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「特捜部Q」――過去の未解決事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の新部署である。「Q」が今回挑むのは、八〇年代に起こったナイトクラブのマダムの失踪事件。アサドとローセの調査によるとほぼ同時に五人もの行方不明者が出ているという。カール・マーク警部補は大事件の匂いを嗅ぎつけ捜査に着手。やがて、壮絶な過去を持つひとりの老女と新進政党の関係者が捜査線上に浮かび上がってくるのだが……。デンマークを代表する文学賞「金の月桂樹」賞受賞! 人気警察小説シリーズ、待望の第四弾!
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「特捜部Q カルテ番号64」
2019年1月公開 出演:ニコライ・リー・カース、ファレス・ファレス、ヨハン・ルイズ・シュミット
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Posted by ブクログ
面白かった。 まさかニーデがね〜。確かにギデの描写はなかったけど。 それはそうとアサドは回復するのかな〜
周りには第1作目の「檻の中の女」を読んでいる人が居るので、語りたい気持ちをぐっとこらえる。ガマンガマン。 あ~早く話したい。「もっと・・・・」とか「こんな・・・」とか「それからね・・・・」とか「あの件は・・・」とか。 く、苦しい! 早く続きも読みたい!
デンマーク・スプロー島 1923年から1961年までこの島には女子収容所が実在しました。 収容所には法を犯した者を始め、当時の倫理観にそぐわない者や軽度知的障害者とされた女性が収容され、彼女たちが収容所から出ようとすれば、不妊手術を受け入れなければいけませんでした。 特捜部Qシリーズ第4弾の本書...続きを読むはこの収容所と現在の移民排斥運動を背景に、優生学思想に染まった者たちと彼らの被害者の個人史を描いたものとなっています。 他のシリーズ既刊が凄惨なストーリーの中にも希望やユーモラスも感じる事が出来る中、本書は全面グレイに覆われており、自身の少年時代にも人道主義の名のもとにこの収容所が実在していたと言う事実から受けた著者の衝撃の程がうかがい知れます。 【あらすじ】 人口500万人のデンマーク。 同国において20数年前、失踪事件が不自然な頻度で起きていた事に気付いた特捜部Qはこの連続失踪の影に何らかの犯罪が存在しないかと疑い、捜査を開始する。 失踪者たちの共通点を探る彼らはやがて元収容者の女性にたどり着く。 しかし、同時にその優生学思想を強く批判されている政治団体「明確なる一線」を刺激し・・・ 偏見に基づき他者を不妊化する。 日本におけるハンセン病療養所を連想させるストーリーです。 北欧系のミステリーはこれまで何冊か読んできましたが、読んだ全てが何らかの社会問題がテーマに含まれており、ただの「ミステリーの為のミステリー」にはなっていません。 「ミステリーの為のミステリー」も勿論良いのですが、本書の様なミステリーを読むと果たしてそれだけで良いのか?と。 私がその存在を知らないだけかもしれませんが、日本人作家による社会問題を深くえぐるミステリーを読んでみたいです。
シリーズ第四作は言わば二つの犯罪の物語。社会正義、公共の利益の名のもとに行われてきた組織的犯罪と、その犯罪に対する復讐のための殺人。ニーデの人生が壮絶過ぎて、哀しすぎて胸が痛みます。デンマークもゲルマン民族の国、それにしても第二次大戦が終わりナチスが断罪された後もそんなことが行われていたとは…。特捜...続きを読む部のメンバー、特にアサドとローセは息がぴったりと合ってきて、ますます次作以降への期待が高まります。「鋲打ち」事件の真相解明もまだ、アサドの謎も深まるばかり…。早く次回作が読みたくてたまりません。
特捜部Qシリーズ 今回の作品、本当に怖いものだったですね。ハンセン病と同じように、精神疾患、あるいはセックス依存症と考えられた女性を島に閉じ込めて不妊手術まで施していたこと、知りませんでした。デンマークの負の歴史に真摯に向き合いながら、人間の「業」のようなものを、ミステリ仕立て語りかけてくれます。 ...続きを読むカール、アサド、ローセ 彼らの謎はまだまだ解明されていませんよ
ミステリの新刊を楽しみに待つなんてこと私には滅多にないのに、これは別。キャラクターがいい。変に個々の内部まで描写しようとしないで、かといって突き放した目線でもなく、ミステリの体裁はとりつつも、人間を描いている。アサドはやっぱり正体不明。ハーディーに朗報!思わず涙ぐむシーンも2、3あった。というか映画...続きを読む化らしい!!!
