太田紫織のレビュー一覧
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ネタバレシリーズ第9巻目
★ネタバレ大ありです★
今回は中編の「狼の時間」と短編の「午前四時のノック」の2作品。
第弐骨の「午前四時のノック」はお巡りさんの内海さんが主人公のお話でした。怪奇現象かと思いきや実は心温まる内容でした。
第壱骨の「狼の時間」は読んでみて、疑問点がいっぱい残りました。
・Phantom=花房が救えといった娘とはいったい誰だったのか?
・Phantomは実は正太郎を他の自殺者とともに自死させるつもりだったのか?(Phantomの真意がわかりません)
・青葉さんは怪しいの?
他の読者の皆さんはどのように思っておられるのかが気になります。 -
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5冊目~櫻子の叔父が追究していた蝶形骨を失った遺体…自殺か他殺か,旭川の廃屋で蝶の季節だけ訪れていた花房という画家を追い求め,函館へ。日和という看護師の周辺を十年ぶりに洗う。末期癌の老人を死に至らしめた責を負って自殺した…と結論づけたが,叔父と事件を追っていた山路という刑事は失踪していた。函館で写真家として活躍している日和の妹・沙月が使っているうらまようという名は平凡な薔薇・ベニモンアゲハを指していた。沙月は花房に毒蝶と喩えられていた~蝶形骨って面白い。Wikipediaでは3Dで見せてくれる。叔父が残したFileという設定は無理が過ぎる。九条家は櫻子を進学させなかった!!??彼女のぶっきらぼ
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4冊目~鴻上の叔母さんという椿の飼い猫を死体で発見して,相談を受けた櫻子は,旭山動物園飼育員の沢と調べて,飼われているアライグマの仕業と睨む。前の恋人がしつこく,今の恋人は犬猫の嫌いな香水を使っている。犯人は…。祖母が鴻上に残したかったという祖父の絵は…。正太郎の担任が過去受け持ち,高二で一人失踪した仲良し三人組の残りの二人の内の更に一人が愛犬を連れて失踪した。残り一人を問い詰めると,3人の秘密の場所,夏の間だけ訪れる蝶を描く画家が住む小屋に案内されるが…~中編二つに短編一つというパターンは読みやすいかも。内海巡査って読んだだけだとずんぐりむっくりのチビデブ汗臭おまわりのイメージなんだけど。あ
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3冊目~内海巡査の頼みで呪われていて死にそうだというデイトレーダーの黒基調の家に行くと,呪いが籠もっていると言われるソモエドは人懐こい。代々伝わっている古い絵に使われている絵の具に砒素が含まれていて,心臓に遺伝的な欠陥があると判断するが,薪割りの斧で大怪我をする。事故を装った自殺騒ぎを櫻子は収める。死んだ祖母が好きだったプリンは,苦しんでいる入院中の自分の姿を孫に見せたくなくて,鎮痛剤が効くまでの時間を稼ぐものだった。櫻子が文化祭に来たのは,ここが自分の母校で,理科の佐々木教諭と関係があるからだったが,教諭は女性の人骨を資料室に保管していた。猫の標本となる骨が消えていたが…~男主人公はペットだ
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ここまで妙齢の独身女性に好かれる男子高校生っているか?~当麻で鍾乳洞を見たついでに寄ったハイキングコースで白骨化した遺体を発見した。70歳を過ぎた女性で10m上の崖から落ちて首を折り亡くなったらしい。自殺で決着したが,館脇正太郎の同級生の祖母で,祖父の面倒を見てきた人だった。その絵を見て自殺ではなく,事故だと櫻子は言う。迷子の3歳ほどの女の子を正太郎は30度を超す未明に保護した。交番の巡査は家を捜すために手伝いを求め,手掛かりを掴むために正太郎は櫻子を起こす。肘を折った形跡を見つけて外科医から家を突き止めると,母親が地下収納庫を守るように息絶えており,犯人が包丁を手に襲ってきた。薔子が実家の祖
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『骨』に対して強い執着を持つ20代半ばの標本士・九条櫻子と旭川市在住の高校生・舘脇正太郎が人の死に絡む事件の謎を解明していく短編集。
櫻子の変人っぷり、ご当地ネタやグルメ描写は相変わらず魅力的ですし、今後に大きく影響しそうな男の存在や、エピローグのバースデーパーティーの主役は誰なのかなど思わせぶりな伏線をチラつかせており、シリーズ展開に大きな影響をあたえそうな一冊で読み応えがあります。
しかし、ミステリーとしてはいまいち。【猫はなんと言った?】は単純な展開で犯人は予想通りですし、論理的ではなくカマをかけて犯人を明らかにする展開で残念。
【私がお嫁に行く時に】は上手く落とし込んでいるようにも思え -
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『骨』に対して強い執着を持つ20代半ばの標本士・九条櫻子と旭川市在住の高校生・舘脇正太郎が人の死に絡む事件の謎を解明していく短編集。
前作に比べ謎のスケールは小さめですが、九条櫻子と舘脇正太郎の人物描写が深まり、より味わいのある一冊になっています。
ベストは【お祖母ちゃんのプリン】。謎自体はささやかなものですが、正太郎とお祖母ちゃんの想いが伝わってきて泣けます。
【呪われた男】の真相は、やけに回りくどくて他に方法はないのかという思いがありますが、様々な薀蓄がストーリーに有機的に結びついていて良い出来だと思います。
【託された骨】は、骨を通じて人の過去を浮き彫りにするというシリーズならではの一編 -
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『骨』に対して強い執着を持つ20代半ばの標本士・九条櫻子と旭川市在住の高校生・舘脇正太郎が人の死に絡む事件の謎を解明していく短編集。
前回よりも『骨』との関連性が強くなっていますし、櫻子が検死に関する知識も持ち合わせているという設定も活かされており、大分こなれて来た印象を受けます。
また、今回は正太郎の他にも女子高生の鴻上百合子、3歳児・いいちゃん、警官の内海などサブキャラクターが豊富なお陰で、櫻子の変人ぶりが引き立っています。
ベストは【あなたのおうちはどこですか?】。いいちゃんが真夜中に裸足で彷徨っているという不穏な謎が興味を引きますし、真相はいいちゃんの幼児語が鮮やかに繋がります。 -
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