吉田薫のレビュー一覧

  • 闇という名の娘~The HULDA TRILOGY #1:DIMMA~

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    ネタバレ

    定年間際や定年後の刑事を描く物語というのは特に珍しくはないが、意に反し早期退職を迫られ良かれと思ったことが裏目に出て焦るあまりに墓穴を掘るという不幸の連続にはサラリーマンの読者であれば身につまされること請け合います。アイスランド語の原著の英訳本から翻訳しているので本当のところはどうなのか判らないが、陰々滅々だといえなくもない話なのに日本語訳では小学生にでも読めそうな拍子抜けするほど平易な文章なのが「いとをかし」

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    2021年12月28日
  • 喪われた少女

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    フルダシリーズ2作目。1作目の解説で、2作目の紹介が有ったのでフムフムと。
    前回のフルダはいわば「人生の難破船」的精神状態。崩れ落ちて行く周囲の世界の合間でどこまでが現実やら、どれが現時点やら、こちらも雪盲状態?で読み終えた。この作家さん、独特の精神世界。センテンスの短さ、驚くほど文字数の少ない症候性で抜群の読み易さというか「読む絵本」的。
    そうはいってもひしひし迫る冷たさと嘘寒い恐怖の高まりは今回も同様。

    若返っているはずのフルダはなんか老成している感じ。
    前作は夫との関係、哀しい娘の生涯が語られたが今回はフルダ自体の出生の秘密。
    アイルランド版朦朧体とでも言えるかな。

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    2021年12月06日
  • 特捜部Q―Pからのメッセージ―(上)

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    コペンハーゲン警察が舞台のミステリー。古いボトルメールのメッセージから、事件が広がってゆく。犯人の残虐な行為は、読むに堪え難いものがあるが、特捜部Qのカールやアサド、ローゼの軽妙なやり取りに緩和されて、ついページを進めてしまう。読後感は良い。

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    2021年11月26日
  • 閉じ込められた女

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    フルダシリーズ、最終章。3作め。
    遡ってシリーズになっているので、彼女の、苦しみを、わかりつつも、最後は、結果的に、~なんだよね。って!
    事件における物語は、いつも解明される段階で、味わい深い。もう一度、1作めから、読みたくなった。

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    2021年11月04日
  • 特捜部Q―カルテ番号64―

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    外れないわ~~
    めっちゃ嫌な奴がいて
    周りから攻める
    合間のカールの事情・・・
    堪能しました

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    2021年08月10日
  • 閉じ込められた女

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    そういうことか、、うまいな、とうなってます。アイスランドの厳しい冬が少しだけでもイメージできました。全く外に出られず、外と繋がる手段もない、テレビもない、なんてとても無理です。誰もがそうしたくなかったのにな、、とため息が漏れます。

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    2021年08月07日
  • 特捜部Q―キジ殺し―

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    ローセ登場
    嫌々受け入れたけど、絶対必要だからね
    これでQの体制が整った

    本より先に映画見ていて・・・
    読んだ後再度見てしまった

    やっぱり本だわ!!!

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    2021年08月04日
  • 特捜部Q―キジ殺し―

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    特捜部に新しいメンバーの女性が入り、コンビからトリオに変わったチームで国の大物達のはんざいに挑む。途中で妨害に合うもより闘志を燃やすカール。そしてかつて大物達の仲間だった女性。3つの視点で事件で物語が進む。
    事件は最後は後味悪く終わるが、それを受けてカールは
    ある決断する。最後は元嫁が全て持っていった

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    2021年07月09日
  • 特捜部Q―Pからのメッセージ―(上)

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    特捜部Qシリーズは、犯人の悪の書き方が同情できないレベルの悪で震えると共に、その悪を特捜部Qの力の他に運命の歯車が壮大に狂って裁きが下るのがとても好きです。
    そこに至るまでが辛い文章なんですけどね。
    今回の被害者になるまでの流れも辛かったけど、後半で結束して立ち向かうことにしたのはスカッとした。
    下巻で今回の被害者たちの行動に特捜部Qの捜査が加わって犯人のミスが増えて自滅に向かうのを楽しみにしてますよ。
    神なぞいない。だが、善悪のバランスは常に監視されているのではないかと思わせる流れ。

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    2021年04月13日
  • 特捜部Q―知りすぎたマルコ

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    国家予算を騙し取る政府の役人と銀行家、その巻き添えになって口止めのために殺されてしまう下っ端の公務員と現地の熱意ある真面目なスタッフ。大がかりで机上のインチキで金を騙し取る犯罪の犠牲者と、力と恐怖と知識や教育を与えない虐待で支配した子供たちに物乞いや盗みをさせて金を集める泥臭い悪人の犠牲者が交差したことで、特捜部Qの面々が動き出します。主人公のひとりマルコという少年が非常に利発で魅力的でした。Qの面々は相変わらずですが、ハーディに回復の兆しが現れ、カールはモーナに振られ、アサドはひどい怪我から後遺症もほとんどなく回復していて、良かったです。

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    2021年03月12日
  • 特捜部Q―カルテ番号64―

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    特捜部Qシリーズ4作目。スプロー島という島に1960年代まで実在したという、知的障害があったり品行方正でなかった(と独断で判断された)りした女性の矯正施設(という名の強制収容施設)を土台にしているそうです。よもやこんなひどいことが、と慄きながら読み進み、慄けることは幸運なのだな、としみじみ感謝しつつ、複雑な気持ちで読みました。子供の頃に母親を亡くしたことに起因する知識の欠如に、いくつもの不幸と無関心と不親切と悪意が最悪のタイミングで重なってしまったニーデという美しく魅力的な女性と、親子二代で優性思想にとりつかれつつも権威を持った医師であるため長期間に渡り非道な行為を続けてきて政治にも働きかけよ

