エミリー・ブロンテのレビュー一覧

  • 嵐が丘 上

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    有名な小説なので、以前読んだと思っていたのは抄訳だったのかもしれない。ロックウッドが手伝のディーンからヒースクリフに関係する人々の話しを聞く、というスタイルの小説である。抄訳では、ロックウッドがディーンから話しを聞くスタイルが割愛され、ヒースクリフだけの話になっていたと思う。イギリスの屋敷についての何の知識がない人でも、翻訳ではわかり易いが、英語で読むのは難しいと思う。

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    2021年04月12日
  • 嵐が丘(下)

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    愛か憎悪か。より深淵な感情が物語を衝き動かす。英国北部の広大な二大豪邸に道徳と教養を奪われた無法者が放たれる。禍いは明らかだ。自然美溢れる丘陵地帯を舞台に荒れ狂う魂が躍動する。獰猛な恋慕に終焉は無く、未だに奥底で燻り続けている。

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    2021年02月16日
  • 嵐が丘

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    ネタバレ

    ヒースクリフとキャサリンの悲恋。ヘアトンとキャサリン・Rの恋。第1世代は、身分・教養・性・(身体)の柵を乗り越える事ができなかった。「(略)1人の人間の中に二つの真実がある。第一の真実は二つ目の真実の圧力に耐えきれない-戦争は女の顔をしていない-スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチ-」幸か不幸か、ヒースクリフの嵐のような復讐がありえたはずの身分の柵を完全に破壊し尽くした。そして、教養の柵をキャサリン・Rが乗り越え、ヘアトンが性の柵に無視を決め込んだことで、恋が成就する事になる。二人の恋の成就は、復讐の因果に囚われたヒースを救済した。現世の恋は悲恋で幕を下ろしたヒースとキャサリン。ヒースクリフの死

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    2021年02月11日
  • 嵐が丘 上

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    ネタバレ

     19cイギリスヴィクトリア朝の小説。
     作者は有名作家三姉妹の次女、エミリー・ブロンテ。ヴィクトリア朝の小説は、栄華を極めたように見えるヴィクトリア朝期イギリスの水面下の社会問題に気付かせるためのものが多い。
     この小説の特徴は、初期の心理小説、情熱の小説(ヒースクリフとキャシーの関係)、ヨークシャーの田舎の荒涼とした丘陵地帯という舞台設定、一人称の語りである。他にも18cイギリスで流行った、恐怖による感情の揺さぶりを目指した「ゴシック小説」的要素を持つ。ゴシック要素に関しては下巻のレビューで触れたい。
     この作品の簡単な説明としては、スラッシュクロス屋敷と嵐が丘という屋敷に住むリントン家、

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    2021年02月05日
  • 嵐が丘 下

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    ヒースクリフの最期は全く想像していなかった
    負の感情だけでここまで面白くなる小説は稀有 バッドエンドかと言われると全然そんなことはないから後味も良い 何もかも面白かった

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    2018年02月11日
  • 嵐が丘 下

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    ネタバレ

    この小説の素晴らしいところをわたしなりに3つあげてみよう。

    ひとつ、設定が優れてよい。物語の舞台となるのは、ヒースクリフ咲く丘の一件の屋敷。その丘は遮るものがなにもないために、一年中強い強い風が吹く。ゆえに「嵐が丘」とあだ名される。荒涼とした大地と空。それでも秩序よく暮らす領主一族のもとに、ある日ひとりの少年がひきとられることとなる。「ヒースクリフ」と名付けられた少年と領主の娘。彼らは強く惹かれあうが、互いを愛すれば愛するほどに憎しみが増す。憎むことでしか愛を表現できない悲しい恋は、やがてこの一族を破滅へと導く。嵐のような愛。

    またひとつ、作者の語り手の人選がよい。この物語をわたしたちにき

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    2016年12月07日
  • 嵐が丘 下

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    第2部は、第1部にも増して、登場人物らの強烈な言動で読者を戦慄させながらも、悲劇的結末と未来への希望を残す終盤へ、物語は無窮動的に進んでいきます。まさに名作。

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    2016年04月29日
  • 嵐が丘 上

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    この強烈な物語をもっと早く読むべきだった。新訳で読みやすくなっていることもあり、まさにページを繰るのがもどかしいと思いつつ、一気にラストを迎えました。

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    2016年04月29日
  • 嵐が丘(下)

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    ネタバレ

    上巻が重かっただけに下巻はキャサリンの娘キャシーの天真爛漫さに救われた
    前半 ヒースクリフの息子リントン ロンドン育ちのせいなのか、マジか?!ってくらい、虚弱すぎる キャシーの方が数倍たくましい ほんとうにヒースクリフの実子か? やっぱり荒野で育った子達はたくましいw
    中盤 リントンのキャラが、もう、ひ弱とかいうレベルじゃない 段々とギャグに思えてくる キャシーはこの小皇帝のどこがいいんだ リントンのキャシーへの独占欲の強さは父親譲りのようだ  
    ネリーが仕えてるお嬢様に対しての口の利き方が乱暴すぎる 田舎のメイドだからなのか ずっと違和感があった
    なぜ、父親がヒースクリフを下男として育てなか

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    2016年04月20日
  • 嵐が丘 下

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    いまさら何を言うべきかという名作。「想い死に」というものの実在を予感させるような、一方でその不可能性を立証するような小説。再読を自らに課したい。

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    2014年01月25日
  • 嵐が丘

    aaa

    訳者によってよみがえる名作

    翻訳なんて誰がやってもだいたい同じ…と思っていましたが、鴻巣友季子さんの新訳は全然違う!
    キャラクターはみずみずしく、ストーリーも臨場感に溢れ、風景もリアル。
    大学の授業で他の訳との読み比べもしましたが、翻訳の力を最も感じさせてくれました。
    有名だから題名だけは知っているしいつかは読もうと思っているけど…という人はぜひ鴻巣訳でどうぞ!

