木皿泉のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
懐かしい……。あれからもう10年も経ってしまったんですね。読む前は「シナリオ本って面白いのかなぁ」と不安だったのですが、いやいや、読み始めたら役者さんたちの顔が浮かんで来て、小説とは違った楽しさがありました。そうかー、基子さんのあの状態は煮詰まってたのかー。
P20の「J・ディプトリー・ジュニア」が気になります。絆さんが読みたかったのは「ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア」ですよね? これは絆さんの書き間違いってこと? それとも著者の書き間違い? 単なる誤植? 「すいか」の世界には「ディプトリー・ジュニア」がいるのか? ああ、気になる~。
それにしても、2003年に書かれたものなのに、双 -
Posted by ブクログ
嫌なこと、悩み、不安、いろんなネガティブな感情を私は自分の中で実際よりも大きく育てているのかもしれない。
誰かに話す時に同調してほしくて大げさに話しているかもしれない。
この本の中のかっぱさんと大福さん(ちゃん付けは親しい人じゃないとしてはいけない気がする)の話の中にもたくさんの嫌なこと、悩み、不安があるのに、それを2人はのほほんと話している(ような気がする)。
もしかして、こたつで、お茶を飲んで、みかんを食べながら?
はたまたお酒を飲みながら?
そんな絵が浮かんでしまうくらい心身ともにリラックスした雰囲気が伝わってくる。
素敵だなぁ…。
その雰囲気も、2人の言葉も、私のことまで救ってくれ -
Posted by ブクログ
ネタバレ派手な事件や大きなストーリー展開があるわけではないものの、静かで心地よい時間が流れる作品だった。
気負わず読める軽やかさがあり、ページをめくるたびにふっと肩の力が抜けていくような読書体験になった。
物語の中心にあるのは、夫を亡くした女性と、その義父との不思議な同居生活だ。通常なら重く描かれそうな設定だが、この作品では悲しみを過度に dramatize することなく、日常の延長線上にそっと置かれている。
二人の距離感や会話の温度が絶妙で、読んでいるこちらも自然と穏やかな気持ちになっていく。
更に、家族やその周辺の人々が登場することで、物語に柔らかい広がりが生まれている。
彼らの何気ない言葉や -
Posted by ブクログ
ネタバレ人間社会に秘密裡にスパイロボットがいるというテーマのアンソロジー。
一番最後のストーリーが良かった。
何でもできる姉とずっと比べられていて、姉の存在がいなくならないと人生が始まらないかのような主人公。
似た境遇の知人からその知人の姉を殺すよう依頼を受ける。
報酬は何でもOK。主人公が選んだのは、姉が受賞しないこと。
主人公は知人の姉の、他人には見せない苦しみ藻掻いている姿を垣間見て、殺さず帰宅するのだが、帰路にカゲロボに出会う。
主人公の闇の深さからずっと見ていたという。
新美南吉のカタツムリの悲しみの、人それぞれの悲しみがある。
だから、他人の悲しみを十分に理解して受け止めることは難し -
Posted by ブクログ
【読んだ直後の感情】
小説の中で登場人物のそれぞれの視点を描いた連作小説。
読み方が最初難しいところもあったが、それぞれの登場人物が一人の死を受け入れていく様が描かれており、立ち止まったり前を向こうとしたりいろいろなとらえ方があって、気持ちの整理をつける勇気が得られる作品でもあった。
【印象に残ったポイント】
・「人は変わってゆく、それは過酷なことだけど、同時にそのことだけが人を救ってくれるんだよ。」というセリフは時の流れととも、誰かと生きた記憶もいずれあいまいな記憶となっていく。それは思い出として残していたい気持ちもありながらも、生きている自分たちはそこから乗り越えていかなくてはいけないとい