中村うさぎのレビュー一覧
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最初。ヘラヘラと軽い気持ちで読み始めた。やがて笑顔は凍りつき、読む手を休めながら目を閉じる事しばし。
重い本である。
獣道、人の痕跡なき道を歩くとはさも苦しいものなのだろうか。またそれが「裏道」なら尚更である。
本著はマツコデラックスと、中村うさぎ。二人の異色が「拝啓 マツコ様」「拝啓 うさぎ様」と書簡をやり取りする形式+対談といった構成になっている。テーマは多岐に渡るが一貫として語られるのは、哲学である。
その言葉は、やたらと刺さる。刺さって刺さって、毒にやられそうになる。特に私が刺されたのは以下。
「できれば、ネガティブな事だけ忘れて、大切な思いはリアルに覚えておきたいものだけど -
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犯罪を犯した13人の女たち。彼女たちが犯した事件や取り巻く環境、そして何よりそれぞれの心の内が、中村うさぎの内面と交錯する形で描かれる。
それぞれが持つ背景や、また彼女たちの結末も三者三様であるが、その根底には強烈な"自意識"の問題が存在する。そんなこと考えない方がきっと楽に生きられるに違いない。しかし彼女たちは、"何か"が欠落した自分に対して目を向けずにはいられないのだ。
多くの犯罪者は自分の感情を言語化することに不得手だ。勿論、ここで描かれるそれぞれの"犯罪者"に対する中村うさぎのの解釈が誤っている可能性も、彼女自身が前書きで指摘する通りあるわけであるが、とかく分かりやすい形でセンセーショ -
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【経緯】
ぺりこさんに、徹子の部屋にでてきたときの中村うさぎと顔が似てると言われ。笑
【書き出し】
「どうして私は、女であることを、おおらかに正々堂々と楽しめないのか」
これが、私の長年の疑問であった。
【感想】
「女としての価値」をわかりやすく数値で示して!って考え方がユニークで笑っちゃった。
いやー 身につまされるというか‥
人間として、女として、求められたいというのは至極真っ当な話なんだよね。
別れたときにセックス依存になる女は、「セックスしたい」ということよりも「女として求められたい」んだな、とストンと納得した。
【引用】
「自分の欲望を刺激するのはけしからん」とか「自分の欲望を -
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「女とは?」というこの究極の問いに、中村うさぎが様々な視点から答え"ようとする"一冊。その効能(?)は解説の指摘が的確。p285「性役割に馴染めなかったオトコオンナたちに、うさぎさんは何と闘えと言っているのか。それは、本文中にもたびたび登場する「オヤジ」というやつだろう。〜略〜闘う相手はもっと観念的なもの、社会にはびこる「オヤジの常識」だ。」p288「Cancam女にも、エリートパパにもなれなかった外れオトコオンナ達は、舗装されていないけもの道を歩き続けるしかないのだ。〜略〜そんな人々に、一緒に強く生きようぜとハスキーボイスでエールを送り続けているのが、うさぎさんの本なのだと思う。」要は旧来の
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ネットや日本という国の在り方、個人主義やセクシュアリティーまで、2人の気の赴くままに進む往復書簡。個人的には特に2011.11.27-2012.6.10の部分が興味深い。
ここ何年か、何故だか中村うさぎの発言が気になるのは、恐らく彼女の思想が自分と似てる部分が多いから。p.87〜中村うさぎが珍しく政治について発言しているが、国家(日本)の「栄枯盛衰」の考えだったり、蓮舫の「一番じゃなきゃいけないんですか?」発言に対する理解だったり、これからの日本の在り方だったり、普段自分が漠然と考えていることほぼそのまま。p.94で日本は世界のリーダーとなる国民性ではないというのもまた然り。
テーマに偏りはあ -
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はーおもしろかった。
個人的に好きなのは「甘い「さよなら」」というエピソード。
うさぎさん好みの完璧な外見をしてるのに、どうしてだかエッチな気分になれない不思議なウリセンの彼。
男に甘えるのが苦手なうさぎさんが、どうして彼の腕枕なら素直に受け入れられるのか、彼になら抱き締められて抱き締め返すことができるのか。説明ができない。
「彼は、私の心の中の「何か」を溶かす天才だ」と言う。
うさぎさんは、愛する人の中に自分を見、愛する人を抱き締めることで自分を抱き締める、そんな愛の形にうんざりしているみたいに見える。
たぶん、彼はその泥沼から遠いところにいる。愛する人を抱き締め、自分を抱き締めたいなら、 -
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中村うさぎの赤裸々に綴ったショッピング三昧借金三昧の生活を書いた本。
なんとなく、山田詠美を思いださせる貫禄の文章。
でも、すっごい面白いの~。
なんか、怖いもの知らずなこの口調。凄すぎるわ。
ほんとバカ丸出しなんだけど、漫才を見てるような感覚に陥るこの文体はな~に?
