二階堂黎人のレビュー一覧
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第2部の舞台はフランス「青の狼城」。
第1部と時間をシンクロする形で物語りが進行するが、こちらの軸はナチスが戦時中に実験を行っていたといわれる「星気体(アストラル)兵団」。
死体を自由に行き来できるというその〈人狼〉は本当に存在するのか?
するとしたら一体誰の体を乗っ取っているのか?
完璧な密室から脱出できるのは、本当に人狼だけなのか?
社交サロンのメンバーを含む10名以上を惨殺したのは誰?!
本編も登場人物は多い(今度は全員フランス名)のだけど、すらすらと頭に入ってくる手腕は見事。
ドイツ編と対になる城での事件だけに、殺害方法もやはり対。
でも「星気体(アストラル)兵団」を中核におくだけに -
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第3部は二階堂蘭子の登場である。
日本から遠く離れたヨーロッパの怪奇な事件に、蘭子がどう関わって行くのかという過程と、2つの城での事件のミッシング・リンクを描く。
基本的に第1部と第2部を読んだだけで謎は解けるようになっている(らしい)ので、特に目新しい追加情報が出てくる訳ではないのだけど、事件の背後に何か強大なものが蠢いている様を予感させる作りになっている。
人狼城からの唯一の生存者は精神病院に送り込まれ、有力な証人達は次々と命を絶たれているーーーそんな状況で蘭子は犯人とどう闘うのか?ヨーロッパの森深くに隠された双子の人狼城に、蘭子はどうやって辿り着くのだろうか?
2つの事件が今、蘭子の手 -
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「世界一長い推理小説」の完結編。
読んでる最中は寂しくて仕方がなかった。
「ああ〜これで『人狼城』が終わってしまう〜」という寂しさ。
LOTRの「王の帰還」を観ている時の寂しさ。
スターウォーズの「エピソードIII」を観ている時の寂しさ。
それと同じだ。終わって欲しいような欲しくないような複雑な心境。
この物語で列挙されている謎は次の通り。
「ハーメルンの笛吹き男」の真相、古城の伝説の謎、人間消失、死体消失、次々と起こる密室事件、衆人環視の毒殺、被害者の共通項、秘宝捜し、《人狼》の怪奇、そして残虐な殺人者の正体。
これら全ての謎がこの1冊で解き明かされる。そりゃあもう全編謎解き。清々しいまで -
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ネタバレ≪内容覚書≫
二階堂蘭子シリーズ。
二階堂家美人三姉妹と長女の娘。
使用人二人。
三女の婚約者。
知人の男性。
近くの神社の神主。
警官二人。
長女の元夫と教祖をしている内縁の妻。
教祖を助ける巫女二人。
昔は遊郭だった「久月」。
「久月」を呪う血吸姫の伝説。
24年前に起きた不可能な状況での殺人。
久月についた悪霊を払う儀式が始まる前の殺人予告。
そして、起きてしまった殺人事件。
さて、犯人は誰?
≪感想≫
推理小説を「推理」することではなく、
推理する探偵の姿に爽快感に楽しみを見出しているため、
回りくどい説明が、正直、めんどくさかった。
推理しながら読む人にとっては、大変楽しい -
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二階堂蘭子、初の推理。犯人が二転三転する楽しみはあった。正直、自分の読みが外れた。しかし、本格ミステリの弱点である人物像の描写がやはりあまりなく、頭の中で人物がイメージしづらかった。「人間が描けていないのではなく、本格ミステリにおいては、あえて描かないのだ」と、以前誰かが言っていたが、それは推理やトリックの面白さで勝負するということだろう。その面白さがなく、かつ人間もまともに描けていないようじゃ、娯楽としての推理(探偵)小説として、申し訳ないが、読む価値はないと思う。と、話はズレたが、この小説、前半は地獄の奇術師との攻防が面白く、冒険小説的な要素があったが、後半はトリックへの推理が冗長で、リー
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二階堂黎人という作家は、鳥肌が立つような迫力に満ちた傑作を書くかと思えば、なんとなく才気ばかりが立ったすっきりしない作品も書く。特にメタとかパロディに足をつっこむと、どうも個人的には好きになれない。
幼稚園児のハードボイルド探偵が活躍する短編集も、ある意味でパロディである。各短編のタイトルを含め(「八百屋の死にざま」は笑った)、思わずにやりとするようなネタは多いのだけど、全体としてみるとやっぱりムリがあるような気がする。趣向がうまく作品として収まっていないのである。
その中でも表題作はうまく設定を生かしていると思うのだが、「動物のお医者さん」の愛読者には、案外早く真相がわかってしまったりす -
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十字架屋敷周囲を徘徊するミイラ男は、自らを「地獄の奇術師」と名乗り、屋敷に住む一族に復讐すると予告した。その言葉通り、一族の者が次々と奇術師に殺されていく。しかも現場は警察の監視の目があり、内側から施錠された完全密室だった。奇術師は如何なる方法で本懐を遂げたのか?
古き良き乱歩ワールドを彷彿とさせる作品。なかなか古めかしい設定です。ミステリィを読みこなしてる方には物足りないですが、初心者に勧めるのは不親切な感じ
ミステリスキーへのサービスのような注釈が多いですが、ちょっと多すぎかな?ああいうのは分かる人だけがニヤッとできるくらいがいいですね。私はほとんど分かりませんでした^^悲…
犯人当