大沢在昌のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ひさしぶりに 大沢在昌の本を読んだ。
新装版になっているのだが、1983年の作品。
じつに 30年前の作品。古さを所々感じるが、まずまず。
どうやって人を殺すのかということで、銃やライフルの話は
よくわからないが、おもしろかった。
結局は戦車のライフルを使うということだった。
国家の命令で 人を殺すという使命を帯びていた 加瀬。
加瀬は、そのようなシゴトをもうしないと決めていたが
元ヨメの三津子が、加瀬に依頼をする。
それが、出雲集団の会長 出雲だった。
出雲のムスコが殺されたことによる 復讐だった。
その復讐を加瀬に依頼したのだが、
加瀬の中で 徐々に こころが 変化していく。
始めは、断っていたが、みえない敵にたいして
変化していくのだが、しかし、最後は あまりにもあっけない。
そこにいたるまでの過程が おもしろかった。
大沢在昌らしい 雰囲気がただよっていた。 -
Posted by ブクログ
人気のシリーズもの、というのは、スピンオフとか続編とかパロディとか、色んな派生作品が作られますね。
そういう中で、
「元ネタ以上に完成度がすごい!」
というものは滅多に無い訳ですが...。
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「新宿鮫」シリーズというのは、どれも長編です。と言っても文庫本にして基本、1冊で済む長編。
それを10作全部読み終わったファンの為の、短編集。
正直それ以上でも以下でもありません。
長編、特に9作目「狼花」、10作目「絆回廊」、を読んでいないと、正直、なにがなんだかという短編もあります。
「エピソード・ゼロ」系の前日譚。
エピローグ的な後日譚。
出版社の企画であろう、漫画キャラクターとの共演もの。
(「新宿鮫」シリーズ自体が、マンガすれすれである、ということを、作者自身も自虐的な意味ではなく、自覚しているんでしょうねえ)
あるいは、普通の犯罪ミステリー、鮫島さんが活躍する短編。
ただ、「描き下ろしじゃないだろうなあ。何か仕事で受けちゃった雑誌の為の...締切あったんだろうな」という印象の(笑)。
玉石混交。
まあ、でも流石。
パラパラと気軽に読めちゃいます。
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これが同じ短編集でも、原寮さんの「探偵沢崎シリーズ」の場合の短編集「天使たちの探偵」の場合は、話が違います。
アレの場合は、むしろ短編集の方が長編よりも、見方によっては出来が良い、というくらいのため息ものでしたが...。
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以下、個人的な備忘録。
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①区立花園公園
10作目「絆回廊」で殉職した「桃井課長」さん。シリーズを通して、鮫島さんの良き上司さんだった人です。
この人と、鮫島さんの「エピソード・ゼロ」「ビギンズ」的な短編。
第1作「新宿鮫」より以前の時代。
桃井さんの新宿署防犯課に転勤してきた鮫島さん。
暴力団にも腐敗刑事にも真向勝負して、恨みを買う鮫島さん。
そんな鮫島さんをひっそりと見守って、ピンチを防いであげる桃井さん、というお話。
アルバムで言えばA面1曲目。つかみはOK。
「あくまで、新宿鮫長編ファンのための、番外編的企画の短編集ですよ」という全体像を予感させます。
②夜風
堕落警官と麻薬漬けのヤクザの絡んだ犯罪を、呼び出された鮫島さんが解決する。
時間と場所の限定された設定はなかなか面白かった。
③似た者同士
漫画「シティハンター」のキャラクターと、「新宿鮫」のキャラクターが共演する、という設定。
僕自身が「シティハンター」に詳しくないので、あまりピンと来ませんでした...
「新宿鮫」シリーズの、鮫島さんの恋人である歌手さんが、少年を更生させるドラマ。
④亡霊
ヤクザにもなれない、半端者のチンピラがいた。
どうやら下手を打って、ヤクザに埋められた(殺された)。
ところが、その男がまた街に現れる...
