木皿泉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2014年『本屋大賞第2位』。
木皿泉、初読み。
7年前に夫・一樹を亡くし、義父・連太郎と未だに一緒に暮らしている、テツコ。
恋人・岩井にプロポーズされるも、断り、にもかかわらず、その関係は…
隣人で一樹の同級生・宝。
一樹の従兄弟・虎尾。
どうなるんだろう、と。
いい関係だな、テツコとギフの関係は。
普通、なかなかありえない関係だと。
それも7年間も。
テツコもギフもいい人なんだよね、で、お互いにいい距離感を保つことができるから、成り立つんだろうな。
岩井さんのところに訪ねていけるギフ。
突然訪ねてきたギフを受け入れる岩井さん。
岩井さんもいい人なんだよな。
だって、見ず知らずの女の子に -
Posted by ブクログ
さざなみのように、ナスミを中心に広がっていく世界。
章あたまのさざなみのイラストもまた素敵だった。
人は死んだらおしまいだが、その人は心の中にまだ残っていることがよくわかる作品で、ナスミのように誰かにあたたかいものを残したいと思えた。
ひとりひとりが彼女から残されたものを手に今を生きていく、そして彼女が美談になり僕らは感動するんだ。捻くれたことが言いたいのではなくて、そういった人は見えない辛さを持っているんだろう。見えてるものが全てではないけど、僕らから見えてる事実は僕らにはそれが全て。
加えて、
やはり物語のいいところは裏を読まなくていいこと。あの人のあの言葉、心の声が嘘ということがま -
Posted by ブクログ
小国ナスミ、享年43。息をひきとった瞬間から、彼女の言葉と存在は湖の波紋のように家族や友人、知人へと広がっていく。命のまばゆいきらめきを描く感動と祝福の物語。(紹介文より)
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まさにタイトルと紹介文のとおり。
ナスミが亡くなるという出来事を、過去から現在から未来から、
本人からまわりから、まわりのまわりから、
いろいろな目線で描いたオムニバス。
主人公とモブ、という物語にありがちな構成ではなく
みんなが繋がっていて、それぞれの人生があるという
当たり前が丁寧に描かれている。
文章がとてもきれいで、大げさな比喩ではないけれど、
単純な表現でもなくて、でも詳細が伝わって -
Posted by ブクログ
ネタバレ木皿食堂シリーズを読むと、自分が欲しかった言葉や知りたかった言葉はこれだったのかと毎回気付かされる。あの時言えなかった自分の気持ちはこれだったのかとも思わせてくれる。
「ダンナは私の頭上に小さな花を降らせてくれる」
「寿司の味はもう覚えていないが、あの日の満足感は忘れていない」
「会いたいと思うのは、無事にいてほしいという、祈りみたいなものなんだろう。」
「居場所というのは、物理的な空間である必要はなく、それさえあれば煮詰まった日々も乗り越えられるという救いのようなもの」
過去の自分を思い出しながらゆっくり読ませてもらいました。楽しい時間でした。 -
Posted by ブクログ
大好きな木皿泉さんの
ラジオドラマ用、短編会話劇。
夫婦だったり、父娘だったり、
会社では上司部下の関係のカップルだったり、
義理母と妻を亡くしたおっとだったり…。
ふたりの会話だけで紡がれている。
舞台は主に車。
これはあとがきで知ったが、
エネオスをスポンサーにした
ラジオドラマだからみたい。
私が気に入ったのは、
信之と杳子と妖精トゥクトゥクの話。
この2人がなんとも好ましい。
設定がファンタジックで
ちょっぴりロマンチックで。
米沢と稲尾の「七夕にお会いしましょう」も
奇跡のような、日常のような
ほのぼの感が好き。
あとがきで、プロデューサーさんは
木皿泉さんの作品には「ウソ