円城塔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
僕(チャールズ・ユウ)は電話ボックス大のタイムマシンTM-31で、OSの少女タミー、非実在犬のエドと、タイムマシンの修理工として暮らしている。
タイムマシンを開発した父は失踪、母は一番幸せな1時間をタイムループし続ける生活を送っていた。
ある日、僕は未来からやって来た自分と遭遇し、光線銃で撃ってしまう。
TM-31でその場から逃げ出した僕は、未来の僕から託された本「SF的宇宙で
安全に暮らすっていうこと」を手にタイムパラドックスから逃れる方法を探っていく。
久々に本格SFを読んだ。
module αは面白いけど読みづらくて、どうなるかと思ったけど、それ以降はスイスイ読めた。
予想外な話の展開も◎ -
Posted by ブクログ
うーん、これは何と言ったらいいのか、タイムトラベルもののSF小説であり、同時に、家族(特に父子)小説でもある。前者としては非常に面白く読んだのだけど、私はどういうわけか後者はきわめて苦手で、サーッと気持ちが引いちゃうんだよね。クールなSF部分に比して、家族部分はかなりベタに語られるのがつらい。そこがいいという人も多いだろうけど。
出だしはまるきり円城塔。チャールズ・ユウって、円城氏の英語でのペンネームでは?という疑惑が頭をかすめるほど。シャープで、でもどこかとぼけていて、好きなタッチだ。いったいこれってどこまでが原文の味わいなんだろう。合わせ鏡の中にいるような自己言及の連続や、物語のメタ構造がとても刺激的だ。
時間って本当に不思議だ。「未来」を私たちは知らない。「現在」はつかもうとしたときには既に過去になっている。じゃあ「過去」は確かか? そうじゃないのは、次の独白の通り。
「時間は装置だ。痛みを経験に変換し、生データはコンパイルされてより理解しやすい言葉に翻訳されていく。あなたの人生における個人的な出来事は記憶と呼ばれる別の物質に変換され、その変換過程では何かが失われることになり、あなたは決して、それを復元することができなくなる。あなたは決して、オリジナルの瞬間をそれがまだカテゴライズされていない未処理の状態として取り戻すことはできないだろう。その過程はあなたに先へ進むことだけを強制することになり、この件についての選択権があなたに与えられることはないだろう」
本筋ではないが(いや待て。もしかして重要な要素かも)、始まってすぐに主人公の容姿(と言うより体型)が明らかになるところで、「は?」と目が点に。表紙の朝倉めぐみさんの手になる繊細そうな青年とは全然違うじゃん!あの絵をイメージするから、現実の時間の流れから切り離された電話ボックス大の空間で、非実在の犬とコンピュータプログラム相手に何年も過ごし、父を探す青年の姿が切なく感じられるんだけど。本文通りに思い描いてみると…、うーん、また別の切なさがあるかなあ。 -
Posted by ブクログ
まぁ円城塔である。二回読んだけどわかったとはよう言わん。わからんのと、わかった気くらいになるのと。いや、別にわかりたくて読んでるわけでもないので、わかった気になっておもしろかったりわからんけどおもしろかったりでいいのだ。
ということで、わかった気になっておもしろかったのがまず表題作。うん、頭使わずにぼんやり読んでもおもしろい。
「祖母の記憶」ノリ的にちょっとバリー・ユアグローっぽい。悪趣味さと乾いた感触。ユアグローに比べると長いだけおもしろいのとダレるのと。アイディア一発ではないのだな。
「捧ぐ緑」何だよゾウリムシ。といいながらこういうなんちゃって生物学みたいなの好き。石黒達昌とか。 -
Posted by ブクログ
“おめでとう、おめでとう。
何世代か前に、超光速航法を編み出した祖先たちが入植した土地に、僕はようやく辿り着いたというわけだ。骨董品の長い旅を労おうと、僕を迎えるためのびっくりパーティーを用意しておいてくれたのだ。まあその前に電波の様子で僕の方にも知れるだろうが。
あなたは別に何かをみつけたわけでもないですし、我々の知識に何かをつけ加えたわけでもないですが、とにかくこうして裸一貫、大海原を越えてやってきてくれたことが偉大です。おめでとう。おめでとう。とか言われるのだ。”[P.32_バナナ剝きには最適の日々]
「パラダイス行」
「バナナ剝きには最適の日々」
「祖母の記録」
「AUTOMATICA」
「equal」
「捧ぐ緑」
「Jail Over」
「墓石に、と彼女は言う」
「エデン逆行」
「コルタサル・パス」
単行本に「コルタサル・パス」を加えての文庫化。
この文章がたまらなく好き、とかこの表現がとても気持ちいい、みたいなのがちょくちょくあってそこが楽しい。
“透明な形でできた三角形。そこには腕が四本あって、足が七本あるのであって、四は七より小さくて、七は三より小さいのです。
おかしいなと思ったとして、ここにはまだ四も七も三もいないのでした。出て来る必要がありませんから。そんなものがなかったとして、困ることもないわけなのです。
全然この世にいないとしても、三角形のことが大好きだよ。
もしかして、既にこの世にいるものや、既にこの世にいなくなってしまったものと比べてさえも。この世の中に原理的に存在できないもののことが大好きだよ。
こうした言葉の並びみたいな。
そうして、大好きなものは大嫌いだよ。
大好きなものなんてこの世にずっとないままでいい。この世が大好きで一杯ならば、この世は大嫌いで一杯で、そんなのは、ほんとうにもう大嫌いでちょっとだけ好き。”[P.101_equal] -
Posted by ブクログ
円城塔の短篇集。
「ゾウリムシは信仰を持つか調べています」と、バナナ星人の対立のくだりは最高に面白いw
個人的には上記の『捧ぐ緑』、『バナナ剥きには最適な日々』と、『パラダイス行き』、『コルタサル・パス』あたりが好きです。
円城塔のナンセンスとまでは行かないけど、よくわからない絶妙な感じが好きですね。
言葉選びのセンスと設定の作り方が上手い。
まともな文章も書けることは『屍者の帝国』でも証明済みなので、たまにはこれらの巧みな設定を活かした普通の文章の普通の作品を書いて欲しいと切実に願っています。
でもそうすると円城塔の味が薄れて、没個性・大量消費型の作品になってしまうんでしょうね・・・。
それはそれで考えものかもしれない。 -
Posted by ブクログ
小説でこんなに難しいと感じた本は
今まで読んだことがない
伊藤計劃好きなら気になる円城塔の短編集
「難しいだろうな」と思っていた予想をはるかに上回る難解さでした
全編通して「本」や「言葉」や「文章」について・・・
なのかなとオモウ
短編集なんだけど、全編に通じる何かがある・・・
とオモウ
数学と言語の絡み合いとでもいうのか
とにかく算数の時代から苦手な自分には
創作なのか本当にあるものなのかわからないことがたくさんあって
休憩がてらググッてみたりして
初めて「あ・・・創作なのか・・・」と気づいたり
感想として述べたいことは山のようにあるけど
「違うのも読んでみよう」と思えたし
発想力とか視点をスゴイと思ったので
星3つ
本当に難しかった
アタマいー人ならすらすら読めるのかも