【感想・ネタバレ】嵐が丘(下)のレビュー

あらすじ

ヒースクリフはリントン家の娘イザベラを誘惑し結婚する。一方、キャサリンは錯乱の末、娘を出産して息絶える。キャサリンの兄ヒンドリーもヒースクリフに全財産を奪われてしまう。ついに嵐が丘を我が物としたヒースクリフだが、その復讐の手は次の世代へとのばされていく――“究極の恋愛小説”というイメージを超えて、その奥底に潜む著者の熾烈かつ強靱な精神のエネルギーを浮き彫りに。英文学史に屹立する傑作、ついに完結!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻が重かっただけに下巻はキャサリンの娘キャシーの天真爛漫さに救われた
前半 ヒースクリフの息子リントン ロンドン育ちのせいなのか、マジか?!ってくらい、虚弱すぎる キャシーの方が数倍たくましい ほんとうにヒースクリフの実子か? やっぱり荒野で育った子達はたくましいw
中盤 リントンのキャラが、もう、ひ弱とかいうレベルじゃない 段々とギャグに思えてくる キャシーはこの小皇帝のどこがいいんだ リントンのキャシーへの独占欲の強さは父親譲りのようだ  
ネリーが仕えてるお嬢様に対しての口の利き方が乱暴すぎる 田舎のメイドだからなのか ずっと違和感があった
なぜ、父親がヒースクリフを下男として育てなかったかずっと疑問だったが、実はよそで産ませた子だったとの解釈あり なのでキャシー達と兄弟のように育てたという説を読んで納得できた 
ハッピーエンドだと聞いていたから、なんとか頑張って読んだ でなければ、とっくに挫折してたと思う
普段ロマ本に浸かっているせいか重厚な純文学に圧倒された 

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2016年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この訳が良かったのか、大人になってから読んだからなのか、子どもの頃なんだかよくわからなかった「嵐が丘」という小説が、非常によくわかりました。
大キャサリンとヒースクリフの決定的な擦れ違いが悲劇を生んだのですね。しかも結局キャサリンは何が悪かったのか生涯分からないまま死んでしまったわけで……
それと、個人的にはネリーとヒースクリフの間にも、お互いにしか分からない奇妙な縁があったのだな、と思いました。

そして、この本を人に紹介する時は冗談めかして「リア充爆発しろと滅茶苦茶やった男が結局リア充に負ける小説だよ」とか言ってます。いやすいません。実際キャサリン・リントンとヘアトンが仲良くなっていってヒースクリフが心かき乱される終盤は笑うとこでもないのについニヤニヤしながら読んでました。ほんとすいません。

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2011年10月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルだけは知っていた古典作品を読むシリーズ。身分の違いに引き裂かれた恋に対する復讐の裏で生き続ける純粋な愛の話。かもしれないし精神的に不安定な一族とそこに訪れる外部の人間との交わらない生の模様なのかもしれず、荒野に佇む幽霊の話なのかもしれない。多様な側面がある物語。

舞台となるヨークシャーの寒村にある嵐が丘、スラッシュクロス、アーンショウ家、リントン家と家の外からやってくるヒースクリフ、ネリーをはじめとした使用人達。そして訪問者のロックウッド。一人もまともな奴がいない。あえていうならネリーが常識人に近いと言えるか。そのネリーは単なる善良な平民ではなく、物語世界を解釈して語る物語の進行者である。
ネリーによって語られる物語は恐ろしくも哀しいヒースクリフの復讐劇とその背景にある何人も立ち入ることのできないヒースクリフとキャサリンの間の絆。本当にネリーの語る物語としてのヒースクリフとキャサリンの言葉の通りに絆が存在したのか。それはわからない。それでも幽霊としてロックウッドやそこに住む人たちに現れるのであればその思いは確かに存在したのだろう。そして荒野の墓地はまだその余韻を響かせている。