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    2021年02月21日
  • 特捜部Q―Pからのメッセージ―(下)

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    ネタバレ

    上巻は乗れず、何とか読み終えたが、下巻は1日で読み終えた。映画とはほぼ違うもの。

    モジュラー型とはいえ、偽装火事の話は無い方がすっきりすると思うのだが、そういうものなのだろうから、仕方がない。その意味で、別のキャラ設定(アサドやローサにあれほど謎を置く必要も疑問)をして、ストーリーをシンプルにした映画があることで、特捜部Qの世界が広がっている。

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    2020年12月31日
  • 特捜部Q―Pからのメッセージ―(上)

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    途中、火事やら何やら、誘拐とは別のものがあってだれたが、上巻の終盤からペースが上がって面白くなった。詰め込みすぎなのが難点でもあり、魅了でもあるのか。

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    2020年12月29日
  • 特捜部Q―Pからのメッセージ―(下)

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    下巻、解説にもあるが
    もう冒頭からノリに乗っているのである。

    特捜部Qのカールとアサドは地道に調査
    誘拐犯は犯行を着々と進める
    問題は誘拐された、子供の母親
    こちらが…大爆発している。
    上巻で読んだ印象は吹き飛び、子供のために闘う。

    そこから捜査チーム側につながり、犯人との攻防がカール達に引き継がれていく流れは怒涛でした…

    解説の「メッセージボトルという小道具は"偶然"が付き纏うため危険」という話も納得、この作品では主人公カールはボトルに対して距離を置いていたし、ボトルの要素をうまく使っていた。

    暗く重たいテーマ×少数チーム(イライラしてる主人公+謎の変人達)という

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    2020年12月20日
  • 特捜部Q―Pからのメッセージ―(上)

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    特捜部Qの三作目
    二作目がちょっと微妙だったので警戒しながら読み始める。

    海辺で見つかったメッセージボトル
    中には「助けて」と言う書き出しと、解読出来ないくらいに文字が削れた手紙が

    アサドやローセは、救助を求めているはず、と捜査を進めるがカールはなかなか乗り気にならない。

    冒頭でメッセージを送った側の青年の視点が描かれていたので「おや?これは一作目のパターン(監禁された女性の視点と捜査チーム側の視点)と似た展開か?」と考えてしまったが、メッセージが投げ込まれたのはかなり前の話で犯人は捕まらずに、いまだに犯行を続けている点が違う。

    今のところローセが勝手に休暇を取り、代役として派手目な姉

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    2020年12月18日
  • 喪われた少女

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    ネタバレ

    今作も面白かった!
    娘の死についてあまり書かれていなくて残念。どうして感の鋭いフルダが気づかなかったのか?そしてどうやって知ったのか。。。
    自作が待ち遠しい!

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    2020年11月20日
  • 喪われた少女

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    読みやすい翻訳で、サクサク読めました。事件そのものよりも、いろんな人の裏の顔が見えるところが深いです。リーズルは○○としか言いようがありません。闇と、、を先に読んでるのでフルダの今後がわかってしまってますけど、辛い時期を過ごしてたんだな、と寄り添う気持ちが湧きました。そして、今回もアイスランドの風景に興味が湧きすぎてググりましたよ。事件の舞台となるエトリザエイ、なんてすごい場所なんでしょう!2時間ドラマもびっくりな断崖です。切り立った感じが素晴らしく、いってみたくなりました。高いところ得意じゃないですけど。

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    2020年11月03日
  • 喪われた少女

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    シリーズの、2作目で、世代が、戻って50代!
    前作で、定年間近、しかも闇を、背負っているフルダを、知っている私達読者に、彼女の出生の秘密を探る人生を、絡めながら、今回も、事件解決に、頑張る姿は、ただの警察小説ではない、奥行が、あって良かった!
    早く、次が、読みたくなった!待ち遠しい!!

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    2020年10月19日
  • 喪われた少女

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     どんどんダーク化が進んでいるラグナル・ヨナソン。その中でもあまりにダークすぎるスタートを切った女性警部フルダ・シリーズ第二作。第一作で読者側の概念をまず思い切りひっくり返すところから始めたヨナソンという作家は、本書でもフルダというダーク・キャラな中年女性警部をヒロインとして、彼女の出生の秘密に迫りながら、複雑に絡み合った人間関係のもたらす二つの事件を描く。

     一方で孤立した別荘での殺人事件、さらにフルダが十年後に偶然担当することになった孤島での女性の謎めいた死のあまりに強い関連性に読者は、あっという間に引き込まれることになる。前作でフルダの運命に絡んだと言える、警察内部の悪辣な上司との絡み

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    2020年08月31日
  • 喪われた少女

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    1978年10月、アイスランド西部フィヨルドへ秘密の週末旅行に向かう若い男女がいた。数日後、地元警察のアンドリェスは別荘で死亡している女性を発見する。
    残されたセーターから彼女の父親が犯人と見たレイキャヴィーク警察のリーズルは、アンドリェスに嘘の証言させ、父親を逮捕する。

    10年後、殺された彼女を偲んで4人の仲間が集まった。ベネディフト、アレキサンドラ、クラーラ、そして死んだ女性の弟・ダーグルだ。向かったのは、絶海の孤島・エトリザエイ。島にひとつしかないロッジで、4人は夜を過ごす。
    その夜、ダーグルはベネディフトの何気ない思い出話に違和感を覚え、クラーラは暗闇に“彼女”の姿を見たと言い

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    2020年08月09日