訳で読み易くはあるが、まどろっこしく無駄なセンテンスも多くあると感じてしまうのは、私だけだろうか…?傑作と呼ばれる小説ほど、長編であっても...続きを読む無駄なセンテンスが一切無く、繰り返し読めば読むほどに「この箇所はこういう意味、役割を担っていたのだなぁ…」といった発見があるものだ。
そして何より、初回に読み終わった時の衝撃といったら、計り知れないものがある。

そうした衝撃は、あまり感じなかった。

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Posted by ブクログ 2014年04月20日

社会生活を送る上で普通の感覚の人間なら隠そうとする部分を全てさらけ出してぶつけ合う人間達の物語、という印象を受けた。意外なハッピーエンド。

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Posted by ブクログ 2013年08月03日

英文学の講義を取っている。課題その2。

『嵐が丘』は子供向けにリライトされたものを読んだことがあって、キャサリンとヒースクリフの恋愛小説だとずっと思っていた。
のだが。
これ、恋愛小説?
二人の間にロマンティックな感情が介在するようにはとても思えないのだけど。いや、確かに強靭な絆は存在していて、二...続きを読む人は互いに互いの片割れという唯一無二の存在なのだが、その関係性が「あらかじめ与えられている」ように見える。いつから、なぜ、彼らがこれほど強く結びつくようになったのかが全く不明なのだ。恋愛小説の重要なファクタとして恋人たちの関係性の発展を描くという面があるはずなのに、そこんとこはまるっとすっぽ抜けている。常人の理解を超えてどこまでも惹かれ合うキャサリンとヒースクリフは、なんだか人間のように思えなかった。

さて、一旦気づいてしまうと、ほとんどすべての登場人物が人間とはかけ離れた動きをしているような気がしてきて困る。聞くところによると、『嵐が丘』は登場人物の誰にも感情移入できない名作として名高いらしい。それも頷ける。これでもかとばかりに強烈な喜びや憎しみが描かれるのに、その感情の発生メカニズムがほとんど見えてこないのが不気味でならない。奇妙な隔絶感をずっと感じていた。

下巻に入ると、第二世代が登場する。第一世代と同じ名前と気性を受け継いだ子どもたち。相変わらず行動原理がよく分からないままに愛し合い、憎み合う。与えられた人格が永遠に固定している。持ち主のいない激情の塊がただ飛び交う様を見せられているようで、だんだんと当てられてくる。疲労困憊しつつ終わりを見届けた。


私には最後まで、ヒースクリフのことが分からなかった。ただ何か大きな恐ろしいものが滅びるのを見た。

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Posted by ブクログ 2010年08月17日

ヨークシャの荒野に立つ屋敷「嵐が丘」。その主人が連れ帰ったヒースクリフは、屋敷の娘キャサリンに恋をする。しかしキャサリンは隣家の息子エドガーと結婚し、ヒースクリフは失意の中失踪する。数年後、莫大な財産を手に戻ってきた彼はキャサリンの兄ヒンドリーから全てを奪い取りエドガーの妹イザベラと結婚。ところがキ...続きを読むャサリンは精神の病にかかり、娘を産んだ後死んでしまう。ヒースクリフの復讐は後世にも続き・・・。

読後の後の気持ちを一言で表すなら、多分「疲れた・・・」だと思う(苦笑)訳者さんも後書きで訳すのがとても疲れる作品だと言っておられるが、この気迫と魂のこもった作品を、よくここまで訳してくれたなぁという気持ちです。キャサリンもヒースクリフも、結局は互いへの愛に縛られていたのかなと感じました。寄り添って歩むことはできなかったけれど、その愛だけを一心に見つめて生きたことはある意味本人には不幸でも幸せな人生だったのかもしれない。続く世代の幸せな風景を読んで、初めてそう思えました。過去に読んだけど、どうも堅い上に読みづらくて挫折した記憶の「嵐が丘」でしたが、トワイラをきっかけに読み直そうと考え、そして思ったよりはるかにすっと読めたのはやっぱり新訳の力が大きいと思う。感謝!

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