吉田薫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ特捜部Qシリーズ第二作。
時々読書の神様は意地悪なことをする。
閉鎖的な学校での暴力がエスカレートし、殺人に至る。
そして復讐、という似通った主題の作品を立て続けに読むことになってしまった。
とはいえ、主人公の刑事のタイプが全く違うし、
学校と行っても子供の学校と大人に近い学校と舞台も異なっていたので、
とくに混乱したりすることはなかった。
簡単に言えば、こちらの作品の方が暴力的で、しかも唾棄すべき加害者たちということかな。
とりあえず、自分が気に入っているアサドがアシスタントを続けていたのが良かった。
あいかわらず資料集めでも、聞き取りでも活躍してたし。
さらにもう一人特捜部のメンバーが増えたものの、
もてあましているカール警部補。
新しい特捜部はまだまだ大変だ。
美人の精神科医との関係も進まないし。
それと、
カール警部補の仲間を死亡と重傷にいたらしめた事件の解決はあるのだろうか。 -
Posted by ブクログ
シリーズものを3作連続して読む機会は、今まで無かったと思う。小説の面白さもあるが、入院に伴う時間の流れ方が今までにないものだったからだ。
今回の事件の発生は7年前だった。誘拐された少年が犯人の目を盗み、助けを求める手紙を書き、瓶に封入して海に流したのだ。その手紙はスコットランドの漁師、スコットランド警察を経て、デンマークの特捜部Qのカールの手に渡り、操作が始まった。
7年前の事件を調査するうちに、同様の誘拐事件は被害者を変え、繰り返されていることがわかる。そして、今まさに進行中の一件があったのだ。解決に向けて奔走する特捜部Qと、犯人の息詰まる駆け引きが展開される。被害者の家族や犯人の家族の再生の物語も絡んでくる。
助手アサドとローサについてのサイドストーリーも挿しはさまれているが、進捗は遅い。もう少し物語を進めてほしいところだ。 -
Posted by ブクログ
犯罪者や移民は子供を産むべきではない、異常な選民主義の医者が昔、施設送りにした女性と、農場で育ち無知なために15歳で妊娠流産、施設に送られる。
島の施設に集られた女性達は知能が足りない、社会に受け入れられない堕落した女性として、一生そこに閉じ込められるか、出られたとしても不妊手術をされる。
とにかくテーマが生々しい。この背景は実際にデンマークの史実をもとにされて施設も実在していたそうです。
移民はヨーロッパの国々では今、重大な問題になっているし、膨大な税金が投入されている中、こういった選民思想は少なからず出ているはず。
現実問題としてみると、理想論だけではやっていけないのかもしれない。いろいろ考えさせられました。
割とびっくりな展開もあって、本作も読み応えありました。
あとデンマークって島が多いんだなとか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回は完全にQ課トリオが少年マルコ一人に食われてしまった感があったが、それによって面白さが損なわれるようなことはなかった。
訳者あとがきにも書かれているとおり、読んでいくうちに最後まで無事でいてほしいと願いたくなるマルコの魅力が最大の見所。
スリや物乞いで生きていかなければならない身であっても、心根は真っ当で賢く、向学心に溢れているマルコは、ひねくれ者だらけのこのシリーズにおいては珍しく清涼剤的な存在。アサドも癒しの存在だけど彼の場合はまだまだ謎が多いしw
事件の発端はアフリカで起こり、そこからいったん別の事件を挟んでようやくマルコと特捜部Qが薄い接点で繋がってくるので、序盤で少々だれてしまったが、接点までの道のりをマルコが引っ張ってくれているので、やはりマルコの存在感は大きい。
事件の最後に特捜部Qが全員一致で示したある2つの行為は、決して法的に正しいわけではないけれど、もともとアウトロー気質な彼らが下した判断だと思えば爽やかで人間味に満ちた情状酌量である。
カールと犬猿の仲のビャアンが新たなポジションに着き、新たな一面を少しだけ見せているが、これもまだまだ謎だらけ。もしかしたらシリーズが終着駅に着く頃にはこの犬猿の仲が緩和されてるかも…と思わないでもないが、今のところ相変わらず嫌なヤツである。
また、カールの恋人未満リスベトが新たに登場。個人的にはモーナに魅力を感じないし、カールがそこまでモーナを恋慕する気持ちがさっぱり分からないので、私はリスベトのほうに肩入れしたい。
ハーディの状態が少しずつ好転してきているのが今回の朗報! -
Posted by ブクログ
ネタバレ犯罪シーンの残酷描写と捜査する特捜部のひょうきんな描写が、全く別の指向なのに、何故か違和感なく両立して書き込まれているあたりが凄い。ボリュームの割に「大作を読みきった」感がないのは、良い意味で物語世界に入れていたからかもしれない。
際立って「スゲーっ」って作品でもないけど、北欧警察小説の面白さは十分に味わえる。ただ前作よりは詰めが甘い感じかなぁ。シリーズ物なので今後の展開が楽しみ。
特に、アサドとローセの正体が気になる。
そして、モーナが魅力的やなぁ。カウンセラーにかかるなら、スーザン・シルヴァマンよりモーナにかかりたいと思わせるぞ。 -
Posted by ブクログ
シリーズ5作目。
汚職事件を主軸に、それに絡んだ殺人事件に巻き込まれた15歳の少年マルコの逃走劇が見ものです。
特捜部の面々と事件当事者のそれぞれが交互に描かれ、やがて交差して解決へと向かう手法はいつも通り。
今回の事件当事者の主要人物であるマルコは、聡明で向学心や自立心旺盛ながら、幼い頃よりスリや物乞いを強いられてきた少年。
身の危険を感じ逃走する中、汚職事件の闇に飲み込まれていきます。
マルコを追いかける仲間やら殺し屋やらがとにかく危険な人物ばかりで、時に人の優しさに触れ、時に人に裏切られながらも知恵と勇気で逃げ惑うマルコに、読者は手に汗握り応援したくなります。
マルコがんばれ!
その一方で特捜部Qの面々は相変わらずでした。アサドは謎だし、ローサは意味不明だし、カールはイライラしてるしみんな大騒ぎ。
やはり、このとぼけた特捜部Qと重い事件とのギャップが良いです。
マルコの終盤の逃走劇や事件の収集の仕方には出来すぎ感がありますが、最後まで読者の希望通りスッキリ終わらせてくれるのもこのシリーズの良いところだと思います。
サイドストーリーも進展しており、今回マークスが引退してカールの宿敵であるビャアンが後任となりました。
ビャアンとアサドとの関係からアサドの過去が明らかになりつつあり、又ビャアンにも何かがありそうです。
一番気になったのが、イェスパが屋根裏にある開かない段ボールについて、カールがそんなものは知らないと言った場面。どうでもいい場面なのかもしれませんが、妙に暗示的に感じました。カールにも本人の知らない何かがまだまだありそう。
それにしてもミカは素晴らしい。ハリーの回復が今後過去の事件とカールにどう影響を及ぼすのが気になるところです。