吉田薫のレビュー一覧

  • 軋み

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    最近ハマっているアイスランドのミステリー。
    最初はなかなか覚えられなかったけど、人の名前も地名も、最近なんとなく馴染んできた感じがする。

    主人公のエルマはレイキャヴィークの警察で働いていたが、生まれ故郷のアークラネスに戻ってきた。長い間付き合っていた恋人と別れたことがその原因みたい。エルマは今でもその恋人のことが忘れられない。ついつい電話やメールをしたくなる衝動を抑えつつ(決して彼は反応してくれないのだが)新しい職場に馴染もうと努力している。
    アークラネスは小さな町で人口も少ない(ここアイスランドは、首都であるレイキャヴィーク以外のすべての町は人口が少ないようだ)。そこに住む人たちはたいてい

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    2025年05月30日
  • 喪われた少女

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    アイスランドのフルダ警部シリーズ2作目。前作の十五年前、フルダは家族の喪失に傷つきながらも、有能さを発揮している。十年前、20代の仲良し男女 5人組に何があったのか。事件を引きずる4人はどういう青春を送ったのか。フルダ自身の過去も絡めて解決の時が来る。
    絶壁の無人島エトリザイ、露天風呂のある西部フィヨルドとアイスランドのすばらしい風景が描かれていて、行ってみたいなぁ。

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    2025年05月19日
  • 特捜部Q―キジ殺し―

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    読んだ本 特捜部Qーキジ殺しー ユッシ・エーズラ・オールスン 20250504

    「檻の中の女」の次のシリーズ。特に謎解きもなく、過去の未解決事件をきっかけに、現在進行している事件を追うってシリーズなんだけど、主人公のカールがなんともひねくれていて、ヒーロー感がなく、成り行きを眺めているだけの読書も結構面白い。
     確かに映画にすると面白いのかもしれないけど、字幕でこのひねくれ感が伝わるのかちょっと疑問です。とは言え、今度観てみようかな。
     

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    2025年05月04日
  • 特捜部Q―キジ殺し―

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    ネタバレ

    デンマークの警察小説、特捜部Qシリーズ第二弾。

    いつの間にか置かれていた資料には、数十年前に解決し、犯人も収監中の兄妹殺しのことが。調査を開始するカールとアサドだったが、捕まらなかった者たちの存在を知る。

    うーん、疾走感とハラハラ感は前作の方が上か。カールたちの捜査パート、ホームレスの女性のパート、逃げ切り社会的に成功した三人のパートの視点があるが、逃げ切った三人のパートが胸糞すぎて…捜査パートも、前回ほど犯人をじわじわ追い詰めるものでもなく。
    更には、ラストもそこまで爽快感のあるエンディングではないので、総じて一作目が良かったなと。次作はガラスの鍵を受賞したとのことで、楽しみにしている。

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    2025年04月29日
  • 特捜部Q―Pからのメッセージ―(下)

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    ネタバレ

     とても面白かったです!

     今回も、変わらず嫌なヤツが犯人でしたが、テンポ良く、先の気になる展開に、どんどん惹き込まれ、あっという間に読んでしまいました。

     テーマは新興宗教。そして信者のこども達…。犯人の過去も、可哀想な描写はありましたが、それでも非道な犯行を繰り返し、犯人に対する、哀れみの気持ちは消えました。

     几帳面で、犯行もぬかりなく行なってきた犯人でしたが、最後の最後に凡ミス連発?で少し拍子抜けしました…。まさかのボーリング愛好家とは…。ここまで犯罪を繰り返してきたなら、一般人と戯れるのはリスクが高すぎる…!と私は感じました。

     私的には、もう少し犯人の苦しむ最期が見たかった

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    2025年03月13日
  • 喪われた少女

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    『闇という名の娘』に続くシリーズ2作目。
    このシリーズは、回を重ねるごとに過去に戻るのだ。
    主人公のフルダ・ヘルマンスドッティルは、前作では定年間近だったが、今作では10数年遡り、まだ50歳。偉くなりたいという野心の炎は赤々と燃えている。

    フルダという人間は、非常に頑固で扱いにくい一面がある。
    それは彼女が幼い頃、ある理由から施設に預けられていたからなのか。
    その頑固さ故なのか母親と心を通わせることができなかった。その人間としての不完全さが、彼女自身を傷つけているのではないかと思う。

