木皿泉のレビュー一覧

  • 昨夜のカレー、明日のパン

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     読み終わってみると、じんわり温かい気持ちになるような話だった。
     特にストーリーの山場のようなところはないけれど、人生ってこんなもんだよなって思わされたり、登場人物の気づきに都度自分も考えさせられる。
     素朴で日常的な展開だけど、派手な演出がない分、感情移入しやすく自分の中に残りやすい作品だった。

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    2026年09月08日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    優しい岩井さんとギフがそれぞれ女に騙される話が、最高に面白かったです。テツコさんの幸せを祈りたくなります。ずーっと読んでいたいと思う小説でした。

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    2026年09月05日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    2013年「王様のブランチブックアウォード」
    2014年「本屋大賞」第2位

    ゆるゆるとおだやかな小説。
    内容としては、若くして夫を亡くしている女性(テツコ)や奥さんや息子に先立たれた男性(義父ギフ)が主人公なので重い話にもなるかもしれないが、時間をかけて、家や人間関係によりなじんでいく。

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    2026年08月29日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    てつことギフの穏やかな日常に、時々近所の人や同級生、同僚が登場して話が展開していきます。
    特別な出来事は起こらないけど、日々の豊かさを感じます。

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    2026年08月11日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    ネタバレ

    読んでいてその情景が思い浮かぶ、丁寧な情景描写と心理描写が印象的だった。
    まるで心にいつまでも残る、ゆったりと暖かいドラマを見ているようだった。
    一樹を中心に関係する人たち。
    その人たちが、それぞれの人生を生きながら、何かを感じ、何かを見つけ、少しずつ変化しながら生きていく。
    お互いが、会話を通して何か求めていた事への答えのようなものを見つけ、変化していくところが良かった。
    ふとした会話が、人生の核心のようなところに繋がっていくのは面白い。
    この世界は常に変化していて、それは残酷なことではあるけど、救われることでもあるんだ、というギフの言葉が心に残っている。
    出てくる登場人物はみんな良い人で、それぞれの人生や考え方、生き方はとても興味深くて面白かった。
    それでもやはり、私はテツコとギフの関係性が好きだ。
    異質でありながら、あたかも普通のことのように暮らす2人が好きだ。
    代々受け継がれてきたギフの家。
    夕子さんと一樹がいなくなっても、その家でギフとテツコで新たに積み上げてきた2人の生活。
    いつか来るであろうこの生活の終わりが、その関係性に岩井さんが入ってくれたことで、この先も続いていってくれるようで安心した。
    夕子さんのOL時代、テクノロジーの変化で働き方が変わり、そこに乗り損ねて去っていく人の描写がとても印象深かった。
    技術がいる憧れていた仕事が、なくてもよい仕事となる。
    誇りを持ってやっていた仕事は無駄になり、新たな仕事は無機質でつまらなく感じる。
    生きることは変化に対応していくことでもあるが、変化は寂しさも伴う。
    それでも、私たちは生きていくんだよな、と思った。
    怖かった先輩の言葉で、大丈夫、世界はそんなに怖くないよ、というのがあったが、たしかに、思ったよりもちゃんと優しさがあると思えた。

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    2026年07月28日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    明るくて楽しい部分も多いのに、死というものとゆっくり向き合っていくお話で、悲しんでもいいし懐かしんでもいいし、吹っ切れても吹っ切れなくてもいいんだと、そう肩の荷が降りるような作品。
    大切な存在の死を、受け入れていくことが怖いと感じている私にとって、救いになった。

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    2026年07月14日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    夫婦脚本家の著書でドラマ化が前提だったのか早くに映像化されていたようだ。小説として読むと独特な空気感があるけどドラマで観るとまた違っていたのではないか、、この感じはきっと好きな人は多いだろう。

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    2026年07月13日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    死を受け入れられないということはあると思う
    特にこの作品のような背景があれば
    morning
    mourning
    心に響く

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    2026年06月15日
  • カゲロボ(新潮文庫)

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     「それ」は友人であり、ペットであり、隣人であり、恋人であり、ソウルメイトであり、同僚であり、仲間であり、上司であり、部下であり、家族である。噂に隠れ、近くにあるもの。ロボを通して溢れ出る本質。他人との繋がりの結晶。つまり、誰かを想い、誰かの為に行った行為こそに意味があるのだ。「カゲロボ」とはその出力結果に過ぎない。究極的な外郭の模倣が哲学的ゾンビであるのであれば、カゲロボは逆哲学的ゾンビである。

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    2026年05月20日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    ギフと岩井さんと一緒にいたらイラッとするんだけど、楽しくて幸せな人生だろうなぁ。
    ギフの家が想像するだけでワクワクする家で、そんな家と周りにいる人たちに囲まれて生きていけるのは楽しいだろうなぁ。って思いながら読みました。
    個人的にこういう世界観は大好きで、この世界に入っていきたいくらい素敵だと。
    登場人物がとても魅力的でそれでもそんなような人これまでの人生でもいたなぁとか思い出しながら。
    山ガール、夕子、男子会が特にお気に入りです。
    ギフとテツコ、そして岩井さんこれからどうなるのかなあ。きっと同じような生活が続いて行くんだろうな。
    それでも人は変わってゆくんだよ。それは、とても過酷なことだと思う。でもね、でも同時に、そのことだけが人を救ってくれるのよ。 ギフ

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    2026年05月18日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    テツコとギフの会話が面白い。岩井さんとギフのコンビもかわいくて好き。一樹の死を受け入れて、岩井さんと2人の関係も進んでいくのかな。