これ、結構好きだったりして。
おかげで気分盛り返してきたよ~。
Yahooで「中村うさぎ」検索してみたら、なんとこの人、一週間に一回しかお風呂に入らないらしい。顔を洗うのもたまに。
そして旦那さんはゲイ。
片付けるのが嫌い。
なんか、ちょっとひけた。。。
でも普通じゃないとこが、この人らしいね。 -
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言葉の定義をはっきりしないで、
薄ボンヤリした概念を共有するつもりで会話するじゃない?
それを許せないタイプの二人の
書簡のやり取り。
中村うさぎさんとマツコデラックスさん。
なので、
解釈やら、言葉の持つ意味について
突っ込んで話しています。
お互いの言いたいこと、
訂正と再確認を。
やー、お二人とも大好きですが
私にとって
かなり濃いです。
でも、確かに誰かと話していても
暗黙の了解とか
なんとなく伝わってるよね、
ってふんわりした空気があったりするけど
この往復書簡にはありません。
孤独、欲、自我、自由、
試行錯誤して格闘している言葉たち。
「色んなものを諦めることだけ -
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ネタバレこの本を読んだのは2年前なんですが、常日頃疑問に思うことや不満と通じるものがある気がして個々にレビューとして綴る。
2012年9月の話。
※今から吐く毒は、「一個人」として吐くものです。
最近勤め先(某学校)で、男生徒に「やらせてくれっ!」って迫られ、襲われそうになった女子生徒(未遂)が、友人のススメで先生にその事実を学校に訴え、そのため加害者の男子は職員会議で何があったかを詳細に全教職員に知らされる事になった上、退学の危機に陥るという事態になったということがあった。
学校の対応としては、別に間違いはないし、女が泣き寝入りするなんてあってはならない。(まぁ結局何も起こってない -
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ネタバレ「自分という病」というエッセイで東電OL殺人事件の被害者女性に感情的に馮依・同化して、女視点で赤裸々に肉薄をした筆者の、肉薄同化シリーズの続編。
事件の被害者女性・加害者女性に中村うさぎが馮依・同化して、突き詰めて抽出する女(特有)に自意識は、多分男女問わず共感を引き起こすものが多かったのではないか。少なくとも自分は、部分的には「自分の物語」として読んでいるモードに入っていた。とくに
やおい漫画作家殺人事件被害者の『謎めきたがる癖」には少し共感してしまった。底の浅い人間だと思われたく無いという想いが自分には強い気がする。
ちょっとこれも怖いけど面白い話しだった。 -
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グィグィいける、うさぎさん。
最高に面白いです。笑えます。
どんな状態でも「このやろー」と言えるような人。
悲観に暮れるわけでもなく、
人生このくらいなきゃつまらん!
と堂々としてるうさぎさんはホントにカッコ良い!
大好きなマツコデラックスが登場してる箇所もあり、
本当楽しめました。
「もしも女王様が死んだら、夫よ、
ルイ・ヴィトンの棺桶を発注してちょうだい。
死者とともに焼かれるためだけに作られた
ブランド品・・・・・・ねぇ、これ以上に無駄な浪費が、
この世にある?
人も物も、すべては灰になるべき存在。
そのような無常、そのような空虚が、私は好き