木皿泉のレビュー一覧

  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    タイトルの匂いが好き。
    作中で、共感できる人も、共感できない人も、登場人物たちは淡々と暮らしている。
    何事もないわけではないけど、何事もないということは現実にだってないわけで、なんかしらありながら人は生きていくのだなぁと、いまさらながら思ったり。
    弱ってると、共感する力が弱くなる。そういうのに気づけるの、小説の良いところ。
    「人間関係というのは、方程式のように、どんな数字を代入しても成り立つ、というものではない。」
    どんな数字を入れても、それなりに成り立つように見える。だから、つまらない人間なのかもしれない。

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    2025年12月05日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    期待せずに読んだが、とても良かった。
    夫と死別し、義父との同居生活という気を衒った設定と感じたが、語り口に特徴があり、良かった。

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    2025年09月18日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    若くして夫を亡くした未亡人の徹子と、その義父の物語。
    血のつながりはなくても、それぞれが互いを思いやっていて素敵な関係です。その思いは、直接的な言葉で表されるのではなく、相手の気持ちを察してそれぞれが優しい行動をしているのがいい。気持ちが温かくなります。ドラマ化もしているようなので、いつか見てみたい。

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    2025年09月12日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    生まれて、生きて最後は死ぬ。
    取り残された人たちの想いは、大切な人との時間を残したまま止まってしまうのか。受け入れることができるとそこから始まるのではないか。と、感じた作品。

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    2025年08月11日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    遺された人達が立ち直っていく日々。大きな事件は何も起きないけれど、どの話を読んでも鼻の奥がつんとなる。「男子会」が特に好き。ギフと岩井さんの可愛さといったらない。

    『世の中、あなたが思っているほど怖くないよ。大丈夫。』
    読んでいる間、ずっとそう言ってもらっているような気がした。誰を亡くしても、川の底へ落ちたくなっても、雨が降っても、救いもあるし優しさもあるんだと。

    優しくて温かくて、ほっとする時間になりました。


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    2025年07月27日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    2014年『本屋大賞第2位』。
    木皿泉、初読み。

    7年前に夫・一樹を亡くし、義父・連太郎と未だに一緒に暮らしている、テツコ。
    恋人・岩井にプロポーズされるも、断り、にもかかわらず、その関係は…
    隣人で一樹の同級生・宝。
    一樹の従兄弟・虎尾。

    どうなるんだろう、と。
    いい関係だな、テツコとギフの関係は。
    普通、なかなかありえない関係だと。
    それも7年間も。
    テツコもギフもいい人なんだよね、で、お互いにいい距離感を保つことができるから、成り立つんだろうな。
    岩井さんのところに訪ねていけるギフ。
    突然訪ねてきたギフを受け入れる岩井さん。
    岩井さんもいい人なんだよな。
    だって、見ず知らずの女の子に

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    2025年07月13日
  • さざなみのよる

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    さざなみのように、ナスミを中心に広がっていく世界。
    章あたまのさざなみのイラストもまた素敵だった。

    人は死んだらおしまいだが、その人は心の中にまだ残っていることがよくわかる作品で、ナスミのように誰かにあたたかいものを残したいと思えた。

    ひとりひとりが彼女から残されたものを手に今を生きていく、そして彼女が美談になり僕らは感動するんだ。捻くれたことが言いたいのではなくて、そういった人は見えない辛さを持っているんだろう。見えてるものが全てではないけど、僕らから見えてる事実は僕らにはそれが全て。

    加えて、
    やはり物語のいいところは裏を読まなくていいこと。あの人のあの言葉、心の声が嘘ということがま

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    2025年07月02日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    もし、自分と親しい人が
    当然、いなくなってもその人生を
    生きないとといけないのは苦しいが
    そのとおりである。
    でも、ギフとテツコとの温かい関係は
    正直憧れてしまいます。

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    2025年05月24日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    テツコは、ギフと一緒に暮らしている。旦那は7年前に亡くなってしまったのだが、もうこれだけ月日がたってしまうと、役割も、どうしてここにいるのかも、わからなくなってしまう。
    テツコには、恋人の岩井さんがいる。しかし、テツコは結婚にはふみきれない。
    何も起こらない普段の生活が続いていく話であるのだが、ちょっとした安心感、安らぎのようなものを感じる。
    テーマは、そうか、それでいいじゃないか、を発見した時のよろこびだそうだ。
    そうそう、ひととは、なんだかんだで、踏み切れない生き物なんだよなぁ。それでいいじゃないか。

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    2025年05月10日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    7年前、25歳で死んでしまった一樹。
    残された嫁、テツコ。
    テツコと今も一緒に暮らす一樹の父、ギフ。
    テツコの恋人、岩井さん。
    周囲の人物と関わりながらゆるゆると一樹のその死を受け入れていくまでのお話。

    「そうか/それでいいんじゃない」
    そんなことを繰り返しながら ほんわかとした心優しい登場人物達が9篇のお話を紡いでゆく。

    NHKで連続ドラマ化したそうだ。
    どんな風に描かれているのか見てみたい!