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    2026年05月15日
  • さざなみのよる

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    切ないな…と最初は重い気持ちで読んでましたが、読み進めるにつれて心温まる感覚に変化していきます。
    ま他の作品も読んでみたいと思いました。

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    2026年04月20日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    意外な展開がとても面白かったです。一話一話がほっこりするものばかり、そして全体がまた繋がっていて、読んで良かったと思わせてくれます。

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    2026年04月18日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    穏やかな日常が続く、ほのぼのとするストーリー。登場人物の抱えてるものは、大変なこともあるんだけど、それを抱えていても、日常はほのぼの過ごせるって感じがいいなと思う。

    小学生に騙されてしまう岩井さんとか、山ガールと一緒に登山するギフとか、なんかいいなと思う。文章が、自分に心地いいんだと思う。

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    2026年02月01日
  • 昨夜のカレー、明日のパン

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    人(一樹)の死を受け入れていく話なんだけど、裏表紙のあらすじのとおり、"ゆるゆると"していて、ほのぼのと心温まるお話だった。

    ほのぼのしているのは元々のテツコとギフの性格もあるんだろうけど、無理に急いで悲しみから立ち直ろうとするのではなくて、ゆっくり時間が解決してくれるのを2人で待つ感じが、せつなくもあり、温かくもあった。

    義父と2人で同居ってなかなかないシチュエーションだし、一樹の死後別々に暮らすこともできただろうけど、テツコにはギフがいてよかったと思うし、ギフもテツコがいてよかったと思う。
    家を出られなかったのは一樹との思い出を手放したくなかったのもあるのだろう。

    カレーとパンはどこで出てくるんだろうと思いながら読み進めていたけど想像より運命的でドラマチックで素敵だった◎
    テツコと一樹の再会後の馴れ初めも読んでみたかったな。

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    2025年12月29日
  • さざなみのよる

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    さざなみのように、ナスミを中心に広がっていく世界。
    章あたまのさざなみのイラストもまた素敵だった。

    人は死んだらおしまいだが、その人は心の中にまだ残っていることがよくわかる作品で、ナスミのように誰かにあたたかいものを残したいと思えた。

    ひとりひとりが彼女から残されたものを手に今を生きていく、そして彼女が美談になり僕らは感動するんだ。捻くれたことが言いたいのではなくて、そういった人は見えない辛さを持っているんだろう。見えてるものが全てではないけど、僕らから見えてる事実は僕らにはそれが全て。

    加えて、
    やはり物語のいいところは裏を読まなくていいこと。あの人のあの言葉、心の声が嘘ということがまずない。だって書いてあるから。
    リアルでは、もっとたくさんの思惑があって、白黒でも表せなくて、いくら優しい人でも疑ってしまう。
    そんな人を疑ったら嫌われるけれども、みんなから好かれてるやつってちょっと怖い。
    少しの行動で裏を読んで実は、実はってなるのがオチ。

    ナスミは出てる言葉が本心からだからまた僕らの心はあったかく終わるんだろうな。いつかは上を向けるのが小説、ちょっと羨ましい。

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    2025年07月02日
  • さざなみのよる

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    小国ナスミ、享年43。息をひきとった瞬間から、彼女の言葉と存在は湖の波紋のように家族や友人、知人へと広がっていく。命のまばゆいきらめきを描く感動と祝福の物語。(紹介文より)
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    まさにタイトルと紹介文のとおり。
    ナスミが亡くなるという出来事を、過去から現在から未来から、
    本人からまわりから、まわりのまわりから、
    いろいろな目線で描いたオムニバス。

    主人公とモブ、という物語にありがちな構成ではなく
    みんなが繋がっていて、それぞれの人生があるという
    当たり前が丁寧に描かれている。

    文章がとてもきれいで、大げさな比喩ではないけれど、
    単純な表現でもなくて、でも詳細が伝わってくる描き方でとても好み。

    心地の良い、読みやすい1冊。

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    2025年02月27日
  • 木皿食堂 : 4 毎日がこれっきり

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    ネタバレ

    木皿食堂シリーズを読むと、自分が欲しかった言葉や知りたかった言葉はこれだったのかと毎回気付かされる。あの時言えなかった自分の気持ちはこれだったのかとも思わせてくれる。

    「ダンナは私の頭上に小さな花を降らせてくれる」
    「寿司の味はもう覚えていないが、あの日の満足感は忘れていない」
    「会いたいと思うのは、無事にいてほしいという、祈りみたいなものなんだろう。」
    「居場所というのは、物理的な空間である必要はなく、それさえあれば煮詰まった日々も乗り越えられるという救いのようなもの」

    過去の自分を思い出しながらゆっくり読ませてもらいました。楽しい時間でした。

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    2025年01月12日
  • カゲロボ(新潮文庫)

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    ここにいるってこと
    肯定するお話

    現実と夢の境目は優しく
    それもほんの少しだけ良い方に天秤を傾けて

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    2025年01月08日
  • 木皿食堂 : 4 毎日がこれっきり

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    ネタバレ

    ストーリーを作り、虚構とも言われるフィクションの世界を紡ぐ人のエッセイ。
    いつもはフィクションを書く人の現実の話からは、よりリアルでダイレクトに、筆者の落ち着いていて、燃える感情の機微を受け取れた。

    力をくれるお気に入りな意志のこもった言葉たち
    ・ガチガチに見える現実も、私たちがその気にさえすれば、変えることも可能なのである。
    ・名づけるとは、この世の一員として位置付けること。名づけてもらった瞬間から、この世の一員なのだ。
    ・人を数字に換えるのが当たり前の世の中なんかに、絶対に負けるものかと思う。

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    2024年11月18日