    起った事件についていうと、前回の話より今回の話のほうが分かりやすく、読みやすかった。
    10年前に起こった、

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    2025年02月10日
  • 特捜部Q―Pからのメッセージ―(下)

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    子は親のものでは無い。
    親の信仰を子に押し付ける、生まれながらにして一つの枠の中に閉じ込められた子は、親に見放されることを恐れて従う。
    やがて思春期に矛盾した感情に苦しむ。

    ミステリーはその国の闇を背景にする。
    弱者である子と強者である親の関係がねじれる。
    子供の頃の心の歪みは成長とともに社会の歪みに埋没していく。
    デンマークではなくても、この国でも共通する。

    こんなに重いテーマにも関わらず、思いっきり「暗い」北欧ミステリーとは一味違い、相変わらずの騒々しさがクセになるほどに良い。

    主人公らしく無いカールや不思議なアサドとローセ、上巻で感じたストレスは下巻に入って一気に吹き飛んだ。

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    2025年02月04日
  • 闇という名の娘~The HULDA TRILOGY #1:DIMMA~

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    『ヴェラ~信念の女警部』が好き過ぎて、海外の女性刑事というと、頭の中で描くビジュアルがすべてヴェラになっちゃう。困ったもんだ。
    それはおいといて。
    とても面白かったです。訳者との相性がよかったのか文章はスルスルと読み易く、あまり馴染みのないアイスランドという国の美しい風景写真を眺めながら、あっという間に読み終わりました。

    数か月後に定年を控えた女性刑事、フルダ。64歳。
    いわゆるガラスの天井なるものに阻まれて、優秀だったにも関わらず警部どまりだったことに憤りを感じている。夫とは死別しており、今はひとり暮らしだ。
    最近趣味の山登りで、素敵な男性と知り合った。穏やかな人柄で、暮らしぶりもよく

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    2025年01月21日
  • さるまね 2巻【特典イラスト付き】

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    猿たちがまさか火縄銃まで使い始めるとは、見ただけで出来るのは人間よりも頭がいいかもしれないですね。喧嘩してる場合じゃないでしょと思いました。

    #じれったい #ドキドキハラハラ

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    2024年12月11日
  • さるまね 1巻【特典イラスト付き】

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    一度でも見られたらすぐに覚えたり工夫したりするのが並みの人間よりも賢いかもしれないと思いました。甘く見ると勝てないですね。

    #ドキドキハラハラ

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    2024年12月11日
  • 特捜部Q―キジ殺し―

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    ネタバレ

    読んでいる間、ずっと眉間にしわを寄せていたと思う。
    そのくらい嫌な事件。
    最初から最後まで暴力的な、救いのない話だった。

    寄宿学校時代の友人グループ。
    男子5人女子1人といういびつなバランスで、学友や教師たちを性や暴力で蹂躙していく。
    しかしそのバランスが崩れたとき…。

    まず男同士のつながりが気持ち悪い。
    深い友情とは無縁の自己中同士なのに、互いの欲望を満足させるためにつるみ、学校を卒業して20年たった今も、その容赦ない暴力への嗜好を満足するためにつるんでいる。
    金持ちだから、そして暴力に関しても容赦ないから、敵はいない。
    ただ一人、仲間の前から姿を消した唯一の少女・キミーを除いては。

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    2024年08月27日
  • 特捜部Q―Pからのメッセージ―(上)

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    じわじわと追い詰められていく怖さを書くのが本当に上手い。
    過去作品と比べて出来事も複雑で、ページをめくる手が止まらない。

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    2024年07月25日
  • 特捜部Q―Pからのメッセージ―(下)

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    警察小説でありながら、派手なカーアクションやボーリング場での犯人との駆け引き、ミアの脱出シーン等、とても読みどころが満載のサスペンスタッチの完結編でした❗

    ただ少し残念なのは、デンマークの地理に疎いので、折角ならデンマークの地図を載せてもらえたなら、もっとイメージが出来たかなぁと感じました❗

    このシリーズの事件はどの作品も救いようのない残忍で冷酷な内容ばかりですが、キャラクターの個性がとても光っていて、自分的には久し振りの当たりの海外ミステリーです♫

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    2024年01月09日
  • 特捜部Q―Pからのメッセージ―(下)