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    2025年03月22日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    タイトルって何だったっけ。と何回立ち止まったかわからないが、意味がわかってほっこりしました。
    私は本のタイトルと内容を結びつけながら読むタイプなのです。
    なんとなく目について、読んでみて良かった作品の1つです。

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    2025年03月06日
  • さざなみのよる

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    小国ナスミ、享年43。息をひきとった瞬間から、彼女の言葉と存在は湖の波紋のように家族や友人、知人へと広がっていく。命のまばゆいきらめきを描く感動と祝福の物語。(紹介文より)
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    まさにタイトルと紹介文のとおり。
    ナスミが亡くなるという出来事を、過去から現在から未来から、
    本人からまわりから、まわりのまわりから、
    いろいろな目線で描いたオムニバス。

    主人公とモブ、という物語にありがちな構成ではなく
    みんなが繋がっていて、それぞれの人生があるという
    当たり前が丁寧に描かれている。

    文章がとてもきれいで、大げさな比喩ではないけれど、
    単純な表現でもなくて、でも詳細が伝わって

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    2025年02月27日
  • 木皿食堂 : 4 毎日がこれっきり

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    ネタバレ

    木皿食堂シリーズを読むと、自分が欲しかった言葉や知りたかった言葉はこれだったのかと毎回気付かされる。あの時言えなかった自分の気持ちはこれだったのかとも思わせてくれる。

    「ダンナは私の頭上に小さな花を降らせてくれる」
    「寿司の味はもう覚えていないが、あの日の満足感は忘れていない」
    「会いたいと思うのは、無事にいてほしいという、祈りみたいなものなんだろう。」
    「居場所というのは、物理的な空間である必要はなく、それさえあれば煮詰まった日々も乗り越えられるという救いのようなもの」

    過去の自分を思い出しながらゆっくり読ませてもらいました。楽しい時間でした。

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    2025年01月12日
  • カゲロボ(新潮文庫)

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    ここにいるってこと
    肯定するお話

    現実と夢の境目は優しく
    それもほんの少しだけ良い方に天秤を傾けて

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    2025年01月08日
  • 木皿食堂 : 4 毎日がこれっきり

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    ネタバレ

    ストーリーを作り、虚構とも言われるフィクションの世界を紡ぐ人のエッセイ。
    いつもはフィクションを書く人の現実の話からは、よりリアルでダイレクトに、筆者の落ち着いていて、燃える感情の機微を受け取れた。

    力をくれるお気に入りな意志のこもった言葉たち
    ・ガチガチに見える現実も、私たちがその気にさえすれば、変えることも可能なのである。
    ・名づけるとは、この世の一員として位置付けること。名づけてもらった瞬間から、この世の一員なのだ。
    ・人を数字に換えるのが当たり前の世の中なんかに、絶対に負けるものかと思う。

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    2024年11月18日
  • さざなみのよる

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    人生は、目の前のことだけでなくて、死んだら終わりではない。
    そう思うとナスミのように無邪気に真っ直ぐに生きたいものだなと。

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    2024年09月23日
  • さざなみのよる

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    亡くなった後の残された側の話や昔話、いろんなところで繋がっていることが、なんだか勇気づけられました。

    人生、悪くないかもなと思いました。

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    2024年08月28日
  • さざなみのよる

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    ネタバレ

    タイトルの“さざなみ”のように、小国ナスミという一人の女性の死がきっかけとなって、思い出の中の彼女の生前の言動が家族や友人たちの心を揺らめかし広がっていく。
    人が人に残していくものについて考えさせられるなぁ。
    目に見えない何かをあげたり、もらったりしながら生きてゆくことの意味がナスミさんの生き方を通して流れ込んでくる。
    「よいことも悪いことも受けとめて、最善をつくすッ!」の彼女の言葉に共感。
    胸を突いたのは、第12話の最後の“絶望しないで生きてゆくということ”の一文。自分がまさに息子に残したい言葉に出会えた。

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    2024年07月09日
  • さざなみのよる

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    人生折り返し、残り時間で何をしようか最近考えていて読んだ本。
    難しいことは考えなくていい、あげたりもらったりして生きていけばいい。
    死んだ後もずっとそれは続いていくから大丈夫と何だか読み終わった後安心した。

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    2024年06月08日
  • ON THE WAY COMEDY 道草 愛はミラクル篇

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    大好きな木皿泉さんの
    ラジオドラマ用、短編会話劇。

    夫婦だったり、父娘だったり、
    会社では上司部下の関係のカップルだったり、
    義理母と妻を亡くしたおっとだったり…。
    ふたりの会話だけで紡がれている。
    舞台は主に車。

    これはあとがきで知ったが、
    エネオスをスポンサーにした
    ラジオドラマだからみたい。

    私が気に入ったのは、
    信之と杳子と妖精トゥクトゥクの話。
    この2人がなんとも好ましい。
    設定がファンタジックで
    ちょっぴりロマンチックで。

    米沢と稲尾の「七夕にお会いしましょう」も
    奇跡のような、日常のような
    ほのぼの感が好き。

    あとがきで、プロデューサーさんは
    木皿泉さんの作品には「ウソ

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    2024年04月26日