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2024年11月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ヒースクリフの執念、どこから湧いてくるのだろうと理解できないまま読み進めた。
最後の最後でそれまでにキャサリンの事を愛していたのかと、やっと少し腑に落ちた。
キャサリンの気持ちはどこにあったのだろうか。ヒースクリフとキャサリンの幸せはどこにあったのだろうか。

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2024年08月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

文学史上に残る世界的な傑作……とされているが、個人的にはそこまで評価したいとは思わなかった。理解が難しいこともあるが、そもそも内容が暗すぎるのである。とくにヒースクリフは、いまでいう「サイコパス」としか思えない。屋敷を2つとも手中に収め、両家の家族をバラバラにしてしまうその様は、人こそ殺してはいないが、「北九州一家監禁殺人事件」「尼崎連続殺人事件」を想起させられた。むろん、内容が暗いからといって文学として質が低いということはないし、実際このような物語を着想することはすばらしいと思うが、とはいえやはり1人の読者として、積極的に評価したい気持にはなれなかった。最終的にキャシーとヘアトンが結ばれたことはよかったが、キャシーもまたさんざん悪態をついていたので、すなおに喜ぶ気にはなれない。とにかく登場人物の誰もが「イヤなヤツ」で、誰にも感情移入ができないのである。そういうなかで延延と恋愛要素を描かれてもしらけてしまう。作品の舞台同様に、まさに荒れ果てた大地のような小説である。

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2022年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

■ほかの訳も読んでみないと最終的に結論を言うことはできないんだけど、でも、イメージしてたよりもずっと「恋愛モノ」じゃなかった。いま私たちが言うところの「恋愛」とは違う。さらに、キャサリンとヒースクリフの間には身分差があるけど、社会的な問題提起をした小説でもない。
■キャサリンとヒースクリフの「愛」って、小学低学年ごろから二人で冒険や悪戯をしてきて、「こいつとは、同じことを同じように楽しめるし、同じことを嫌悪できる」っていう、ほんと「一体感」。この感じって、いわゆる恋愛とは違う。この二人の会話シーンも大人になってからも全然艶っぽくない。キャサリンが出産してそのまま死んじゃう前日まで、怒鳴りあってるし(笑)。
お互いにお互いが孤独にならないための最高の「伴侶」なんだけど、でも「ベターハーフ」ではない感じ。 生活とか社会とかそういうものの上にうまく乗らない。キャサリンの結婚相手の選択は順当だったのは確かなんだよね。ヒースクリフとキャサリンが結婚しても、のたれ死にそう。
■私はこの物語って、閉じこもり気味の生涯独身の女性が、想像力(妄想力?)だけで描いた、恋愛ドロドロ劇…なのかと思い込んでたんです。でも違った。 これはむしろ恋愛(性愛)経験少ない人だからこそ描けるお話だ…。
■あと、最後まで読んでみてはじめて、ケイトブッシュの同名曲がほんとに名作だとわかった。小説ではわれわれは語り手のネリーの主観からキャサリンとヒースクリフをうかがい知ることができない。(だからこそ、二人の絆が強調される)けど、この曲の歌詞はヒースクリフの目に映るキャサリンなんですよね。小説では入れなかった二人の世界に踏み込めるワクワク感とか感動があるんだ…と、ハラに落ちた気持ち。

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2012年05月27日

Posted by ブクログ

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閉鎖的な場所でアルバイトをしたことを思い出しました。
嵐が丘でロンドンから来た人がさっさと去って行くように、新しい人はすぐに辞めて行きます。
残るのは、この環境が普通と思える人だけ。ずっと不満を言い続けてるが、他に行ける所が無いので辞めない人達。同じカラーの人達。
去年と全く同じことを毎年してる。
だから、今の経営状況。
環境と教育とお金の余裕は大事。

仕事の遅い社員と2人体制だったので、パートの私の方に皺寄せが来て迷惑だった。
勤務実態調査が時間記入のみ。
100の仕事量を1時間で出来る人もいれば、10時間かかる人もいる。
仕事量の記入欄は無かった。
なので、仕事が遅い人は仕事量が多いと思われてた。
変な人、会社には関わらない。
くわばらくわばら。
住む世界が違う。

元はと言えば、その社員、病気で美人のキャサリンが手一杯だったから、私が手伝いますって言ってしまった事。看病まで私の仕事。
余計な親切心のせい。
他人の仕事は他人が処理することであって、私の仕事では無い。
自分の円の中だけに集中。
余計な手助け不要。

美人だからってキャサリンと自分が結婚してたらとか考えたらダメよ、ロンドンの旦那!

