太田紫織のレビュー一覧
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主人公は21歳の派遣家政婦。夫に先立たれて人生の最後にヴィクトリア時代の貴婦人になりきって生活したいという老婦人の依頼で、十九世紀を再現した田舎町の屋敷でメイドとなる。覚悟をもって臨んだ仕事だが、シャワーもレンジも掃除機も何もない中で家事をし、気難しい奥様の世話をする生活に次第に疲弊してゆく…
メイド1人と執事1人で、文明の利器に頼らず、しかも窮屈なメイド服で屋敷の生活を切り回すのは不可能ではないかと思うのだが、ヴィクトリアンメイドになりきって生活するという設定は面白い。
主人公は真面目で前向きな性格だが、サブタイトルの秘密の写真を見つけてからの行動はちょっとどうなのかと思う。メイドの距離感と -
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短編集。
「夏に眠る骨」感想
骨をこよなく愛する櫻子さんは、偶然見つけた骨はまるで自分へのプレゼントのように感じるらしい。
警察に連絡しようとする正太郎に、このまま放置してたまに見に来るだけにするからと、連絡を思いとどまるように言い出す始末。
もちろん、ごく普通の高校生である正太郎は聞く耳を持たない。
発見された骨は、正太郎と同じ高校に通う鴻上百合子の祖母のものだった。
残された家族は、自殺したと思われる祖母を思い気を病む。
祖母は何故、発見された場所に行ったのか?
その謎を解き、櫻子さんは祖母が何の目的でその場所へ行ったのかを突き止める。
態度や話し方は独特だけれど、実は優しい面をきちんと持 -
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文庫書き下ろしでシリーズ10巻目。中編3話。
第1話 方羽の烏
正太郎の家の前に烏の死体が続けて投げ込まれ、カラスは羽が折れ、溺死していた。
正太郎が車に付け狙われ、轢き殺されかけて櫻子さんが乗り出す。
第2話 雨ゆる夜の怪異
櫻子さんの車で北竜町へ出かけた帰りに、養護の日車先生が2度も遭遇した、車で何か柔らかいものを轢いたのに道路には何もなかったという奇怪な現象を科学的に解く。
第3話 八月四日のリジー・ボーデン
薔子さんの学生時代の友人が、10年前に父親と義母を惨殺して自殺した。薔子さんに頼まれて事件の起きた家へ向かうと、新たな真相が浮かび上がる。
エピローグで櫻子さんとばあや -
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文庫書き下ろしのシリーズ第7作。中編3作。
第1話 Bloody Valentine's Day
正太郎が学校で、靴紐を切られたり昼食を隠されたりといった嫌がらせを受け、鴻上百合子と一緒のところを見られたかと、彼女に想いを寄せる親友の今居を疑ってしまうのだが、買ったパンに入っていたカミソリの刃で指を深く切って事件が明るみに出、櫻子さんが乗り出す。
こういう犯人は怖いな。
第2話 アサヒ・ブリッジ・イレギュラーズ
珍しく百合子のモノローグ。冬祭りの旭橋で黒ずくめの女性が持っていた封筒が風に飛ばされて百合子が拾うと、中には別れのメッセージとダイヤの指輪が入っていたため、百合