エミリー・ブロンテのレビュー一覧

  • 嵐が丘(下)
    怒号や非難の応酬が飛び交う物語はまるで任侠映画だが主人公達は義理も人情もなくひたすら自己憐憫や恨みをぶちまける。突き抜けた自由さがこの小説の魅力の一つかもしれない。出生故とは言え異常に経済観念の発達したせこい復讐が長々と続き、アッシャー家の崩壊のような終わり方になるのかと思っていたところ、頑丈な彼が...続きを読む
  • マンガで読む名作 嵐が丘

    さくっと読めるし、まあ面白い

    小説である原作を買うお金も、
    読む時間もなかった自分には、
    ちょうど良かった。

    原作に忠実なのは勿論だけども、
    主人公が悪魔か化け物のような顔に
    なっていても おかしくないような場面でも、
    そうは描かずに極悪な人間として
    描いているのは好感がもてた。

    登場人物の、
    ほぼ全員...続きを読む
  • 嵐が丘
    おもしろかったのかもしれない。
    ヴァージニア・ウルフの自分ひとりの部屋を読んで、それから気になっていたので手に取った。

    人の忠告に耳を貸さない者と過去にネグレクトされた成人、復讐のため人を操り騙す者など、どの登場人物のことも全く好きになれないし、その言動に不快感は増すばかりなのに、どんどん読み進め...続きを読む
  • 嵐が丘
    最高の恋愛小説、と聞いたけど、ひたすら怖い絶望のホラーだった。
    金色夜叉に似ている。愛していたキャサリンがエドガーリントンに嫁ぐと知って姿を消したヒースクリフは、復讐のために帰ってくる。宮さんに復讐するのとは違い、ひたすらキャサリン以外の人を虐待していくところが余計怖い。ヒンドリーには元からいじめら...続きを読む
  • 嵐が丘
    作品の内容は暗くて重いが、そのようなことがどんどん嵐のように過ぎていき、何事もなかったように終わる。
    重要人物の誕生や死が人伝に聞く文章だからか、あっさり書かれている。そして、気になったのはよく泣く登場人物(特に女たち)と、一人よがりで自分勝手な登場人物と、病弱な人たち。今では空気を読まないといけな...続きを読む
  • 嵐が丘(下)
    ヒースクリフがイザベラを含めたリントン家での平和をかき乱し始める所からの下巻。
    ストーリーの大筋はヒースクリフのキャサリン(母)との恋愛と破局、その復讐の物語だが、聞き手となるロックウッドか家政婦ネリーから聞く形式となっており、このネリーがいかにも偏見を持った語り口なのでその内容を鵜呑みにできずに読...続きを読む
  • 嵐が丘(下)
    途中で二代目のキャシーやリントンの振る舞いに辟易してしまい、読み続けるのがしんどくなったが……

    それぞれに自分の境遇に対する不満や、それに伴う自己正当化があるのだろう。それをもとに展開される発言は、読み手に媚びずに登場人物たちを存在させる。(自分勝手で意地汚くて、結構ストレスにはなるけれど…) 人...続きを読む
  • 嵐が丘(上)
    キャサリンは本当に鼻持ちならない少女なんだけれど、読み終わる頃には若干の共感じみたものが湧いている。
    自分勝手で、他人に心があることに気づかないのになぜ自分の望み通りに他者が振舞ってくれないのかと憤慨する。攻撃性の塊みたいな彼女が、自分の粗暴な部分に訴えかけてくるんだろう。
  • 嵐が丘 上
    昔ながらの名作は読みにくいものが多いけど、その中ではすらすら読み進められた。キャサリンとヒースクリフの恋愛物語とおもいきや、最終的にはそういうわけでもないらしい。
  • 嵐が丘(下)
    人間の心の底のマグマが描かれてはいる。ただやはり解説の内容から忖度しても、それは母国語で読んでこそ伝わってくるマグマであり迫力なのかもしれない。

    非常にこなれた訳で読み易くはあるが、まどろっこしく無駄なセンテンスも多くあると感じてしまうのは、私だけだろうか…?傑作と呼ばれる小説ほど、長編であっても...続きを読む
  • 嵐が丘(下)
    社会生活を送る上で普通の感覚の人間なら隠そうとする部分を全てさらけ出してぶつけ合う人間達の物語、という印象を受けた。意外なハッピーエンド。
  • 嵐が丘 下
    終盤の、ヒースクリフの心情吐露。グッときた。


    まあ全体的には、
    登場人物が何故そのように思ったのか?というのが
    さっぱり理解できなくて、よくわからない話だったんだけど。
  • 嵐が丘 下
    ブロンテ姉妹の二番目エミリー(1818-1848)の唯一の長編小説、1847年。原題は"Wuthering Heights"で、直訳すれば「風吹きすさぶ丘」といったところか。これを「嵐が丘」と初めて訳したのは英文学者の斎藤勇で、中野好夫らの師にあたる。この訳語には、日本語読者の内にめいめいに或る荒涼...続きを読む
  • 嵐が丘(下)
    英文学の講義を取っている。課題その2。

    『嵐が丘』は子供向けにリライトされたものを読んだことがあって、キャサリンとヒースクリフの恋愛小説だとずっと思っていた。
    のだが。
    これ、恋愛小説?
    二人の間にロマンティックな感情が介在するようにはとても思えないのだけど。いや、確かに強靭な絆は存在していて、二...続きを読む
  • 嵐が丘 上
    良い意味でも悪い意味でもお似合いなヒースクリフとキャサリンが好き勝手に周りを困らせていました。
    劇的で良かったのだけど、
    上品過ぎたかな・・・。

    映画版の方が、エンターテイメント性はありそう。
  • 嵐が丘 下
    時代も場所も大きく離れているのに、ここまで面白く読めたのは初めてかも。すごいなあ。ヘアトン可愛いです。
  • 嵐が丘 上
    さすが近代イギリス小説って感じで台詞が長い。でも読みやすい。ぐんぐん読めます。
    ヒースクリフとキャサリンの関係にときめいてしまう自分がしばしば…。血縁の濃さが源氏物語ばりだ。
  • 嵐が丘 上
    個人的にはこの一癖も二癖もある登場人物たちについていけず…。
    誰かに共感することもできず、
    見守るような視点で客観的に見ることもできず。
    読んでて自分の内面も殺伐として来る感じがしました。

    それだけ引き込まれていたとも言えるのかもしれませんが、
    とにかく読むの疲れます。笑
  • 嵐が丘 下
    ヒースクリフたちの次の世代が話に加わります。

    親の世代と子供の世代の違いや、
    まぶしい子供たちの姿に自らを省みるヒースクリフ。
    そんな図式は好きです。

    復讐ってやっぱり何も生まないのでしょうね。
  • 嵐が丘 上
    歪んだ愛と、復讐を描いた話。激しい感情についつい引き込まれてしまうが、一回読んだだけでは何のことやらわからない、というのが正直な感想。