オチは、双子の兄弟でした。というもの。
双子の方はカタギで、彼の出現でヤクザたちは「亡霊だ!」と騒ぎ出して、そこから事件が解決する。
基本的には、「鮫」ではなくても構わない短編ミステリー。
⑤雷鳴
凝った趣向のオモシロイ短編。
舞台はバー。バーテンと鮫島。やってくるヤクザ。
緊張感のある会話で、鮫島はヤクザに足を洗わせる。
実はバーテンは殺し屋で、そのヤクザを殺すために居た...というドンデン返し。
これは、痛快な一篇。
⑥幼な馴染み
こち亀、の両津さんが、
「新宿鮫シリーズのレギュラーキャラクターの、鑑識の藪さん、幼馴染として現れる」
という趣向の、まあイロモノ。愉しい掌篇。
⑦再会
同窓会。同級生との再会。
同級生目線で描かれて、鮫島さんが同級生として現れる。
上から目線で勝ち組の主人公だが、実は犯罪に染まっていた。
それを鮫島さんに暴かれる。というか、ハナからそれのために、鮫島さんは同窓会に来ていた...という。
犯人の一人称心理モノ、ということも含めて、短編ながら新宿鮫っぽい好編。
⑧水仙
ご縁があった女性が、中国のスパイだった、というお話。
これまた、矢張り、「鮫」ぢゃなくてもOKだな、という一篇。
⑨五十階で待つ
気の利いた短編ミステリー。
暗黒街の伝説のボス「ドラゴン」を巡る詐欺話。
最後に鮫島さんが種明かしをするのですが、
ぶっちゃけ、「鮫」ぢゃなくても全くOKな一篇。
⑩霊園の男
第9作「狼花」で死んだ、国際的犯罪者・仙田の墓前に来た鮫島さん。「仙田の息子です」と名乗る若い男が現れる。
「狼花」で、仙田が残したダイイングメッセージが明かされる趣向。
当然ながら、いちばん、長編小説新宿鮫のテイストが満載な一篇。 -
Posted by ブクログ
主人公は独身で恐らく30代後半。惚れあった恋人さんがいます。
なんだけど、別線で偶然に魅力的な異性と出会い、
「ま、別に、この人とナニか起こるはずは、生涯ないやろけど、この人、好みやなあー」
と、内心思っちゃうわけです。
そうすると、かなりドラマチックな事件と偶然が重なって、
ちょっと怪我しちゃって、その人の自宅でちょっと介抱されて。
おしゃべりしたらなんだか、えらいこと気が合って。
ごっつ、ええムードになって。
でも手を握っちゃうくらいで眠り込んじゃいました。
…と、いうことがあって。
…でも、その別線な相手はもう遠くに行っちゃって、2度と会えません。
…そして、その人とのことは、どうやっても、恋人さんにバレることは無い訳です。
…
なんだけど、
「ああ、ウチは恋人を裏切ってしもうた。このままでは関係を続けられへん」
と、悩んでですよ。 そして、恋人さんに、
「かんにんなあ。ちょっと別の相手に、ココロは一瞬、マジになってしもてんよ。我ながら、アカンかったわあ。アカンやろ?別れたい言うなら、なんも言えへんわ」
と、告白するんです。何も問い詰められてないのに。
自分の心の中では、
「こういうの、ウチらは、隠し事したらアカンねん。ウチらの純愛は、そういうもんやねん」
と、思ってるわけです…。
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ちょっと、あり得なくないですか?
…と思ってしまうのは僕だけでしょうか?…。
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大沢在昌さんの「新宿鮫」シリーズ、第6作。「氷舞」。
今回の悪役は、「公安警察のOBの、大物政治家。そしてその番頭的な子分」です。
かつて、日米間でスパイをやらされてたんだけど、政治家とマジ恋愛しちゃって、
色々あって殺された可哀そうな女性がいました。
それに関わっていた公安警察の大物さんは、それをネタに人の弱みを脅したりして、
大物になって政治家になりました。
その人には、番頭のような部下がいます。影のように生きながら、汚れ仕事をこなす。
いくつかの不可思議な殺人事件から、そのふたりの過去の悪行に、主人公の刑事がいきつく、という犯罪サスペンス。
そして、その二人に昔昔、親を殺された女性が、復讐の鬼になって、関係者を次々に殺していたのでした、というお話。
いつも通り、前半の謎に満ちたサスペンス部分は、面白いです。
そして、今回は「公安警察」という、政治犯思想犯国際政治関連など、「治安維持」的な犯罪調査を行う部署(「警察の犯罪」も手掛けます)のことが描かれて、ホントか嘘か知りませんが、「へええ、こういう仕組みが人知れず、あんねんなあ」という、「へえー係数」も稼いでいます。
(そして終盤の解決に向けて、「一匹狼の主人公が全てを手掛けることにするため」のご都合さ、が、匂い立つという構造も、いつも通りなんですけれど…)
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…物語は半分、「主人公と、最終的に犯人と判る美女との恋愛」の葛藤で描かれていて、コレが、個人的な好みとしては、ぜんぜん、乗れません(笑)。
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シリーズものなので。
主人公の刑事さんは、歌手をやっている恋人さんが、いはる、という設定。
で、今回は、
「主人公が浮気しちゃったら?」
という、お題で書かれたような気もするんですが。
なんだか妙に中学生みたいな純愛思想と言いますか…。
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やっぱりときどき、大沢さんの「暴走するセンチメンタル特急」には、鼻白んでしまうんですよねえ。
(でもその短所が、長所でもあったりするから、おもしろいんですけどね)