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    ネタバレ

    先に映画を観ているといっても全く安心できず焦燥感を抱えたまま最後まで読む手が止まりませんでした。なんということでしょう……面白かった。。
    常に特捜部Qの一歩先を行く犯人だけれど包囲網を徐々に狭めていくのが良いです。そこが繋がるの!?という驚きがあります。映画とは違ってるので安心できない。
    被害者となるカルト宗教信者の各家族、宗教的な排他ではあるものの、底には悲しみに共感できる心がちゃんとあるんだなと思えました。敬虔になる人は元々真面目だったり謙虚だったりするんだろう。。特捜部Qに呼び出されたりして犯行が続いているのを知るとちゃんと協力してくれる。
    現在進行系の事件が間に合って良かった…けれど、

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    2023年12月26日
  • 特捜部Q―Pからのメッセージ―(上)

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    ネタバレ

    映画観たので、3作目はカルト宗教ものだとわかっててもキツい。
    ボトルメールが何年も放置されてて、でも特捜部Qに回ってきて良かったです。13年前だから経年劣化であれまなボトルですが今は食堂勤務の元鑑識官も手伝っててかなり捜査が進みました。
    特捜部Qが、いつもの面々からローセの代わりに姉ユアサが加わっててもドタバタしているので、辛さと笑いが3:1なのがそんなに救いになってないです。カールのセンス良い毒舌は健在だし3人とも変わらず面白いけど。アサドいつも何食べてんだろ。
    犯人サイドと被害者サイドはとてもつらい。犯人もカルト宗教育ちなら、被害者もカルト宗教信者のご家庭から選んでいる。上巻で犯人の動機も

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    2023年12月23日
  • 喪われた少女

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    ネタバレ

    ともかく、主人公が不幸過ぎる。そして事件の当事者達も酷すぎるな。この作家さんは残酷だよ。
    ミステリーとして面白いが解決が少し安易かな?まぁ登場人物が少ないので犯人を推理するのは容易だった。
    イヤミスみたいな物で、読後感の悪さはなかなかでした。
    最後の主人公の願いも一冊目を読み終わってるだけに、凄い皮肉だ。

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    2023年10月14日
  • さるまね 分冊版 1巻

    無料版購入済み

    結構怖いのでは?

    最近ピンと来るホラーがないなぁと思ってましたが、これは結構怖いのでは…?人間の力ではどうすることもできない力相手にどうするのか、続きが気になります。

    #怖い

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    2023年10月13日
  • 闇という名の娘~The HULDA TRILOGY #1:DIMMA~

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    ネタバレ

    謎解きは面白くテンポも良い。そして、あっと驚く結末。
    充分に読み応え有り。
    でも、作者の書きたかったのは、主人公の生い立ち、苦悩、苦境、孤独などなど、
    どこ切っても辛く悲しく、そして憤り。
    こうまで辛い人生でも刑事として自分なりの正義を貫こうとする姿勢は、立派だけど作者は更に捻りをいれてくる。
    正義って見方によって、悪にでもなるし、悪い事をすれば、災厄が自分に返って来る
    なんて、説教臭いけど、いわゆる因果応報ってことだね。
    衝撃的なラストも、僕に皮肉が強すぎて、まるでコメディのように思えて、不謹慎だけど笑ってしまった。
    ともかく、すげぇ~と思わせる作品だった。

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    2023年10月09日
  • さるまね 1巻【特典イラスト付き】

    ネタバレ 無料版購入済み

    人間の行動を完璧にコピーする猿がおそろし過ぎる。武器を使えば、それも真似して反撃してくるなんて、どれだけ知能が高いのか。人間が猿たちを倒す事は出来るのか? 結末が気になる。

    #怖い #ドキドキハラハラ

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    2023年07月16日
  • 特捜部Q―キジ殺し―

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    未解決事件を調査するはずの特捜部Qのデスクに解決済みの兄妹惨殺事件の書類が置かれていた。犯人は自首して服役中なのだが……。カールとアサドは新メンバーローセとともに再調査を始めるが。→

    シリーズ2作目。前作とは違い冒頭からわかりやすい展開。そして出てくる事件の関係者たちが全体的にクソオブクソ(お下品な言い回しで失礼します)
    暴力描写がすごくて眉間の皺が濃くなりそうな感じなんだけど、特捜部Q側が逆に明るくて救われる。変人だけど仕事ができるアサドとローセ、最高→

    正直前作に比べたら物足りなさはありつつも、特捜部Qメンバー(+α)が魅力的なんで、次も読んでいく!
    個人的にはマークス・ヤコプスンとカ

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    2023年06月23日