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    2013年10月10日
  • 嵐が丘 下

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    ページを捲るのももどかしいほど、といわれた通り本当におもしろかった!
    死ぬほど愛するとはこういうことか。

    キャサリンとヒースクリフは似た者同士。愛は相手そのものを見ていない幻想だと福永武彦が書いていたことを思い出す。二人ともお互いのもはや偶像化した魂を愛していたように思える。命をかけた崇拝、執着、憎悪。愛によって生きるがそれによってまた命が削られていくようなエネルギーを感じた。

    下巻p336から、ヒースクリフの人間的な感情が初めて流れだしたシーンがすごい。あーーーーもう感想文なんか書いていられないです。素晴らしいです。全く意味は違うけれど、ハリーポッターのセブルスの真実を知ったときのような

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    2013年09月03日
  • 嵐が丘(下)

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    魂揺さぶる美しい散文たち。激しい愛と苦悩、美しい若い恋人たち。近代文学のスフィンクスと呼ばれるだけのことはある。久々に本当に読んでよかった一冊。

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    2013年05月24日
  • 嵐が丘 下

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    ネタバレ

    19世紀前半、ロンドンから田舎のヨークシャーに療養のため、ロックウッドはスラッシュクロスの屋敷に越してくる。
    そのスラッシュクロスと嵐が丘という2つの屋敷の間で2代にわたって起きた復讐劇。
    そのことについて、家政婦であるネリーがロックウッドに話し、その後回想を経て物語の鍵となる悪童ヒースクリフが他界しロックウッドがその墓を訪れるまでを描いた作品である。

    ヒースクリフは嵐が丘へ拾われてきてそこの娘であるキャサリンと恋に落ちる。
    しかし、キャサリンはヒースクリフとの身分の違いからスラッシュクロスに住む長男エドガーと結婚する。
    そこからヒースクリフは2つの屋敷を自らの手中に収めようと復讐劇を企てる

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    2021年08月29日
  • 嵐が丘(下)

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    ラストがやや弱いかなと感じたけど、ヒースクリフの執念に感服。
    愛のための殺人は小説でよく題材にされるけれど、情熱的な愛と冷静な法的手段を併せ持ったヒースクリフこそ、完全な復讐鬼だと感じた。

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    2012年11月28日
  • 嵐が丘(下)

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    しばらく物語の世界から抜けられなかった。

    "魂が一緒なの"
    彼はわたしそのもの。
    彼を失ってはわたしは不完全。
    きっとその想いはヒースクリフもおなじ。

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    2012年09月07日
  • 嵐が丘(上)

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    『嵐が丘』というタイトルだけで、詳しい内容を知らずに読み始めた。

    こんなに激しい物語だとは思わなかった。
    でもどんどん話に惹き込まれる。

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    2012年09月07日
  • 嵐が丘 下

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    ネタバレ

    文庫だし、字が大きめで読みやすい。「世界名作全集」みたいのだと字が小さいので読みにくいと思う…。
    いやーこれ、面白いです。なんかこゆ「古典の名作」って難しそうで敬遠しがちですが、なんというか昼ドラっぽいというか、良い意味で俗っぽい面白さがあるんですな。展開が読めなくて目が離せなくなる。
    ヒースクリフの性格が最後までつかめなくて、憎まれ役なのに憎めない。キャサリン(母)も無茶苦茶な性格なんですが憎めない。他にもみんなちょっと友達にはなりたくないタイプの人々ばかりなんですがそれでもなんだか面白いんだよなあ。
    ふしぎ。

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    2012年06月27日
  • 嵐が丘(下)

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    嵐が丘と言えば、ロミオとジュリエットのような、お互いの家柄とか立場とか国境とかが壁になって、心やさしい男女が、相手を思いやりながらの恋愛小説と思ってました。完全なるロマンス。甘々。
    それがまったく違ってて、苛烈極まる小説で、恋愛小説というよりもサスペンスホラーみたいな感じです。サスペンスはさておいて、ホラーです。

    下巻の途中あたりからやっと、ヒースクリフが好気になりかけてきました。
    視点が第三者という事がこの小説のいい所でもあり、主人公を好きになれない駄目な所でもあると思います。ヒースクリフ視点だったらもっと違っていて、彼を好きになれると思います。
    家政婦から見たヒースクリフは極悪非道の男と

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    2012年03月22日
  • 嵐が丘(上)

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    帯の強くて脆い愛とありましたが、どこが!と全力で言える。
    登場人物全員過激で辛辣で非情です。
    今のところ誰も好きじゃないんですけど、この先がどうなるのかすごく気になる。
    一番可哀想なイザベラ・・・せめてイザベラだけでも救いがあればいいのですが・・・

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    2012年03月19日