『人間の一生は、誘惑の奈落の上を綱渡りし続けることであり、一歩間違えれば、どん底に落ちることもある。』 北欧ミステリーの人気シリーズ【特捜部Q】の第4弾。 本作は50年ほど前に実際にスプロー島に存在した女子収容所と、そこで行われていた非人道的な行いの史実をもとにしたストーリーだ。 映画化もされ...続きを読むているが、映画とは違うストーリー展開なので、原作未読の方はご安心を。 本書では収容所出身のニーデの壮絶な過去パートと、現代の複数の失踪事件を捜査するパートが交互で構成されており、なぜ事件が起こってしまったのかを丁寧に描いている。 今回も胸糞が悪くなる内容ではあるが、史実をもとにしているので内容もより重く感じた。 作中に登場し、実際の収容所で行われていた強制不妊手術と優生思想は、けしてデンマークだけの問題ではない。世界中、日本でも行われていた。 現代では、出生前診断がそれにあたるのではないかと人種差別問題として取り上げられている。 この問題に関しては、漫画【進撃の巨人】等でも取り上げられているように多くの作品に影響した問題であり、私たちが考えなければならないことのひとつであると改めて思った。 【ダンサーインザダーク】のような救いがないストーリーだが、作中登場するニーデと教師の触れ合いが素晴らしく、これだけで1冊出来そうなエピソードだ。 ラストのエピローグも救いがありよかった。 また、カールと仲間たちのユーモラスなやり取りも健在で楽しく読ませてもらった。 エンタメとして楽しむだけではなく、社会問題として考えさせられる著者の熱い思いが込められた1冊だ。 こんな人におすすめ .ᐟ.ᐟ ・北欧ミステリーが好きな人 ・社会派ミステリーが好きな人 ・イヤミスが好きな人 ・考えさせられる話が好きな人
結局ミステリーの面白さはどれだけ魅力的な敵役を登場させられるかで決まるような気がする あるいはどれだけ憎らしい敵役を その意味で本作は合格点だ 今回カールたちが立ち向かうのはとんでもないくそ野郎でアサドやローセの怒りも大爆発だ それにしても人の歴史とはこんなにも黒いのか 果たして人とは本当にこの...続きを読む地球に存在する価値のある種なんだろうかと思ってしまう 本作に描かれているスプロー島の女子収容所はデンマークに過去に実在していて、倫理的でないと思われた女性や軽度の知的障害を持つ女性を民族衛生法や優生法といった鬼畜な法律を根拠に不妊手術が行われてたのだという 作者のユッシ・エーズラ・オールスンはそのことへの″怒り″で本作を書き上げたようだ ご承知の通り日本にもかつて優生保護法という法律が存在して″選別″が行われていました これはとても恐ろしいことだと思います なんの罪もない人が正義の名の下に未来を閉ざされてしまう しかも障がい者や犯罪者に対して生まれてきたこと自体が罪なのだと考えるような人は今の世の中にもごく少数ながら実在し、神の代弁者のように振る舞っている 人の未来を作るのは、そんな悪魔たちに惑わされない人たちだと思う
外れないわ~~ めっちゃ嫌な奴がいて 周りから攻める 合間のカールの事情・・・ 堪能しました
特捜部Qシリーズ4作目。スプロー島という島に1960年代まで実在したという、知的障害があったり品行方正でなかった(と独断で判断された)りした女性の矯正施設(という名の強制収容施設)を土台にしているそうです。よもやこんなひどいことが、と慄きながら読み進み、慄けることは幸運なのだな、としみじみ感謝しつつ...続きを読む、複雑な気持ちで読みました。子供の頃に母親を亡くしたことに起因する知識の欠如に、いくつもの不幸と無関心と不親切と悪意が最悪のタイミングで重なってしまったニーデという美しく魅力的な女性と、親子二代で優性思想にとりつかれつつも権威を持った医師であるため長期間に渡り非道な行為を続けてきて政治にも働きかけようという野心を持つクアド・ヴァズという男性が中心人物。もちろんおなじみのカールにアサド、ローセにモーナ、ハーディもみんなそれぞれの過去に傷やわだかまりなど他人と共有したくないことを抱えながら日々を懸命に過ごしています。カールが燃え尽きてしまった例の事件現場からは新たな遺体が発見されそこからカールの写真や指紋の残った硬貨が出てきたり、ローセには実際にユアサという妹が居ることがわかったり、アサドもカールも捜査中に死に直面したり、と、かなり心を揺さぶられる内容でした。早く続きを読まなければなりません。
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特捜部Q―カルテ番号64―
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