木皿泉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【読んだ直後の感情】
小説の中で登場人物のそれぞれの視点を描いた連作小説。
読み方が最初難しいところもあったが、それぞれの登場人物が一人の死を受け入れていく様が描かれており、立ち止まったり前を向こうとしたりいろいろなとらえ方があって、気持ちの整理をつける勇気が得られる作品でもあった。
【印象に残ったポイント】
・「人は変わってゆく、それは過酷なことだけど、同時にそのことだけが人を救ってくれるんだよ。」というセリフは時の流れととも、誰かと生きた記憶もいずれあいまいな記憶となっていく。それは思い出として残していたい気持ちもありながらも、生きている自分たちはそこから乗り越えていかなくてはいけないという解放の言葉なのだだと感じた。
・また生きた記憶、証というのは物だったり、場所だったり、人間関係だったり、いろんなところに点在しており、どこかでその人を感じることができてしまうものなんだなと感じた。
【総評・今後のメモ】
自分にも変わるときがくるその時のために、それで良かったじゃないと進めるよう今を生きようと思いました。 -
Posted by ブクログ
◼️ 木皿泉「さざなみのよる」
人1人の生は、何か大きなものを遺す。そういう小説。
木皿泉といえば夫婦の脚本家で作家さん。「昨夜のカレー、明日のパン」をかつて読んだ。今回も、ちょっと変わった、ホームドラマ。
ナスミがガンで亡くなった。43歳。夫の日出男、姉の鷹子、妹の月子、さらに仕事関係や学生時代でつながった人々の回想で、ナスミの人となりが語られる。
構成としては既視感がある。視点が次々と、大胆に変わっていく。最後は、また未来までジャンプしたな笑という感じ。
ここまでに、身近な人が逝くというのもそれなりに経験した。故人との過去の触れ合いは遺るもので、ふと脈絡なく思い出したりする。葬儀の場で、意外な面が語られることもよくある。
この作品は、生まれ育ったエリア、静岡と働いた東京、ナスミのそれぞれのいわば航跡をたどる旅。ちょっと変わってて、あっけらかんとして、正義感が強く無鉄砲、ものにこだわらない人柄を示している。いくつか彩りのように捻ったエピソードが出てきて、NHKのテレビドラマが頭に浮かぶ。
それなりにおもしろかったし、例え学校や社会で目立った人でなくとも、長い時の流れの間に多くの人と厚く薄く交わり、あまり意味がないと思われることでも、なんらかのエピソード、印象を遺してゆくんだな、ということを思い直したけども、パンチは足りなかったかな。人1人の生とは儚いけれど、深い。ユーミンがCMで言ってる、ライトでディープ?って感覚かな。言い得て妙でもある。