吉田薫のレビュー一覧
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フルダシリーズ三部作の完結編。
レイキャビークという首都の名前も、海岸線を縁取るニョロニョロとしたフィヨルドに囲まれたサイの横顔のような国の形も、随分身近に感じられるようになった。
前作から更に10年遡り、フルダは40歳。夫のヨンも娘のディンマもまだ生きている。
今回はクリスマスの時期に起こる事件で、舞台は人里離れた雪深い高原地帯の農場だ。読むだけで体が冷えるので、暖かい上着と熱いルイボスティーは必須だな。
近くの一軒家で一人暮らしをしている娘と過ごすクリスマスを楽しみにしているエルラと、その夫のエイナール。しかしドアをノックしたのは心待ちにしていた娘ではなく、一緒にきた猟の仲間とはぐれたと -
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ネタバレノルウェーの作家、ヨルン・リーエル・ホルストの警部ヴィスティング未解決事件シリーズ第三弾。
凶悪犯トム・ケルが逮捕前に隠した死体を探すため、厳戒態勢の元、隠したとされる森へとケルの護送が始まる。だがケルは一瞬の隙をつき逃亡、かねてより疑念のあった共犯者アザー・ワンの姿が浮かんでくる。。。
前2作とは異なり、現在進行形で凶悪犯が逃亡しているため、いつも以上にピリピリした雰囲気が漂う。手堅く、証拠を一つ一つ積み重ねていくスタイルはいつも通りだが、そこに凶悪犯の逃亡が重なるため、スリリングな内容。いつもの過去の事件を洗い直す静かな雰囲気も良いが、本作のように動きが多く緊張感のある展開も良かった。 -
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何年も海の底で待ち引き上げられてからさらに放置されていた瓶入りのメッセージ。
手紙の1行目には「助けて」の文字。
気乗りしないカールを横目にアサドとローセは解読を開始するが……
冒頭から自らの血でメッセージを残す少年が出てきてもうツライ。でも、カールたちの場面に変わると途端にコミカルで思わず笑ってしまうやり取りが続く……オールスン、上手い。文章構成が抜群に上手い。グイグイ読ませる。
犯人×被害者家族×特捜部Qで息つく暇もない展開。これは面白い。→
カールの周りの人間関係も濃いし、アサドは何者?みたいな流れからのえ?ローセ?みたいな。主要メンバーのキャラが濃いから読んでいて楽しい。
ラストは -
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「ユッシ・エーズラ・オールスン」の長篇ミステリー作品『特捜部Q ―キジ殺し― (原題:Fasandraberne)』を読みました。
「ユッシ・エーズラ・オールスン」の作品は、今年の2月に読んだ「特捜部Q」シリーズの第1作『特捜部Q ―檻の中の女―』以来ですね。
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【人気シリーズ第2弾、文庫化! 解説:恩田陸】
いったいこの書類はどこから送られてきたんだ?
いつのまにか特捜部Qのデスクに置かれていた20年も前の事件の書類。
18歳と17歳の兄妹が惨殺された事件だが、その後犯人は自首して服役中。
つまり未解決ではない。
なのになぜ未解決事件を調査す -
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本書は、連続少女強姦殺人の凶悪犯の逃走という、まるで大団円のようなシーンで最初の100ページが費やされる。最初から手に汗握る設定である。凶悪犯に付き添い、割りを食う役が、我らが主人公ヴィスティングであり、撮影役を請け負うフリーランスの記者であり娘でもあるリーネが、共に冒頭の一大アクションに巻き込まれるという仕掛けである。
何者かにより、予め計画されたこの闘争劇には、スタン・トルネード弾までが使用され、複数の警察官の重症者も出る。責任問題と事件の収束と、どちらの責任をも双肩に背負うことになったヴィスティングは、世間の耳目を集めるスキャンダラスな脱獄ショーに続く悪夢のような時間を過ごすことに -
購入済み
必要十分
2021年11月に当参考書を丸暗記して合格しました。
実際の問題の難易度は当参考書より高いが(設問が長文かつ設定が複雑)、模擬試験とほぼ同等の出題もあり、Azure実践経験なしでも当参考書だけでも十分対応可能と思います。 -
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終わったところから始まる物語。時間を逆行して発表されてきた女刑事フルダのシリーズ三部作、早くもその完結編である。
これを読んだのは、北海道までをも巻き込んだ猛暑のさなかだったのだが、作品世界は雪に閉じ込められたアイスランドの一軒家である。とりわけ、三人だけの登場人物による恐ろしい駆け引きの第一部は、大雪で閉じ込められ、血も凍る恐い心理小説なのである。まさに猛暑対策にはこの上ない一冊なのだった。
アイスランドという国、その特色を生かした寂しさと孤独と、辺縁の土地を襲う暴風雪。それらが重なるだけでも、いわゆるヒッチコック的スリラーの完成度が極めて上がる。そこに加え、前二作によるヒロインの -
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フルダシリーズ三部作の最終巻。
重い内容ながら読みやすく、あっという間に読んだ。
三部作を通してフルダが対応している事件よりも彼女の家庭が気になる。
二作目までで家庭で何が起こったのかは匂わされてはいるが、本作でもフルダの心情は描かれるが実際家庭で起こった出来事が詳細に語られることはない。
本作が読めるのを楽しみに待っていたのでその辺をもっと詳しく読んでみたかった気もするが、重すぎるテーマゆえ、娘と夫に関しては淡々と事実が描かれるだけでも胸が苦しくなる。
三作通して、アイスランドの凍てつくような寒さも相まってひたすら重い雰囲気の作品ではあるが、名作である。 -
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ネタバレカール、いい加減犯人のところに乗り込む時は拳銃持ってくれ。
序盤は犯人の方が一歩先を行っていたが、それを覆すのがチームワークだった。犯人の策略が次々と、一つずつ崩されるところはページをめくる手が止まらなくなるほど。
全て偽名で何もかも準備し、更に別名義で二重の足跡消しをしていた犯人は流石。全てを変えたが「普通が一番目立たない」ことを徹底したところなんかも連続誘拐殺人犯としては称賛されるところかもしれない。ただ、その偽名を身近な人から取ったところは浅はか。余裕がないはずなのに逃げずに後始末を優先したところなんかは、自らの能力の過信と今まで見つからなかった傲慢さのツケを考えていない。
浅はかさを