嵐が丘、ちょうどハロウィンに読む恐怖の物語でした。次はフランケンシュタイン読みたい。

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2025年10月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2025/2/7-2/9

うーん、1巻は面白かったけど、この巻は途中からは面白いと思えなかったな

ヒースクリフとキャシーの恋愛は良かったけど、その子供世代のリントンとキャシーの恋愛は、いらないかなぁ。冗長な気がした

ヒースクリフの生涯を語る上で必要だろうって言うのはわかるんだけど、子どもの恋愛を見せられても、感動はしない。最後ヘアトンに心変わりしてるし(これは親たちのしがらみなしで彼女たちが初めて純粋な恋愛をして、これが実は親ヒースクリフとキャシーの恋愛の形に1番似てて、、っていうのは分かるけど)

リントンは依存しすぎだし、キャシーも依存してて共依存の関係は見てられない。共依存の話は読んでいても辛くなるだけで面白くない。リントンは嵐が丘に行って性格がすごく悪くなっているし、横着だし、キャシーも生意気だし、キャラクターとしての魅力を何も感じない

前半の親ヒースクリフとキャシーの恋愛はすごく良かった。また再会できて本当に良かったと思う。キャサリンとエドガーの娘キャシーを養うヒースクリフはスネイプ先生的立ち位置ってことだよね、、辛いな。でも途中からは全く共感できないDV男になってしまった。。

こんな感じで、ネリー以外の登場人物には共感できないんだけど、不思議と読み続けることが出来る。語り手がいない文学はそれでさもありなんみたいな状態で、当たり前に物語が展開していくけど、今回はネリーの一歩引いた冷めた視点があるからこそ、いいのかもしれない。「うん、やっぱりこの状況はおかしいよな」というフラストレーションをネリーを通じて発散できるから。だからいわゆる「不倫」というテーマでも共感できるし、応援できる(私は語り手がいない文学での不倫に対しては、共感できないどころか嫌悪感すら感じたから、、)。キャシーとヒースクリフの心の動きがよくわかる。

まとめると、語りの技法がすごく好きだった、秀逸だった、ヒースクリフとキャシーの恋愛もとても良かった。でもさすがに冗長すぎた。子どもたちの恋愛はいらなかった。。下巻途中から読まなくても良かったかな。

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2025年02月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

途中で二代目のキャシーやリントンの振る舞いに辟易してしまい、読み続けるのがしんどくなったが……

それぞれに自分の境遇に対する不満や、それに伴う自己正当化があるのだろう。それをもとに展開される発言は、読み手に媚びずに登場人物たちを存在させる。(自分勝手で意地汚くて、結構ストレスにはなるけれど…) 人が人らしいのは、見られているという意識が感じられないからではないか。

はっとするほど印象的な、活き活きとした場面がある。多くはヒースクリフの熱のこもった多弁さが披露される時だ。この作品には、手放しで尊敬できたり好きになったりする好人物というのは存在しないが、すべての人物の運命を貫くヒースクリフが、やはり一番存在感がある。

結末にヒースクリフの血は残らない。幸福は彼を必要としなかった。同情の余地はないものの、さみしい。

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2017年05月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

社会生活を送る上で普通の感覚の人間なら隠そうとする部分を全てさらけ出してぶつけ合う人間達の物語、という印象を受けた。意外なハッピーエンド。

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2014年04月20日

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