あらすじ
恋人、夫婦、友達、婿姑……様々な男女が繰り広げるちょっとおかしな愛(?)と奇跡の物語!木皿泉が書き下ろしたTOKYO FM系列の伝説のラジオドラマ、初の書籍化。オマケの前口上&あとがきも。
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Posted by ブクログ
大好きな木皿泉さんの
ラジオドラマ用、短編会話劇。
夫婦だったり、父娘だったり、
会社では上司部下の関係のカップルだったり、
義理母と妻を亡くしたおっとだったり…。
ふたりの会話だけで紡がれている。
舞台は主に車。
これはあとがきで知ったが、
エネオスをスポンサーにした
ラジオドラマだからみたい。
私が気に入ったのは、
信之と杳子と妖精トゥクトゥクの話。
この2人がなんとも好ましい。
設定がファンタジックで
ちょっぴりロマンチックで。
米沢と稲尾の「七夕にお会いしましょう」も
奇跡のような、日常のような
ほのぼの感が好き。
あとがきで、プロデューサーさんは
木皿泉さんの作品には「ウソ」という
テーマが多いと書かれている。
私はそれを「ヒミツ」と呼びたいな。
どんな関係性にも
分かり合えているようで
実はそうでない部分があったり。
親しくとも心ひそかに
胸にしまっているものがあったり。
自分自身でも自分をちゃんと
わかってあげられなかったり。
それはみんなにあるんじゃないかなと思う。
木皿泉さんの作品・世界は、
そういうみんながもっている
曖昧模糊とした感情をまるごとに
抱きしめるようなところがある。
だから、泣かせにかかっていなくても
ほろりと目頭が熱くなる言葉を紡げるんだと。
道草ののこり2冊と読みたい。