倉阪鬼一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
青山県吹上市。
この架空の町の学校関係の人々におこった恐ろしい事件の数々を、
読みやすい文体と表現力で書いた連作短編集でした。
学校の行事になぞり、
1学期から3学期までと夏休み、冬休み、春休みの間におこった
6つの事件がリアルに描かれていました。
引きこもり教師の起こした殺人事件、
林間学校を襲撃した40人殺人事件、
連鎖的におこった殺人事件に町の人は震えあがりますが、
それが引き金となって、
次々と人の心の奥底に潜む悪魔が目を覚まします。
まじめで型物なお面をかぶった教師たちの
裏の顔があらわれ、第3、第4の事件や殺意へと繋がっていったのです。
「うつ病」や「ひきこもり」など
心の病 -
Posted by ブクログ
毎度お馴染みの例の仕掛け入りのブツですね。著者の言葉にあると通り、これはバカミスじゃあないな。交響曲シリーズに含まれるらしいんですが、そっち読んでないので、その流れについては語れません。
いやあ。「すべての文章、いや、すべての言葉が伏線になってるミステリー」でした。
「四神金赤」の系統を読み慣れてる人は、埋め込まれた仕掛けには割と早めに気づくと思います。ただ、作中、それについて何度も触れてくるので、その仕掛けをどう着地させるのかとワクワクしながら読めましたよ。
主犯、共犯、探偵、被害者、記述者… ミステリの登場人物の要素をこういじくり倒したか、と関心。
単純にミステリネタだけ見るとがっかりな人