木皿泉のレビュー一覧
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生きていれば、笑ったり、泣いたり、嘘ついたり、、、迷って、間違えて、傷ついて、でもそれで気付いたり。
自分で選んで生きていくのは、嬉しいし楽しいよね?
たとえそれが「一般的な幸せのカタチ」とは少々、違っていたとしても。納得できる方がいいよね?
そう、問いかけられている気がする。
登場人物を励ましたくなる。
でも気付くと励まされてる。
変わってしまうかもしれない。
変わってゆくことに、罪悪感を覚えることもあるかも。
でもそれでいいんだと言われている気がする。
「生きてる人間は、とどまってはいられない」
という台詞が印象的だった。
これを執筆している頃、「コワイものなど何ひとつなかった」とい -
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人生のシンジツが詰まってる。
ああ、こうだったらな。
私も、こんな風に言えたら。
ああ、そうだったな。
私も、実はそうだったんだ。
登場人物全員が、自分自身のように思える瞬間がある。
痛いほどに、共感してしまう。
不器用で人間臭くて、でもあり得ないほどまっすぐ自分に正直な登場人物全員を、全力で応援したくなる。
カレーの匂いがして、みんなで食べるすいかが見える。
暑い日差しに焼かれ、蝉の声が聞こえてくる。
少し、涙が出た。
ある意味、夢物語。
そうなのだけれどその夢は、自分の現実に戻ってまた、踏み出していこうという気にさせてくれる。
今、このお話に出会えて良かった!と、
教えてく -
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木皿泉さん、ドラマ『すいか』以来ずっと好き。
ドラマでも小説でも、そして今回のエッセイでも、木皿泉さんは一貫しているなあって思うのです。
人は到底わかり合えない。でも、それでいいのではないか。わかり合えなくても、助け合ってうまくやっていくことはできる。
とか、
自分の幸せくらい、自分で見つけるものだ(人から見てどうだろうと関係ない。)
とか。
『すいか』で浅丘ルリ子さん演じる教授が、「20年後も今も、同じじゃないかしら?自分で責任取る生き方しないと、納得のいく人生なんて、おくれないと思うのよ」と言うセリフがあるんだけど、木皿さんの考え方そのもの、と言う気がする。
このエッセイを書 -
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ネタバレイッセー尾形さんと永作博美さんが演じる、木皿ドラマのシナリオ本。
演技派俳優の二人芝居、しかもシナリオは木皿泉、とくれば面白いに決まってる。
10歳以上も年上なのにちょっと頼りないバツイチ夫・ノブ君としっかり者のオクサン・杳子。
出町家のリビングダイニングで日々繰り広げられる、夫婦のコミカルなやり取りがとても心地よい。
夫婦の日常会話にクスッとなったりニンマリしたり。
分が悪くなるとペットのクラゲにグチるノブ君も可愛い。
時折口喧嘩もするけれど(優勢はもちろん杳子さん)、とっても仲良しの二人が読み手を笑顔にしてくれる。
ドラマ全体のゆるくてほわーんとした雰囲気が、水中をぷかぷか漂うクラゲのよ -
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バツイチ夫と一回り下の妻のヘンテコほんわかな会話のお話
というか、イッセー尾形と永作博美によるシチュエーション・コメディドラマの脚本
木皿泉の初期作品で「すいか」より前というのは驚き
昔からアノ木皿泉テイストは変わらないんだなぁ
新作だと言われても違和感はない
沓子さんの性格というか、物事を深刻にさせない持って行き方がいいな
元妻との思い出を勘違いするところの落とし所とか
信之が仕事を持ち帰って一人で夜にしてた事のすれ違い会話とか
沓子さんがお見合いで振り袖着てるところとか
あと、信之のお姉さんが訪ねてきたときの真相もいいなぁ
滅亡するする日に誰と一緒にいたいかとういうね
今の僕は誰だ -
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木皿泉 といえば
ドラマ好きなら誰でもご存じの脚本家。
かっぱさんと大福さん 二人で一人(組?)。
パートナーと二人で書く なんて
実にうらやましい。
私にも大福さんのような旦那様がいたら
書けるのになあ…
などと思ったりする私は勘違い野郎。
「やっぱり猫が好き」に始まり
「すいか」「野ブタ。をプロデュース」は
大傑作でした。
処女小説をドラマ化した
「昨夜のカレー、明日のパン」も
すてきでした。
この本は
10年前のエッセイとお二人の対談。
暮らしぶり 書きぶりが
のぞき見できてうれしい。
当時流行った新型インフルエンザのことを
お二人で話しているのだけれど
え?そんなのあったっけ -
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とても共感することができた一冊。
毎日の生活を送る中で、不安や不満を感じる事は少なくないと思う。楽しい事や嬉しい出来事もあったはずなのに、辛い出来事の方を強く覚えていたりする。
毎日の生活の中にもちゃんと楽しく嬉しい出来事があなたに起こっているんだよ、あなたなりの経験が今のあなたを作っているんだよと教えてくれているような優しい本だった。
人が避けては通れない日常と死について、経験を踏まえながら木皿泉さんの考えを述べてくれている。
素敵な本に出会えたと思う。
日常が辛く、どうして良いか分からない人たちの力になることが出来る、そんな本になると良いな。 -
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木皿さんのごった煮本パート2。
前作とおんなじような構成。
神戸新聞に連載されたエッセイ。
おふたりが創作背景を語る短いインタビュー。
ドラマ『Q10』で主役を演じた佐藤健さんとの対談。
奥さまの和泉年季子さんが行ったシナリオ講座。
解説、書評、映画評が数本。
ドラマ『すいか』を正座して見ていた頃から、木皿さんの描く‘フィクション’は現実世界になじめない私をつかの間救いだし、「大丈夫、大丈夫」となだめてくれた。‘フィクション’から現実に帰って来るときは心に‘木皿フィルター’が掛かっているので(笑)世界が前より優しく輝いて見える。
‘フィクション’の役割のひとつってそれじゃないかな、と思う -
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癒しとか信じてなかったのに。
今までは、何かを読んで癒されるとか、綺麗事のように思ってた。だけどこれは…
表現できない気持ちの奥の、かなしさや、やりきれなさ、おかしみ、強さ、いろんなことを、そうとは言わずに描ききられてた。みんな何かを抱えてて、みんな何かをもとめてる。日常の丁寧な積み重ねでそれを許されていくのね、と。気持ちがシンプルに整えられる読後感です。