吉田薫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
国家予算を騙し取る政府の役人と銀行家、その巻き添えになって口止めのために殺されてしまう下っ端の公務員と現地の熱意ある真面目なスタッフ。大がかりで机上のインチキで金を騙し取る犯罪の犠牲者と、力と恐怖と知識や教育を与えない虐待で支配した子供たちに物乞いや盗みをさせて金を集める泥臭い悪人の犠牲者が交差したことで、特捜部Qの面々が動き出します。主人公のひとりマルコという少年が非常に利発で魅力的でした。Qの面々は相変わらずですが、ハーディに回復の兆しが現れ、カールはモーナに振られ、アサドはひどい怪我から後遺症もほとんどなく回復していて、良かったです。
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Posted by ブクログ
特捜部Qシリーズ4作目。スプロー島という島に1960年代まで実在したという、知的障害があったり品行方正でなかった(と独断で判断された)りした女性の矯正施設(という名の強制収容施設)を土台にしているそうです。よもやこんなひどいことが、と慄きながら読み進み、慄けることは幸運なのだな、としみじみ感謝しつつ、複雑な気持ちで読みました。子供の頃に母親を亡くしたことに起因する知識の欠如に、いくつもの不幸と無関心と不親切と悪意が最悪のタイミングで重なってしまったニーデという美しく魅力的な女性と、親子二代で優性思想にとりつかれつつも権威を持った医師であるため長期間に渡り非道な行為を続けてきて政治にも働きかけよ
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Posted by ブクログ
下巻、解説にもあるが
もう冒頭からノリに乗っているのである。
特捜部Qのカールとアサドは地道に調査
誘拐犯は犯行を着々と進める
問題は誘拐された、子供の母親
こちらが…大爆発している。
上巻で読んだ印象は吹き飛び、子供のために闘う。
そこから捜査チーム側につながり、犯人との攻防がカール達に引き継がれていく流れは怒涛でした…
解説の「メッセージボトルという小道具は"偶然"が付き纏うため危険」という話も納得、この作品では主人公カールはボトルに対して距離を置いていたし、ボトルの要素をうまく使っていた。
暗く重たいテーマ×少数チーム(イライラしてる主人公+謎の変人達)という -
Posted by ブクログ
特捜部Qの三作目
二作目がちょっと微妙だったので警戒しながら読み始める。
海辺で見つかったメッセージボトル
中には「助けて」と言う書き出しと、解読出来ないくらいに文字が削れた手紙が
アサドやローセは、救助を求めているはず、と捜査を進めるがカールはなかなか乗り気にならない。
冒頭でメッセージを送った側の青年の視点が描かれていたので「おや?これは一作目のパターン(監禁された女性の視点と捜査チーム側の視点)と似た展開か?」と考えてしまったが、メッセージが投げ込まれたのはかなり前の話で犯人は捕まらずに、いまだに犯行を続けている点が違う。
今のところローセが勝手に休暇を取り、代役として派手目な姉 -
Posted by ブクログ
どんどんダーク化が進んでいるラグナル・ヨナソン。その中でもあまりにダークすぎるスタートを切った女性警部フルダ・シリーズ第二作。第一作で読者側の概念をまず思い切りひっくり返すところから始めたヨナソンという作家は、本書でもフルダというダーク・キャラな中年女性警部をヒロインとして、彼女の出生の秘密に迫りながら、複雑に絡み合った人間関係のもたらす二つの事件を描く。
一方で孤立した別荘での殺人事件、さらにフルダが十年後に偶然担当することになった孤島での女性の謎めいた死のあまりに強い関連性に読者は、あっという間に引き込まれることになる。前作でフルダの運命に絡んだと言える、警察内部の悪辣な上司との絡み